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SNSの“お見合い写真”化で広がる若年層の整形 美容外科医「悪質なクリニックを駆逐するほうがよっぽど建設的」

「美容整形をもっとオープンに」を掲げてYouTubeなどでも積極的に発信をする豊胸のスペシャリストで東京美容外科の総括院長の麻生泰氏。著書『バーキン買うなら豊胸しろ』(ゴマブックス)では、挑発的なタイトルながら内容は至って真っ当に昨今問題となっている豊胸手術の健康被害に警鐘を鳴らしつつ、正しい知識を啓蒙している一方で、大手美容外科の闇も告発している。麻生氏に、カジュアルな需要が高まる美容医療業界の現在について聞いた。

整形のカジュアル化を単に否定してもダメ「日本は見た目イジリが根強いのも事実」

──著書『バーキン買うなら豊胸しろ』(ゴマブックス)いわば炎上覚悟でも警鐘を鳴らしたいことがあったとおっしゃっていましたが、それほど豊胸の希望者は増えているのですか?

麻生泰医師東京美容外科は今年で開院20年目ですが、目立って増えたのはここ10年ほどですね。理由はいろんなところでも指摘されているようにSNSの普及でしょう。特に若い女性にとってインスタはお見合い写真のようなもの。ひと昔前は整形もよっぽど悩んでいる方や特殊な職業な方がメインでしたが、見た目の美しさに価値がかつて以上に置かれるようになり、一気に一般化しましたね。

──昨今は整形の低年齢化も進んでいます。整形のカジュアル化に懸念はありませんか?

麻生泰医師僕自身も美容外科医になる前は、この分野に偏見を抱いてました。家庭の事情でお金が必要だったので、仕方なくという感じだったんです。だけど実際に多くの患者さんに接して、整形によって本当に幸せになった方をたくさん見てきました。だから整形を否定するのはもうやめていいと思うんですよ。それよりも高度な美容医療を確立し、悪質なクリニックを駆逐するほうがよっぽど建設的ではないでしょうか。

──整形のカジュアル化がルッキズムを助長するという指摘についてはいかがですか?

麻生泰医師もちろん見た目だけで判断するのは良くないことですが、日本は見た目イジリが根強いのも事実。そこから目を背けて若い子に「ルッキズムはダメ」「整形は悪」と説いても、何も響かないし解決しないと思います。教育の問題ですよね。ただ実際のところ整形などで見た目を整えることは可能ですし、それによってコンプレックスが解消されたり、自己肯定感が上がったりする方が増えれば、日本はもっと元気になると思いますね。

──整形の必要がないのでは? という患者さんはいますか。

麻生泰医師あまりにも若い子が「豊胸をしたい」という場合は「ホルモンの変化で胸が大きくなる可能性もあるから、もうちょっと待ったら?」と止めることはあります。ただし見た目に関してはないですね。なぜなら見た目は自己概念ですから。人がいくら「十分可愛い」と言っても本人が満足していなければ意味がないんですよ。

──実際、先生から見て「可愛いのに」という方も少なくないのでしょうか?

麻生泰医師もちろん。たとえば僕が担当しているヴァニラさんも、整形前から十分おきれいでしたよ。ただ小さい頃から親御さんにブスと言われてきたそうで、整形によってそのトラウマから解放されたことを何より喜んでいました。(整形美人として)有名になったことでマイナスはあったかもしれませんが、人生は確実に豊かになったとおっしゃっていましたね。

移りゆく整形のトレンド「医師が患者さんに勉強させていただいて、新しい技術を身につけていくことも」

──整形にはトレンドがあると言われますが、そのトレンドは誰が作っているのでしょうか。

麻生泰医師今は圧倒的にインフルエンサーが美の価値基準を作っていますね。最近だと『中顔面短縮』を求める方がとても増えています。わざわざなぜそこを短くするの? と思っていたのですが、あれよあれよという間に大流行。韓国のインフルエンサーから火がついた額を丸くする施術もそう。美容外科医が患者さんに勉強させていただいて、新しい技術を身につけていくこともあるんです。

──美容外科クリニックの広告が、美の価値基準を植え付けているところはないのでしょうか?

麻生泰医師なくはないと思います。ただ美容医療広告のガイドラインは厳しくて、アピールできることって意外と少ないんです。CMもダサいものばっかりじゃないですか(笑)。クリニック名を連呼するものが多いですが、あれも規制が厳しいからなんです。逆を言えば伝えられる情報が少なすぎて、正しい情報を伝えられないデメリットもあるんです。

──最近は麻生先生のようにネットで積極的に情報発信をする美容外科医も増えました。この傾向をどうご覧になっていますか?

麻生泰医師とてもいいことだと思います。顔出しするということは、つまり「逃げも隠れもしません」という宣言でもあるんです。それは適切な美容医療を提供しているからできることで、今ものすごい健康被害を出しているアクアフィリングによる豊胸手術などをやってたら顔出しなんかできないはず。顔出しする先生が増えたら、業界はもっと健全化すると思いますね。

──今年はドバイに初の海外進出を果たされました。東京美容外科の今後の展望をお聞かせください。

麻生泰医師リスクのある美容医療を安価で提供して、数を増やしたクリニックは本当にたくさんあります。うちは優秀な先生しか雇用していないので、数の力ではどうしても勝てない。それでも人の命や人生まで預かる仕事ですから、やはり勝たなければいけないんです。そのためには高度で先進的な美容医療を確立するほかはないと思っています。美容医療の発展に寄与する影響力を持つことで、業界全体をよりよい方向に導いていきたいですね。
(取材・文/児玉澄子)

『バーキン買うなら豊胸しろ』(ゴマブックス)

バーキンで飾るよりも豊胸を勧める真意とは・・・
ドクターAこと麻生泰医師がSNSでは語りきれない想いをまとめた1冊。
●自己投資の順番を考えよう
●安易な豊胸が流行るカラクリ
●手術よりも注射のほうが簡単? でも本当は……
●行ってはいけない美容外科の見分け方
●過去は変えられない。でも未来は変えられる。など

・痛みや腫れはある? ・ダウンタイムはどのくらい? ・傷跡は残るの? ・いつから仕事に戻れる? など、よくある質問にも麻生先生がスッキリ回答する。

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『もしも、人生を今日からやり直すとしたら 孤独を恐れず自由に生きる法則』(KADOKAWA)

人間関係、コンプレックス、仕事、お金、ライフスタイル…麻生泰先生のこれまでの失敗や挫折から得た、後悔しない生き方とは? 自伝的自己啓発書。

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麻生泰

監修者 麻生泰

1972年1月10日大阪府生まれ。医療法人社団東美会理事長/東京美容外科統括院長/慶應義塾大学医学部非常勤講師/慶應義塾大学医学部大学院にて医学博士号取得。
2003年に、東京美容外科の前身となる「学園前美容外科」を奈良県に開業し、開業医としての経歴をスタート。2004年に、「東京美容外科」の1号院を開院し、系列院は110院を超える。痛みの少ない「日帰り可能な豊胸手術」を開発し、豊胸手術のパイオニアとして学会での発表や海外での公演実績なども多数。現在日本国内で行われているほとんどのシリコンバッグを用いた豊胸手術が麻生式豊胸術である。また、「開かれた美容医療」を目指しており、積極的に手術のライブ配信や公開イベントを開催している。普段知ることのない手術の様子を公開することで、美容医療全体の信頼度向上、技術力向上などさらなる発展に貢献している。

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