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すべてを“SixTONESの音楽”に結び付ける…初の両A面シングル「Good Luck!/ふたり」にみる多様な音楽性

 6人はこの作品で、新たな表現の地平を切り開いた。そう断言していいだろう。
 SixTONESがニューシングル「Good Luck!/ふたり」をリリースした。ロック、ジャズ、ヒップホップを融合させた「共鳴」(2022年3月/TVアニメ『半妖の夜叉姫』OPテーマ)、恋愛の切なさと奥深さを描いたバラード「わたし」(2022年6月/松村北斗出演ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』挿入歌)に続く今年3作目のシングルには、ジェシーが主演を務めるドラマ「最初はパー」主題歌「Good Luck!」、京本大我の主演ドラマ「束の間の一花」主題歌「ふたり」の両A面。まったくタイプが違う2曲を押し出すことで、このグループの新しい表情を伝えることに成功している

ラフに進んでいけばいい、SixTONES流のエールソング「Good Luck!」

 「Good Luck!」(作詞:YUUKI SANO、作曲:YUUKI SANO、Taishi Noguchi)は、華やかなホーンセクションと心地よくグルーヴするバンドサウンドを軸にしたポップチューン。しなやかさと力強さと併せ持った旋律はドラマティックに躍動し、サビに入った瞬間に圧倒的な解放感を描き出す。Aメロ、Bメロ、サビというオーソドックスな構成はJ-POP/アイドルソングの王道だが、ネオソウル的な要素を加えることで、“懐かしくて新しい”テイストに結びつけている。

 < Hey guys! This song is for all dreamers>という言葉からはじまる歌詞は、徹底的に明るくてポジティブ。ジェシーが市川猿之助とタッグを組み、お笑い養成所でプロを目指す若者を演じているドラマ「最初はパー」ともリンクした、SixTONES流のエールソングだ。既に多くのファンから指摘されているように、この曲には“がんばれ”という言葉がない。無理に手を引っ張ったり、“勝たなければならない”的なマッチョな雰囲気もまったくなく、すべての人を肯定し、“大丈夫、なんとかなるよ”と笑顔で語り掛けているのだ。それをもっとも端的に示しているのが、<飾らずいきましょう>というフレーズ。聴くだけで気持ちがラクになる、現代的な応援歌と言えるだろう。

 「Good Luck!」のメッセージ性の核になっているのはもちろん、ジェシーのチアフルな存在感だ。普段から彼が放っている前向きな姿勢、太陽のような温かさは間違いなく、この楽曲の本質と直結している。作詞・作曲を手がけたたYUUKI SANOはこの曲について、「SixTONESさんのことをたくさん調べ、たくさん研究し、ジェシーさんのブログを何度も読み、彼らのことをイメージして作らせていただいた完全書き下ろし楽曲です」とコメント。クリエイターの真摯なスタンスもまた、「Good Luck!」の素晴らしさにつながっているのだ。

 MVでも当然、メンバ―全員が素敵な笑顔を見せている。黒スーツでキメたスタイリング、メンバーの個性を活かしながら、サビではビシッとした一体感を感じさせるダンスなど多彩な魅力が感じられる映像に仕上がっている。

ボーカルの豊かなエモーションが絶品、歌の情感際立つ「ふたり」

 一方の「ふたり」(作詞/作曲:YUUKI SANO、Haruka Yanagawa)は、愛する人への切実な思いが真っ直ぐに伝わるバラードナンバー。いつか終わることがわかっているからこそ感じる何気ない日常の美しさ、そして、“この日々がずっと続いてほしい。君と歩いていきたい”という祈りにも似た感情――“人を愛すること”の本質を射抜く、普遍的な力を持った楽曲だ。

 この楽曲が主題歌となっているドラマ『束の間の一花』は、余命宣告を受けている大学生(藤原さくら)と、彼女が通う大学の哲学講師(京本大我)の関係を描いたラブストーリー。儚さ、愛しさ、命の大切さを内包した二人の姿はそのまま、「ふたり」にも投影されている。ドラマのために制作された楽曲ではあるが、大切な人に対する気持ち、“限りある命のなかで何ができるか?”という命題は、すべてのリスナーに当てはまるはずだ。

 奥深いテーマを含んだ歌詞に豊かなエモーションを与え、“生きた歌”へと導くメンバー6人のボーカルも絶品。前作「わたし」でも卓越したボーカル力を示した彼らだが、“シンガーとしての個性を存分に感じさせるソロパート”と“全員の声が合わさったときのパワー”のコントラストはさらに奥深さを増している。ピアノと歌を軸にしたアコースティックな音像も、6人の歌の情感をしっかりと際立たせている。

 MVでもメンバーの歌にフォーカスを当て、楽曲に込められた思いを増幅させている。特に京本の憂いと優しさを滲ませる表情、そして、それぞれ違う場所にいたメンバーが集まり、京本を迎え入れるラストシーンには強く心を揺さぶられた。MV公開直後から寄せられた「切なく儚く暖かい歌声が、映像と重なって、より心に染みました。」「歌声にこんなに多様な感情が込められるんですね。聴いていて心臓が締め付けられるようで、切なくもあたたかい気持ちになります」といったコメントからも、「ふたり」の魅力を実感してもらえるはずだ。

 C/W曲「Sing Along」(作曲:Mayu Wakisaka/作詞:Chris Meyer,Josef Melin)は、松村北斗、ジェシーが出演する「ECCジュニア」CMソング。曲のタイトルが示す通り、“僕たちと一緒に歌いながら進もう”というメッセージを放つ楽曲だ。さらに世界的なトレンドとなっている“チルホップ”で「わたし」をリミックスした「わたし-Lo-Fi ChillHop Remix-」も収録。音楽性の広さを改めて証明するシングルとなっている。

 1stシングル「Imitation Rain」(2020年1月)でデビューして、2年9ヵ月。当初はロック/ダンスチューンのイメージが強かった彼らだが、その後、様々なジャンルーー享楽的なパーティソング、朗らかなエールソングから、深遠にして切実なラブソングまでーーを取り込むことで、アーティストとしての振り幅を広げ続けてきた。多様な音楽性を可能にしているのはもちろん、メンバー自身の表現者としてのポテンシャル、そして、常に新しいフィールドに進もうとする姿勢。そう、あらゆるジャンルを超え、すべてを“SixTONESの音楽”に結びつけるセンスと意識こそが、このグループの武器なのだ。シングル「Good Luck!/ふたり」を聴けば、誰もがそのことを再確認させられるはずだ。

(文:森朋之)
■SixTONES Official web site
https://www.sixtones.jp/(外部サイト)   

■SixTONES YouTube Channel
https://www.youtube.com/channel/UCwjAKjycHHT1QzHrQN5Stww(外部サイト)

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