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“差し押さえ物件”から救われた「ガリガリ猫」が凛々しい「いけニャン」に成長、奇跡の復活に思わず涙
「まだ逝くな! 逝かないで!」、瀕死の子猫がミラクル復活
「あまりにガリガリで軽く、毛はカッサカサに乾いていて…。正直、死んでいるようにしか見えなかった」というこの子猫。呼吸は浅く、鳴く力もなく、明らかに危険な状態だった。溝上代表はとにかく、「まだ逝くな! 逝かないで!」と声をかけ続け、ブドウ糖を飲ませて点滴などの処置をした。万が一肺に入ると死んでしまうため、ミルクはカテーテルで飲ませなくてはならない。こうした特別なケアが必要だったため、そのまま代表が子猫を預かることになった。
これらの処置がなければ、「確実に三途の川を渡っていた」と思われた瀕死の子猫。寝ずの看護の甲斐もあり、翌日にはなんと奇跡の復活。そのエピソードにちなみ、子猫は『ミラクル太郎』と名付けられたのだ。
「本当に、奇跡の子と言えると思います。あの危険な状態から回復できた、それだけ生命力が強かったのだと思いますし、強運なのだと感じます」
しばらく代表の家で暮らしたミラクル太郎は、少し前までガリガリ、カサカサで死に瀕していたとは思えないほど、見違えるようなふわふわ、可愛らしい子猫となった。
立派に成長した姿に思わず「どちらさん?」、時間をかけて良縁をつかむ
実はこの猫が、ガリガリでカサカサだったミラクル太郎。必死の治療とケアで元気を取り戻し、子猫のうちはずいぶんヤンチャだったが、いまやすっかり立派な姿に変身した。そして、現在の猫の名前は『レオ』。譲渡会で縁が繋がり、今は新しい家族の元で幸せに暮らしているという。
「ミラクル太郎は意外にも、譲渡会でなかなか縁が繋がらなかった子なんです。実は、この子が大変な現場から救われてきたということは、譲渡会では明かしていませんでした。なぜかというと、そうした来歴を持つ猫だとわかると、少しミーハーな気持ちで飼おうとする方がいるためです。経験上、そのように譲渡するとあまり良い状況にならないことが多いんですね。時間がかかっても、待ったほうが良い縁が繋がると考えました。実際、今の飼い主さんと出会えて本当に良かったと思っています」
今では、新しい家族と先輩猫とともに、幸せに暮らしているというミラクル太郎あらためレオ。この猫は安心して生きられるあたたかな環境を手に入れることができたが、同じように悲惨な現場から危険な状態で保護されてくる猫は、決して少なくない。そして、元気を取り戻せる猫もいれば、必死で手を差し伸べても虹の橋を渡ってしまう猫もいる。
「この子は救えましたが、がんばっても亡くなってしまう子もいます。1日遅れていたら、この子だって危なかったでしょう。差し押さえの案件は、事前に動物がいるかどうか、どんな状態なのかどうかがわからないため、我々が先に救い出すことは難しい。そうしたことが減っていけばよいのですが…。救えたこの子が、健康で長生きしてくれることを願います」
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