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「中におじさん入ってる?」“飲んだくれスタイル”のおじさん保護猫、10年でやっとつかんだ赤い糸
警戒心の強いパーマンとブービー、いつしか“古参”に…
こんな風に、ゆったりと暮らしているパーマンだったが、『ねこけん』に保護されたのは約10年ほど前。名前からもわかるとおり、パーマンには兄弟猫「パー子」「ブービー」がいて、3匹一緒に保護されたという。
「ボランティアメンバーが、ある会社の前に3匹の子猫が捨てられているところを発見したそうなんです。キジトラ2匹に、黒1匹。この子たちを保護して、パーマン、パー子、ブービーと名付けました」
3兄妹のうち、一番早くに家族が見つかったのはパー子だった。
「実はパー子は脳に障害があったんです。うまくおしっこができなかったりと、たしかに手はかかるのですが、人にすぐに慣れて、人間を怖がることをしない。障害があっても、逆に管理はしやすかったようですね」
一方で、パーマンとブービーは、「とても警戒心が強かった」という。それでも、ブービーは、パー子に続いて新たな家族のもとへと卒業していった。なぜか残ったのは、パーマンだけ。それからどんどん月日は過ぎていき、パーマンはいつしか“古参”と言われるような猫になった。
1年前までは触ることもできず、そんなパーマンが見つけた“ずっとのお家”
「やっと、やっと家族が決まりました。シェルターでは楽しくやっていたとは思いますが、本当に良かったです。生まれて3〜4ヵ月のころに拾って、今はおそらく10歳くらい。でっかくて、かわいい猫なんですよ」
『ねこけん』のYouTubeには、卒業していくパーマンの動画が投稿されている。「古参メンバーがいなくなると寂しいけど…、でもやっぱり“ずっとのお家”が見つかると心の底から嬉しいです」と思いを明かすボランティアメンバー。コメント欄には、「幸せになるんだよ!」「卒業おめでとう」と多くの祝福が寄せられていた。
人間が大好きとまではいかないが、つかず離れず、いい距離を持ったパーマン。保護猫を迎えようとする場合、「せっかくなら小さいうちから」と子猫を選ぶ場合も多いだろう。だが、成猫は成猫なりの良さがある。でっかい「魅惑のボデー」に詰まった可愛らしさはもちろん、これまで生きてきた年月に思いを馳せれば、おのずと愛しさが湧いてくるのではないだろうか。
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