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ORICON NEWS
10歳で“母性”を表現、子役・毎田暖乃の「プロ意識」 『妻、小学生になる。』石田ゆり子の生まれ変わり役で絶賛
オーディションは2年間かけ難航… 300人もの中から満場一致で選ばれた決め手は?
「2019年冬頃からオーディションを始め、会ったのは300人くらい…書類審査も入れると分からないほどの子役を見てきました。ポイントは、妻の貴恵が太陽のような明るさの女性のイメージで、小学生の万理華という別人格ながら、それが感じられる子。そして、1クール、3ヵ月継続的に毎週楽しみに見てみたいと思えるかという引きの強さです。ですが、なかなかイメージに合う子役が見つからず、初回放送に向けて日に日に焦りは募り、かなり追い詰められていました」(『妻、小学生になる。』中井P/以下同)
遂には、中学生や20代後半の役者にまで選考基準を広げた。しかし、石田ゆり子演じる妻の生まれ変わりで、小学生としての顔も併せ持つという役柄にぴったりハマる子はやはり見つからなかった。頭を抱えていた中、当時大好評の中で放送終了した『おちょやん』の評判を受け、毎田が『しゃべくり007』(日本テレビ系)に出演することになった。
そもそも、本作制作陣もかねてから毎田には目をつけていた。だが大阪在住ということもあり、なかなかオーディションをする機会に恵まれず、学業もあることから諦めていた。しかし、バラエティ収録のタイミングで会う機会を経て、オーディションに参加してもらうことが出来た。
「毎田さんが芝居してすぐ、皆が息を呑みました。審査メンバー横並びで『やっとこのドラマがスタートできる…!』という直感で。一緒に受けていた子たちも『この子だね』という雰囲気を醸していました。つまり、本当の意味での満場一致だったのです」
本当に10歳…? “憑依力”の裏に石田ゆり子の支え「出番がない時でもいつも現場に…」
とは言え、やはり不安はあった。主人公は圭介と麻衣。残された家族2人がドラマの中心であり、そこに失われた妻こと小学生が訪ねてくると。突飛な設定ゆえ、その訪ねてくる小学生にリアルさがなければ成り立たない。だが、それは杞憂となる。毎田は、制作陣と視聴者の想定を遥かに上回る“母性”に溢れた芝居を見せた。
これまで、万理華ほど難しい小学生役はあっただろうか。貴恵と万理華は別人格であり、この2つの人格に加えて、周囲を混乱させないように“貴恵を演じている万理華”という顔もある。これらを演じ分けなければならない。
「演技が上手な子、子どもらしい子、大人っぽい子役はたくさんいますが、大人が中に入っている子どもを演じるのは相当に難しいはず。毎田さんは、その子がそこに“生きている”という演技ができたと思います。台本に書かれている以上のルーツやキャラクターの信条を考え、芝居に落とし込んでくる。天性だけではないでしょう。私たちには見せませんが、すごく時間をかけ、努力し、準備した結果だと思います。実際、毎田さんが現場で台本を持ってきているのを見たことがありません。すべて頭の中に入れてきているのです」
今後は“天才子役”現れにくい時代? 子どもたちの憧れだった芸能界は“1つの選択肢”に
ところで、子役と言えば杉田かおる、小林綾子、安達祐実、芦田愛菜など、多くの“天才子役”と呼ばれる役者がいた。昔と現在では、子役事情にも変化はあるのだろうか。
今の子役にとって、芸能活動は1つの選択肢でしかない。そのため、中井Pも「テレビを制作する側としては、YouTubeやTikTokなど他のメディアには負けていられない」と語気を強める。実際、毎田もYouTubeはよく見ているようだ。
そんな彼女の芝居が光る最終話。「新島家の残された2人が、妻とどのような最後を迎えるのか。貴恵として毎田さんが最後にどんな表情を見せるのか、楽しみにしていて下さい」
(文/衣輪晋一)
金曜ドラマ『妻、小学生になる。』(TBS系)
今夜22:00〜最終話放送!
今夜22:00〜最終話放送!