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(更新: ORICON NEWS

『恋つづ』好演が話題の吉川愛、“天才子役”が芸能界に復帰した理由

 王道ラブコメっぷりが話題になった『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)。キュンキュンのシーンが盛り上がる一方、主人公・佐倉の同期で、クールで優秀な結華を演じる吉川愛の芝居にも評価が集まっていた。彼女は3歳で芸能界入りし、『ホタルノヒカリ』『リーガル・ハイ』『あまちゃん』などに出演。かつては“天才子役”と呼ばれていたものの、16歳の時に一度芸能界を離れている。その後、持ち前の演技力で完全復活を遂げた吉川が語る“子役の難しさ”とは。

11年ぶり共演の佐藤健は「キュンキュンしすぎて心が追いつかない」 理想の彼氏は「ジェイソン」

――佐藤健さんとは『メイちゃんの執事』(フジテレビ系)以来の久しぶりの共演ですね。

吉川愛もう11年前なので覚えてくれてるのかドキドキだったのですが、「全然変わってないね」と言われました(笑)。私自身から見た佐藤さんもあまりにも変わってなくて驚きました。佐藤さんは撮影中はすごく真剣で、クールでいらっしゃることの方が多いんですが、共演者の方々と談笑するときはとてもニコニコ。ミキ・昴生さんにちょっかいを出されたりしていました(笑)。

――普段から“ギャップ萌え”のある方なのですね。

吉川愛劇中でもキュンキュンポイントが多くて心が追いつかないですよね。「これは治療だ」もそうですし、9話でも実家に帰った七瀬を追いかけてきて「なんでいるの?」「なんで七瀬がいる場所分かっちゃうの!?」って。
──そんな吉川さんの理想の彼氏像は?

吉川愛常識のある方が好きですね。例えば、しっかりと時間が守れる人。小さい頃からアクション映画が好きで、ジェイソン・ステイサムさんが理想です!(笑)。

――『初めて恋をした日に読む話』でのエトミカ役も話題になりました。『恋つづ』『はじこい』ともにヒロインのライバル役でしたが、どんな意識で演じられましたか?

吉川愛まず嫌な子と思われたくなかったんです。例えば結華は七瀬に思ったことをハッキリ言ってしまう性格でしたから、ともすれば嫌われてしまう。でも、結華の真面目なところは分かってほしかった。だから、彼女の過去や普段の生活を考えて役作りをしました。エトミカも単にブリっ子じゃなくて、好きな人に振り向いてもらいたいがための彼女なりの努力。それを表現できるよう、ドラマで描かれていない背景まで考えて演じました。
――幼い頃からあらゆる名作に出演し、錚々たる俳優陣と共演されてきましたが、心に残っている役者さんは?

吉川愛深田恭子さんは、本当にテレビのままで、ふんわりと可愛いらしい方でした。あと、綾瀬はるかさん。綾瀬さんが現場に入るだけで現場が明るくなって、癒やしパワー満載で。そういうことができる人になりたいと思いましたし、憧れですね。クランクインの日が私の誕生日だったのですが、まだお会いしたことがなかったのに「誕生日でしょ?」とプレゼントをくださったんです。寒い現場だったのでブランケットを頂いて、すごく嬉しかったです。

女優よりパン屋さんの方が大変だった?一度は離れた芸能界に芽生えた覚悟

――一度は芸能界を離れて、学校生活に戻られました。その1年、どう過ごしていましたか?

吉川愛まず、パン屋さんのバイトを始めてみました。やってみて、こんなに大変なんだなって驚きました。当たり前なんですけど、ずっと立ちっぱなしですし、レジ打ち間違えたら大変だし、人見知りだけどお客さん一人ひとりとお話しなければいけない。そういう大変さを通して、改めて、私は子役時代にたくさんの方に支えられていたんだと気づけて良かったです。

――そして1年後に復帰。子役から大人へ、役に対する向き合い方に変化はありましたか。

吉川愛復帰したときに、あまりに自分の演技が下手に思えて。1年しか経っていないのに、「なんだろう、この違和感は」と悩んだ時期があったんです。そして、泣き方・笑い方1つとっても、「子役の演技と大人の演技って違うんだ」と気づきました。役の背景をもっとしっかり考えるようになったのは、そこからですね。

――今も活躍されている子役の方はたくさんいますが、大人になるまで続けている役者はごくわずか。子役が乗り越えなければいけない壁の1つに、その違いに気づくことがあるのかもしれないですね。

吉川愛地続きだとその違いに気づくのはすごく難しいことなんだろうなと思います。いつ変えるかっていうタイミングの難しさもありますし。私の場合は離れた時期があり、切り替えるタイミングがあった。そんな意味でも、あの1年間は私にとって大きな意味があったと思います。

――その1年を経験したからこそ、同世代の中でも抜きん出た演技の幅に繋がっているのかもしれませんね。

吉川愛そうだといいのですが…。1回離れて気づいたものがあったので、今はもっとやりたい、頑張っていきたいと思う気持ちでいっぱいです。やったことがない役にどんどん挑戦して、一生女優をやっていきたいと思っています。
 子役時代は純粋無垢か生意気な“子どもらしい”役が多かったように感じるが、復帰後は『愛してたって、秘密はある。』『シャーロック』『緊急取調室』などでミステリアスな役柄や怪演も見せ、『初めて恋をした日に読む話』では肉食系女子高生、『恋はつづくよどこまでも』ではクールで優等生ながらも嫌味のない看護師。目指すは、“カメレオン女優”と語る吉川だが、20歳にしてその片鱗を見せている。
 一度は女優業を離れ、自分が置かれていた環境や“芸能界”を客観的に見つめ直した吉川愛。「女優を一生やっていきたい」。最後に、まっすぐな表情でそう語った。まだハタチでありながら、その人一倍強い覚悟を持った彼女のさらなる成長と活躍に期待したい。


(取材・文/衣輪晋一)

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