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ORICON NEWS
安斉かれん、シングル7作連続リリースで全曲作詞 「現実カメラ」でSNSに“病む”女の子に届けたい想い
“加工”なしでは生きられないインスタ世代の葛藤「毎日キラキラした生活を送ってる人なんていない」
安斉かれん 自分がやってみたいと思ったことをスタッフさんに伝えて、それを形にしながらやっているのですごく楽しいです。7作全部違ったテイストの曲とビジュアルで展開していく予定なので、今後も色んなカラーを出せたらいいなと思っています。
安斉かれん 最近は、スマホで撮った写真をアプリで加工してからSNSにアップするのが普通じゃないですか。だけど、加工された自分とリアルな自分のギャップに戸惑う女の子もいるんじゃないかなと思って、そんな気持ちを歌詞にしました。タイトルの「現実カメラ」は私が普段からよく使っている言葉で、アプリ加工なしのカメラのことなんです。歌詞の中の「“あなた”のシャッターだけ押しておいてよ」には、加工していないリアルな私をあなただけは知っててねという意味を込めています。
――ちなみに安斉さんはスマホで撮った写真を加工しない派ですか。
安斉かれん 加工しないと無理派です(笑)。だけど、撮影現場ではスタッフさんは「加工してない素のままのほうが可愛いよ」と言って現実カメラを向けてくるので、「え、現実カメラじゃん、やだ!」とかって言ってます(笑)。
安斉かれん 例えば、インスタにはキラキラした写真しかみんな載せないんですけど、実はそれはフェイクというか、作られた世界なんですよね。毎日キラキラした生活を送ってる人なんていないはずで。だけどインスタを見て“この人たちのように自分も毎日キラキラしていないとダメなのかな”と病んでしまう人も大勢いるので、そういった人にもこの曲が届いたらいいなと思っています。
――作詞やレコーディングする際に、こだわったポイントがあれば教えていただけますか。
安斉かれん 曲中にカメラのシャッター音が入っているのですが、これは自分のスマホのシャッター音を録ったものです。全体的に可愛らしい曲にしたかったので、歌詞はサビの“リアル”をひらがなの“りある”にしたりと、歌入れに関してもキュートさを意識しながらレコーディングしました。
「自分で書いた歌詞を歌いたい」デビュー当時は“やりたいこと”と“求められること”のギャップに戸惑いも…
安斉かれん この曲はカップルが初めての冬を過ごす風景を切り取った曲で、映画やドラマのワンシーンみたいに、2人で過ごすどの瞬間も愛おしく感じてもらえたらいいなと思いながら歌詞を書きました。この曲を聴いて優しい気持ちになってもらえたら嬉しいです。
――作詞はいつ頃からされているのでしょうか。
安斉かれん 16歳ぐらいから音楽を本格的に始めたのですが、その頃から“自分で書いた歌詞を歌いたい”と思っていたので、iPhoneのメモに日々感じたことを書きためていました。「現実カメラ」も何か強烈なメッセージを伝えたかったというよりは、誰しもが思っているようなことを日記みたいなイメージで書いていきました。
――SNSも、歌詞と同じようにご自身の思いや考えを発信する場という認識で活用してされているのでしょうか。
安斉かれん 自分の思いを歌詞に乗せて伝えるのは得意なんですけど、SNSとなるとどんな言葉を発信するべきなのか、何を投稿していいのかがわからなくなるんです。不特定多数の人が読める場所に投稿するよりも、インスタライブとかでファンのみんなとコミュニケーションを取ってる方が楽しいし。そこは「現実カメラ」の歌詞ともリンクするんですけど、“リアルな私を見て!”と常に思っています(笑)。
安斉かれん 最初に悪意のあるコメントを見たときは「お、遂に来たか! これが噂のアンチコメント!」みたいな感じで思ってたし、笑ってましたし、いまそういうコメントが目に入ったとしても“無”です。全く気にならない(笑)。全員に好かれるなんて無理なので、気にしても仕方ないと思っています。
――ご自身のやりたいことと求められることのギャップを感じたことは?
安斉かれん 私は洋楽やロックが好きで、デビューするまでは90年代の音楽をほとんど聴いたことがなかったんです。ところが、デビュー当時はリバイバルサウンドを取り入れたJ-POPを歌うアーティストとして活動していたので戸惑うことはありました。ただ、そういう楽曲を歌っているうちにどんどん楽しくなっていって、幅が広がっていくのを感じたんですよね。だから、プラスに考えながら色々やってみるのが大事なんだなと気づきました。
――達観されてますね。今後はどんなアーティストになっていきたいですか。
安斉かれん まずは7作でいろんな私を見て聴いてもらって、これからもっと“安斉かれんらしさ”を見つけていけたらと思っています。あと、まだ有観客でのライブをやっていないので、早くファンのみんな方々の前で歌いたいです。これからも等身大の歌詞を大事に、背伸びをせずに音楽をやり続けていけたらと思っています。