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急速に進む美容業界のジェンダーレス化、吉沢亮に横浜流星…コスメ広告に”男性”を起用することの有用性

  • 日本ビューティインダストリー協会の代表理事・瀬戸麻実氏

    日本ビューティインダストリー協会の代表理事・瀬戸麻実氏

 最近よく見かける、男性を広告キャラクターに起用した“コスメ広告”。吉沢亮、横浜流星といった人気俳優から、「AAA」のNissy(西島隆弘)、ジャニーズアイドルグループ「Snow Man(スノーマン)」のラウールまで、大手コスメブランド各社がこぞって“男性”を抜擢する流れができている。かつてはコスメ自体が“女性のもの”という認識のもと、憧れを抱くお手本のような女性タレントが起用されていたのに、なぜ男性を選ぶ機会が増えているのか。理由の一つには「広告タレントに自己投影する時代から、自分で選び取る時代に。消費者側の意識の変化」があげられるという。

「自分が選びたいものを選ぶ」「男性メイクの啓蒙」男性起用広告の効果

 「NARS」の日本限定「ZEN COLLECTION」に俳優の横浜流星が、「メイベリン」のジャパン・ブランド・サポーターに錦戸亮が起用。そのほかにもDiorとジャニーズアイドルグループ「Snow Man」のラウール、THREEと俳優の吉沢亮のコラボなど、美容業界で男性を起用してのプロモーションが盛んに行われる流れが顕在化してきている。

 かつては松嶋菜々子、松雪泰子、伊東美咲など、全女性が憧れるといっても過言ではない美しさ際立つ女性タレントが起用された広告が主流だったのにも関わらず…。男性と女性、両方を起用する会社も。この美容業界の“ジェンダーレス”が加速する背景について、日本ビューティインダストリー協会の代表理事・瀬戸麻実氏は2つのパターンが見られると話す。

「一つは、“女性を応援する”目線で男性がコスメに関わるパターン。対女性に向けてのコミュニケーションで『メイベリン』の錦戸亮さんのような立ち位置です。昔はコスメ広告に起用された女性を見て『きれいだな、私も商品を買って○○ちゃんみたいになりたい』と思わせるのが主流でした。それが最近では、いい意味で依存しなくなってきているんですよね。男性が広告キャラクターとして立つことで、“お手本の女性”に左右されずに、商品そのものに目を向ける。自分が選びたいものを自分で選び取れる時代になっているんです。

 もう一つは、対男性へのコミュニケーション。男性のメイクも、どんどん受け入れられる時代になっています。THEREEの吉沢亮さんやNARSの横浜流星さんのように『僕ら男性も、女性と一緒にメイクを楽しもうよ』と。日本ではなかなか男性向けコスメが売れず、苦境の時代が続きましたが、やっと時代が来たという印象。男性がメイクをする“啓蒙”の役割が大きいと言えるでしょう」

 大手コスメブランドの美容部員を多数育成し、美容専門学校の講師としても活躍する瀬戸氏は、“コスメ商品の見せ方”を語るうえでも男性を起用するメリットがあるという。

「男性は骨格・パーツがよりしっかりしている。BBクリームを顔にぬるだけで、自然な陰影ができて、シェーディングもきれいに入って顔も小顔に。実際私も男性にメイクするたびに、その変化は女性以上に大きく感じます。男性にメイクを施すことで、その商品の機能が伝わりやすいという側面も大いにあると思います」

現場美容部員の接客も“多様性”を意識したものに

 過去に男性を起用したコスメ広告として、強烈な印象を残した木村拓哉の「カネボウ化粧品」CM。当時男性アイドルがコスメCMに登場するのは異例中の異例で、キムタク効果により2ヵ月で300万本を売り上げた伝説も語り継がれている。

 タレント本来の魅力を際立たせ、ファンたちに訴求することで購買につなげていく手法は現在でも見られるが、最近は一般男性に近い目線で作られるCMも増えていると瀬戸氏。

「注目しているのは、資生堂『uno(ウーノ)』のCMです。男性用コスメのプロモーションで、俳優の窪田正孝さんが、顔にBBクリームを塗ったり、眉毛を描いたりしている。以前までは男性がコスメCMに登場しても、美を追求する“作品的な要素”が強く出ている印象でしたが、『uno』のCMはすごく親近感を感じて。男性にメイクを身近に感じてもらえる点で、上手に作り込まれていると思いました」

 実際に、メイクは女性のものだけではないという考え方が浸透してきている例もある。ツイッターでは、ある男性がコスメカウンターで受けた接客について綴った投稿が話題に。投稿主の男性がコスメカウンターで口紅を眺めていたところ、美容部員さんが「この色とっても素敵ですよね。試してみますか?」と声を掛けたのだという。ここで重要なのは「プレゼント用ですか?」ではなく「試してみますか?」と言葉を掛けたこと。男性がコスメカウンターにいるとつい偏見を持ってしまいがちだが、美容部員さんの一言を見ても“価値観の多様性”が広がっていることが分かる。

「数年前までは美容部員育成のための授業カリキュラムに『男性客イコール女性へのプレゼントを探している人』という項目があったのですが、廃止しました。実際受け持ちの学生に男子が何人もおり、メイク授業も受けています。学生たちの間ではすでにジェンダーレスの感覚はあり、男子がメイクをして通学したりメイクを学んでBAを目指していることに対して全く違和感を感じていません。

 とはいえ男性のメイクのハードルは未だ高く、私のSNSにもよく男性からの相談が寄せられます。自分がメイクをしたいという率直な気持ちを伝えてくれたり、私がやっているメイクセミナーも周りが女性だから受けにくさを感じるとか意見をくれたり…。

 こんな時代だからこそ、今後は男性向けのオンラインメイクセミナーを確立していきたい。美しくなるのに老若男女関係ないですからね。男性にも女性にも、気持ちを高めるためのメイクが広がっていくように、これからも活動を続けていきます」

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