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テレ東が“飯テロ”ジャンルを独占するワケ 『女子グルメバーガー部』で新たな層獲得へ
テレ東が “飯テロ”ジャンルを独り占めにした理由は“低予算”?
去年から今年にかけての年末年始は、『孤独のグルメ』、『きのう何食べた?』、『忘却のサチコ』を、「美食晩餐会」と題して三夜連続で放送。年末年始に特番を組むほどなのだから、“飯テロ”ドラマはテレ東に欠かせない存在と言っても過言ではないだろう。
「『孤独のグルメ』が“飯テロドラマ”と騒がれ始めたのは、実はSeason2から」と話すのは、メディア研究家の衣輪晋一氏。「元々が久住昌行さん(原作)、谷口ジローさん(作画)という、知る人ぞ知るクリエイターの漫画&隠れた名作だったので、サブカルチャー界隈では話題のドラマ化でした。それが、続編が作られたことにより一般層にも格段に認知が広まった。そして『孤独のグルメ』の成功が、数多くのグルメドラマがテレ東で作られ始めたきっかけであることは間違いない」(同氏)
もちろんグルメドラマ、もしくは食が重要なツールとなっている作品は各局でも度々放送されている。1995年の中居正広主演『味いちもんめ』(TBS系)もそうだし、『アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜』(フジテレビ系、2001年)、『ランチの女王』(同系、2002年)、『深夜食堂』(TBS系、2009年)、『信長のシェフ』(テレビ朝日系、2013年)、『ごちそうさん』(NHK総合、同年)、『ラーメン大好き小泉さん』(フジ系、2015年)、『天皇の料理番』(TBS系、同年)、『まんぷく』(NHK、2018年)、木村拓哉主演『グランメゾン東京』(TBS系、2019年)など多数。テレ東作品は他と何が違うのか?
「傾向として言えるのは、視聴者にとって身近なことです。そのお店に実際に行ける、すぐに真似して作れるなど、“グルメ情報番組”的な要素が強い。また低予算作品が多いせいか、料理のカットが長い、お芝居のセリフや間というより、モノローグが多用されている。その結果、主人公が“食べ物”であるかのように見えるものも多い。『孤独のグルメ』などは特にそうですね」(衣輪氏)。制作作品の多さ、また“グルメ情報番組的要素”などの特徴により、「“飯テロドラマ”と言えばテレ東」という認識につながっていると言うのだ。