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K-POPネイティブ世代の台頭で変革するアイドル市場 もはや日本デビューを望まない若者たち
日本デビューが目標ではないK-POPネイティブ世代 世界での活躍=韓国デビューが近道?
近年、韓国では参加者たちの生き残りをかけた真剣勝負に密着するサバイバルオーディション番組が人気を得るとともに乱立し、そこから多くのスターが誕生している。もちろん日本でも、参加者の“光と影”を描いた昭和を代表する『スター誕生!』(日本テレビ系)や、挫折と敗北から参加者が這い上がるストーリー性が人気を得た平成を代表する『ASAYAN』(テレビ東京系)といった名物番組の歴史がある。そして、それらの究極形として“負”の部分が凝縮したような『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の企画「MONSTER IDOL」も登場した。時代とともに遷り変わるエンタメ化されたオーディションコンテンツが生まれてきた。そうしたなか、『Nizi Project』は、令和ならではの新たなスタンダードとして若い世代に受け入れられた。
そこにあるのは、「根性・涙・挫折・裏切り」に焦点をあてたかつてとは真逆の「友情・努力・笑顔」といった“『週刊少年ジャンプ』(集英社)の精神=温かく感動を呼ぶもの”。プロジェクトを手がけるプロデューサー・J.Y.Parkが練習生と接するときに見せる笑顔や気配りをはじめ、厳しいだけではない“愛のある”言葉などは、参加者だけでなく視聴者をも勇気づけて感情移入させ、より「応援したくなる」心情を生むスタイルで現代の若者たちの心を掴んでいる。
そして、これまでと大きく異なるのは、そうしたオーディション番組のスタイルだけではなく、参加者の意識だ。彼女たちが目指しているのは、従来の日本スタイルのアイドルではなく、J.Y.Parkが手がけるK-POPスタイルのアイドルということ。K-POPネイティブ世代となる現代の若者たちにとって目指すべき場所は、日本の芸能界ではない。世界への近道となる韓国デビューであり、そうしたヒットを手がける、実績のあるK-POPプロデューサーらの手によって世に出ることだ。