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美文字『新“ほうれんそう”』に17万いいね、新米薬剤師が”書き散らし”に込めた想い「趣味は心の薬」

 薬剤師の3ヵ月の試用期間を終えた書きちらしさん。とんちのある言葉を日々探してノートに綴っている彼が、社会人が心得るべき「ほうれんそう」として「報酬・連休・早退」という自筆の文字をTwitterで投稿すると、その達筆さとユーモアあふれる言葉のチョイスに大きな反響があった。4月就職直後から新型コロナウイルスの対応に追われ、大変な日々を送っている彼が“書き散らし”に込めた思いとは。

やはり大事なのは「報告・連絡・相談」 新“ほう・れん・そう”に込めた思い

――「ほうれんそう」を投稿したツイートが17万いいねを超えましたが、「報酬・連休・早退」はどのような思いで書かれましたか。

職場に不満があり、その思いをペンにのせているわけではありません。むしろこの新「ほうれんそう」を美味しくいただける素敵な職場に入職できており、安心しております。一方でこのツイートが伸びた理由を考えてみると、なんとも言えない気持ちになりました。

――当初は「報告・連絡・相談」を先輩に教えてもらったとのツイートもありましたが、3ヵ月の試用期間を通して、働き方や仕事への考え方に変化がありましたか。

どの職業にも当てはまることだと思いますが、「報告・連絡・相談」もろくにできない限りは「報酬・連休・早退」を望んではいけないと思いました。お金やお休みなどの権利を堂々と主張するためには、相応の信頼を置いてもらう必要があり、信頼関係を築くためには、日ごろの密で丁寧なコミュニケーションが大切だと学びました。

――“書き散らし”を始めたきっかけを教えてください。

もともと小学生の頃から書道にふれており、字を書くことは当時から趣味のひとつでした。大学に進学したころに、筆ではなくボールペンで書くことに興味を持ち、SNSで活動されている方々の美文字を参考に、独学を始めました。同じくらいの時期にInstagram(@kakichirashi)で自分の字の投稿を始め、現在に至ります。

――書きちらしさんの投稿は、ユーモアに富んだ言葉が多い印象ですよね。

他の方の美文字の投稿には、偉人の名言や詩の一節を題材にしたものが多い印象があります。個人的にはそのような美しい言葉も好きなのですが、一方で、広告コピーやバズツイートによく見られる「ウィットに富んでいてキレのある短文」に、日本語の奥深さ・クールさを感じます。書く練習にするなら後者の方が楽しいと考え、そういう言葉を日々探しては、お手本にして綴っています。

「綺麗な字」に定義はない 独学で“書き散らし”を続けてきた流儀と奥義とは

――文字を書くときにどのようなことを意識されていますか。

「読みやすいが、クセがある」手書きを意識しています。基本は整然とした文字ですが、文字と文字のつながり(連綿)をところどころ作ったり、あえて崩した字を1文字入れたりするなど、テキストで打ち込んだ文章には出せない、手書きらしい変化や表情が出るように心がけています。

――字を綺麗に書くコツがあれば教えてください。

「綺麗な字」というものには定義がない、と考えています。読みやすい字をきれいとする方もいる一方で、多少崩れていても躍動感ある字を美文字と呼ぶ方もいます。結局は自分にハマった、自分の感性で好きだと感じた字が「綺麗な字」なんだなと思っています。ですので、コツがあるとするなら、「自分が好きな字っぽく書いてみる。」でしょうか。僕自身もはじめは、Instagramで出会った「綺麗な字」をひたすらマネていました。

――道具は専門の物を使われているのでしょうか。

高級なペンや紙は使っておらず、文具屋ならどこでも買えるようなものを使っております。ペンはこれまで色々試し、今はぺんてるさんの「エナージェル」に落ち着いております。滑らかにペン先が運べてオススメです。紙は、ルーズリーフに書いたりコピー用紙に書いたり、こだわりはありません。思いついた時に書き散らせることを大切にしています。
――これまで字が綺麗なことで、得したと思われることがあれば教えてください。

ボールペン字の練習を続け、SNSに投稿し、それをきっかけに多くの方と繋がり、交流が生まれたことです。続けていてよかったなと心から思います。

――1日の中でどのような時間に“書き散らし”をしていますか。

その日感じたことはその日の夜、寝る前に書きちらしています。日々探して集めたユーモアある言葉は、週末の朝などにゆっくり書いています。

――文字を綴ることはご自身にとってどんな時間になっていますか。

選んでいる言葉のおかげなのですが、日本語の面白さを楽しむ時間になっています。また、同じ字や文章を書くうちに、自分の中で新しい文字の崩し方や字の繋げ方に、ふと出会えることがあります。正しい書き方に則っているわけではないオリジナルの書き方なのですが、そこは「書き散らし」の意味に甘えて、とにかく自由に楽しく書く。そういう時間でもあります。

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