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(更新: ORICON NEWS

前田美波里、“自立した女性像”はイメージ先行「ギャップを埋めるのに何十年もかかった」

「年齢を気にしたことない」自然体で生きる前田美波里が考える“女性の自立”とは

――現在、“女性の自立”が社会的にも重要視されていますが、前田さんは時代に先立って体現された存在のように感じます。 “女性の自立”について、どういうお考えをお持ちですか?

前田美波里私自身も結婚当初は、仕事が増えても家に帰って毎日食事の支度をしていました。主婦もとても素晴らしい仕事なので、それを選んで他を削ぎ落として生きていくのは素晴らしいことだと思います。仕事と両立したい場合は、その倍大変な思いをしなくてはいけないですが、自分が選んだことであればどちらも疎かにせずにやったほうがいいと思います。どちらにしても、自分はこれだと思うことを30代、40代には決めておいた方がいいのではないでしょうか。
――前田さんは、昔から自分の足で立って生きていこうという気持ちが強かったのでしょうか?

前田美波里そんなことはないです。資生堂さんに自分の意思をきちんと持った女性像を描いていただいた割には、日本の古い感覚といいますか、やはり主人の後ろについていこうという考えでしたから。それも全く悪いことではないですけどね。自分が望み、目指す世界にもっと早く気づいていれば、もっともっと勉強出来たのではないかなと、今では感じています。

――今回、“年齢を超えた美しさを持つ存在”として「SHISEIDO」キャンペーンアンバサダーに就任。昨今、いつまでも若々しくいることが女性に強く求められているようにも感じますが、今まで“年齢という壁”を感じたことはありますか?

前田美波里全くないですね。年齢を気にしていたらこの歳まで仕事をしていないかもしれないですし、年齢を気にせず生きてきました。自然に生きているわけだから、意識し過ぎてもしょうがないですし、早く夢中になれることを見つけて、それに向かって生きていくことが大切だと思います。

生きる上で一番大切なことは「本当のことを言ってくれる人が周りに何人いるか」

――周囲から年齢に対するプレッシャーを感じたり、同世代の方が必要以上に年齢を気にしすぎたりしているように感じることはありますか?

前田美波里今や私が一番年齢がいっているなという現場ばかりなんです。監督のお母さまが私と同じ年齢ということもありました。その際には「皆さんと同じように注意してね」と伝えると、すごく良い笑顔で「分かりました!それでは好きなようにやらせてもらいます!」と言われて、とても良いお仕事をさせていただけたんです。年齢を重ねたからといって奉るのではなく、マネージャーや周りの皆さんに意見を聞いてみるのは大事なことですし、自身の成長につながります。本当のことを言ってくれる人が周りに何人いてくれるか。それが自分の生き方で一番大切なことであり、宝物だと思っています。
――年齢を重ねることや失敗することをマイナスに捉えている方は多いように感じますが、前田さんは逆なのですね。

前田美波里失敗すると、次にはそういうことにならないように努力しようという気持ちになりますし、大切なのは怖がらずに自分から外に出て行ってたくさん経験することですよね。もうこの年齢になると失敗したっていいじゃない。人生そんなに長くは生きられないんですから。

――前田さんの思う、“美”とは?


前田美波里やはり、外見の美しさよりも、内面から優しさとか相手に対する思いやりがにじみ出ている無理のない美しさの方が見ていて豊かな人に見えます。素敵な方に出会うと真似をしたいですし、目標にして生きていこうと思います。心の優しい人や、人を助ける為に細やかに軽く腰を動かせる人を見ているとすごく素敵だなと思いますし、私もそういう人でありたいなと思います。

 当時、自身の思い描いていた理想とは違う形で世の中から注目を浴びた前田美波里。改めてデビュー当時のポスターを見ると、とても10代とは思えない内から溢れ出る意思の強さを感じる。当時高校生だった前田は、「外見ばかり評価されてしまった」と感じたというが、人々は彼女の瞳に映る気概こそに魅了されていたのではないだろうか。
 その後、年齢を重ねても決して奢ることなく、周囲の意見を何よりも大切にしながら研鑽し続ける謙虚な姿勢に、本物の美しさを感じた。


(取材・文=鈴木ゆかり 撮影=逢坂聡)

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