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創刊50周年迎えた『anan』編集長語る“ブームの可視化” 田中みな実、高橋一生ら表紙モデルが続々ブレイクする理由
女性たちのざわめきを“見える化”した企画でブームを発信
北脇編集長編集部全体が、時代のトレンドを追求し全力で走っていることによって、旬のトレンドとピタッとハマる瞬間がある。その時にムーブメントの先駆けとしての凄いスパイラルが起こったりします。『anan』というのは、その時代の女性たちのマインドの中でふつふつと"潜在化"しているざわめきを、絶妙なタイミングで特集という形で"顕在化"させ、それに沿ったビジュアルとテキストで"見える化"している雑誌。何かスパイラルが起こっている時は、実際の編集部では、何が起こっているかわからずびっくりすることも多いですし、客観的にみて、その唯一無二なメディアとしての存在感、もの凄いモンスター感を感じます。編集長としては、振り回されないように必死です。
──1972年の個人旅行がまだ一般的ではなかった当時、『anan』では初めて旅を特集し、その後「アンノン族」という言葉もブレイクしました。女性たちにとって旅とは「小さな冒険」「自己解放」だった時代だそうです。
北脇編集長創刊当時はまさに、女性たちが旧来のさまざまな縛りや囚われから解放されていった時代だったのだと思います。ロングヘアが主流だった当時に、ショートカットを特集(74年3月5日号)しているのも象徴的ですよね。ただ、そうした実体のない"気"のようなものをどうやったら具現化できるのかは、創刊当時からの『anan』という屋号へのクリエイションの信頼感なのだと感じます。「ananだったら」「ananだからこそ」の絶妙なチャレンジと品性とビジュアルへの信頼感が、クリエイターやスターの方々も斬新な、ときにはセンセーショナルなトライをしてくださるわけで、それがひいては世間に大きなムーブメントを起こすことになる。その様々なクリエイションの奇跡を、歴代の編集者や編集長が、ずっと取り組んだきたからこそ50年続いてきているのだと思います。
現在の編集部も、その編集としてのマインドを変えずにいようと思っています。何かを成し得ようとするのではなく、編集者はひたすら黒子に徹して、カメラマンをはじめとしたクリエイターの方々と「特集」と「登場してくださるスター」を最高の形で輝かせる編集を追求していくこと。それこそが『anan』のDNAであり、50年続く歴史を守ることなんだと思います。