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LDHきっての演技派、鈴木伸之と町田啓太 これまでの“EXILE感”を払拭し立ち位置を確立
オラオラ系の見た目に反する“おもしろさ”“優しさ”を武器に
しかし、そんな「カッコいいけど、近寄りがたい」という雰囲気も、2007年の『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)におけるナインティナイン・岡村隆史との「オカザイル」コラボによって、EXILE感に逆行する“面白さ&“優しさ”が垣間見られるように。それまでとのギャップもあってか一気に“お茶の間的”な人気を獲得したのである。
実際、同2007年にはEXILEのパフォーマーだったMAKIDAI、MATSU、USA、AKIRAの4名による「劇団EXILES」(初回公演のみ)も始動しており、以後、オーディションを繰り返しながら現在の形となった。NHKの朝ドラに出演したMAKIDAIを皮切りに、EXILE TAKAHIRO、岩田剛典など役者を兼業するアーティストも多いLDHだが、中でも“俳優専業”を謳う「劇団EXILE」(Sはない)の存在は、別の形でグループを支えているようである。先の鈴木と町田が加入したのは2011年、2010年に行なわれた第3回劇団EXILEオーディションの合格者だ。
悪役演技で知名度を上げた鈴木、EXILE系のイメージを上手く演技に昇華
2017年にもドラマ『あなたのことはそれほど』(TBS系)で、妻子を持ちながら不倫をするという男を演じたが、「カッコいい」、「クズ役なのに好きになっちゃいそう…」とSNSで話題になるほど、どこか憎めない人柄で視聴者を惹きつけた。そして、今クール話題のドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)では、主人公の高校と決闘する最凶最悪高校の番長となり、視聴率12.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した最終話でもクライマックスの一番良いところをすべてかっさらっていく熱演を見せた。
こうして鈴木は、EXILE系のヤンチャさ、モテっぷり、仲間思いの熱さなどのイメージを背景に、自身のいかついルックスも活かしながら、悪役演技を上手くこなし、EXILE系としての魅力をうまく昇華させたのである。
EXILE感あえて封じた町田、正統派イケメンキャラへの戦略的プロデュース
町田はなぜ、EXILE系でありながら爽やかな役柄を演じ切れるのか? 本人は『月刊EXILE』 のインタビューで、「町田啓太がクリーンに見られることはすごくうれしいんです。ただ僕、ここ(胸を指して)をパカっと開けると黒い渦巻いていますから(笑)。普段は絶対閉じているんです」と明かし、絶妙なクールさを覗かせている。実際、町田も映画『HiGH&LOW』では、温厚な性格だけどキレると誰もが凍りつく迫力を見せるという物語のキーマンを演じており、やはりある意味、優男的なルックスとEXILE系とのギャップを活かすことで、現在の立ち位置を築いていると言ってもいいかもしれない。
いぞれにせよ、鈴木と町田は、ヤンチャで悪そうというEXILE感をがっつりキープしつつ、「歌」「ダンス」に続いて「演技」というEXILEグループの新境地を切り拓きつつある、劇団EXILEのツートップと言えよう。
かつては社会学的にも、「マイルドヤンキー」なる層の憧れの象徴とされていたEXILEだが、ここにきて鈴木伸之と町田啓太がそうした“枠”を飛び越え、華麗なる演技力を携えて登場した。ふたりが新たなるLDHの“核”として活動する日も近いのかもしれない。