• ホーム
  • 芸能
  • 「アイドル」経由「局アナ」行きが急増 元アイドルとテレビ局、双方の思惑とは?

「アイドル」経由「局アナ」行きが急増 元アイドルとテレビ局、双方の思惑とは?

  • 日本テレビアナウンサーの内定を公表した元乃木坂46の市來玲奈 (C)ORICON NewS inc.

    日本テレビアナウンサーの内定を公表した元乃木坂46の市來玲奈 (C)ORICON NewS inc.

 ここ数年、元アイドルが“キー局”の女子アナとして採用されるケースが増えている。直近では、元乃木坂46の市來玲奈が2月17日、日本テレビアナウンサーの内定を公表している。他にも、元アイドルの局アナ内定の報道もあったりと、こうした動きは活発となっている。TV局が“元アイドル”を局アナとして採用する背景、そして元アイドルたちが見据える“女子アナ後”の展望とは?

元おはガールの平井理央、元モー娘。の紺野あさ美らの活躍で女子アナの間口広がる

 1980年代後半、フジテレビ系女子アナによる“アイドルアナブーム“が話題になった。故・有賀さつきさん、河野景子、そして八木亜希子の3人は88年に同期入社し“花の三人娘”と呼ばれ活躍。日本テレビでは93年に永井美奈子、薮本雅子、故・米森麻美さんがアイドルグループ・DORAを結成してCDデビューも。TBSでは、進藤晶子が『ランク王国』の初代司会を務め、『美少女戦士セーラームーン』のコスプレをした番組特製テレホンカードを抽選でプレゼントし応募が殺到したことも。このように、各局がそれぞれのコンセプトで“アイドルアナ”を生み出していった。

 2000年代になると、フジテレビでは深夜番組『チノパン』に端を発する千野志麻、“アヤパン”こと高島彩、“カトパン”こと加藤綾子など女子アナが冠番組を持つなどしてタレント化はさらに進み、女子アナは視聴者にとって“才色兼備”で“優等生”な憧れの存在となった。

 さらに、女子アナのタレント化が進む中、次はアイドルやタレントたちがアナウンサー起用される例が増えていく。2005年には、元おはガールだった平井理央がフジテレビに入社。そして2011年には元モーニング娘。の紺野あさ美がテレビ東京に。また、雑誌『non-no』のモデルから日テレに入社した岩本乃蒼、フジテレビに入社した久慈暁子などの転身組も多い。ほかにも、フリーアナではSKE48を卒業した柴田阿弥がアイドルから転身。元NMB48の村上文香がNHK大津放送局のキャスターになったりと、この流れは、近年より顕著になっている。

局アナによる“アイドルアナ”ではなく、“アイドルそのもの”を求めるTV局の思惑

 一方で、このような一連の傾向は“アイドルアナ”ブームの終焉と符合している側面もある。実際、アイドル女子アナブームを牽引したフジテレビにかつての勢いはなく、名門大学のミスコン出身者たちがこぞって女子アナを目指したような華やかな女性アナ像も失われつつある。そうした背景の元、TV局側が元アイドルを女子アナ起用する思惑とはなんだろうか?

 まず、アイドル出身者にはすでに一定のファンがついていること。そして、ルックスもよく芸能界慣れしているため、バラエティ番組などでは即戦力として起用できるというメリットがある。テレビ東京時代の紺野は『紺野、今から踊るってよ』(テレビ東京系)に出演すると、ハジけた番組内容にも対応し、元アイドルらしいポテンシャルを披露した。

 また、昨今はTV局側の番組制作費も窮迫しており、アイドルを番組に起用するよりも、“社員”となった元アイドルを女子アナ起用したほうがギャラを抑えられるという懐事情もあるだろう。さらに、カレンダーをはじめとして女子アナグッズの売上も見込めるなど、複合的に見てもアイドルを局側の人間として活用できる利点は大きい。つまり、局アナに“アイドル的活躍”を見込む段階から、局側が“アイドルそのもの”を求めていることが見てとれる。

 ただし、アイドルであれば誰でもよいということでは決してない。元アイドルがアナウンサーをやることに対しては、「ニュースを読めない」「顔だけ」などといった批判も当然ある。しかし、近年はアイドルたちも高学歴化しており、慶應義塾大学出身の紺野、早稲田大学文学部出身の市來など、アナウンサー足りうる知識と教養を備えたアイドルが増えた結果、入社への大義名分をクリアし、局側から見て“入れやすくなった”という面もあるだろう。

「国民的アイドル」も“人生の通過点” 変わりゆくアイドルの在り方

 一方、アイドル達がアナウンサーを目指す思惑とは? いま、地下アイドルも含めると4000組以上とも言われる“アイドル戦国時代”にあって、アイドルとしての成功はもちろん、卒業後の進路も深刻な問題だ。現在、卒業後の進路としては女優やタレント、歌手、舞台などがあるものの、セカンドキャリアで確かな実績を残している人は多くはない。そんな中、先達の成功を背景に、新たな活躍の場として“アナウンサー”に脚光が集まるのは自然な流れともいえる。

 かつて“選ばれし者”だけがアイドルになれた1970〜80年代とは違い、いまは誰でもアイドルを目指せる時代。母数が増えた分、多彩な才能を持った人材がひしめき合い、前述したように高学歴なアイドルも増えた。仮面女子には東京学芸大学附属高等学校を経て東京大学文学部を卒業した桜雪が在籍しており、『地下アイドルが1年で東大生になれた!合格する技術』(辰巳出版)を出版。元℃-uteの鈴木愛理はアイドル活動をしながら慶應義塾大学環境情報学部を卒業した。このように、多くのアイドルの中から抜きん出たタレント性を発揮するためには、学歴も大きな要素となっている面も。

 ただ、高学歴をアイドル活動に生かすという選択肢もありながら、人気アイドルグループのメンバーが、進学のためにアイドルを卒業するケースも目立つ。これまでもAKB48では森脇由衣や相笠萌。HKT48では若田部遥やキャプテンだった穴井千尋も学業優先のために卒業するなど枚挙にいとまがない。

 もはや、競争の激しいアイドル界では、選抜メンバー常連となりながらも、「将来の夢」や「学業優先」のために別の進路を選択するアイドルも多く、あくまでアイドルは“人生の通過点”という思惑も透けて見える。そうした時、アイドルをステップに、“セカンドキャリア”として局アナになることは、進路に悩む元アイドルたちにとって魅力的な選択肢のはずだ。

「元アイドル」&「元アナウンサー」の経歴は強力な武器に

 近年、視聴率低迷で喘ぐTV業界では挑戦的な若手起用もなかなか難しい。実際、『好きな女子アナランキング』も上位は安定感のあるベテラン勢で締められており、人材確保に悩む各局の懐事情が、元アイドルの“局アナ”採用に繋がっている面も否定できない。

 さらに、アナウンサーを目指すアイドルたちが見据えているのは“サードキャリア”とも言うべき、アナウンサー退職後の“その先”なのではないだろうか。なぜなら、ライバルひしめくTV業界にあって、「元アイドル」と「元アナウンサー」という両方の肩書を持っていれば強力な武器となる。例えば、アイドル要素を生かしてのバラエティ番組、またアナウンサー経験を生かした硬派な番組といった風に、硬軟織り交ぜた芸能活動が可能となる。まさに、その汎用性の高さはTV業界でも屈指の存在と言えるだろう。

 元アイドル&元アナウンサーという経歴はイメージもよく、その後のCM起用も多くなれば、芸能界において屈指の“箔漬け”となる。「アイドル」&「局アナ」をステップにし、芸能界における将来の飛躍を見据える元アイドル達。彼女たちが今後どんな人生の選択肢を選ぶのか目が離せない。

オリコンニュース公式SNS

Facebook、Twitterからもオリコンニュースの最新情報を受け取ることができます!