日向坂46、THE RAMPAGEら手がける作曲家・7th Avenue「バンドサウンドをルーツに、ライブ映えを意識」
取り掛かったアイデアは必ず1曲に完成させる
Akiyamaそれはあくまで結果の話であって、僕らとしてはアイドルを狙って作っていたわけではなかったんです。だから当初は、逆に採用されていることが驚きで。
Nakagawaいや、でも職業作家になりたての頃はけっこう狙っていたよね(笑)。どうやらアイドル業界は潤っているみたいだぞと、自分たちなりにアイドルソングを研究して。でも1曲も採用されませんでした(苦笑)。かすりもしなかった。今でこそ、真剣に曲選びをしているアイドル制作サイドが、そんなフェイクなものを選ぶはずないということはわかるんですけど。
Akiyamaそんなふうにプロの世界の厳しさに打ちのめされまして、原点に戻ったんです。自分たちがかっこいいと納得できるものを妥協せず作ろうと。そうしたら、とたんにコンペが通るようになったんです。
Nakagawa僕らとしても「この曲をアイドルが?」と思うような楽曲だったのですが、近年はアイドルの制作サイドもいわゆる王道ソングだけでなく、斬新なサウンドを積極的に取り入れている。また完成作を聴いてみるとめちゃくちゃかっこよくて、アイドルの表現力の豊かさを再認識しましたね。
Nakagawa新しいサウンドを掘り下げるのはすごく好きで、海外のメジャーからインディーまでアンテナは広げているつもりですが、SoundCloudなどでも斬新なアイデアを発見することがよくあります。
Akiyama前に作った曲の制作中にも、SoundCloudに上がっていたトラックをヒントにして聴かせてくれたよね。
Akiyamaそこからコンペなどに提出するかどうかは別として、とにかく曲作りに取り掛かってみようと。結果、完成までに2年くらいかかってしまったんですけどね。
Nakagawa僕らのポリシーとして、取り掛かったアイデアは必ず1曲まで完成させるようにしているんです。ただ、それが目指しているものをちゃんと表現しきれているかどうかは別の話で、納得がいかなかったら何度でも作り直す。コンペにあげるかどうかはその先に考えようと。そんなことをずっと繰り返しています。
Akiyama今でこそ同じ場所で作業することは減りましたが、一緒にバンドを始めたばかりの20歳くらいの頃はめちゃくちゃ狭いワンルームマンションで、「今のフレーズ、いいんじゃない?」とか言いながら延々と曲作りをしていたんですよ。あの頃に近いことを今でも続けているような気がします。