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Zilqy、重厚メタル×ポップな旋律で届ける“感情の解放” 「新しい自分を発見してほしい」【インタビュー】
世界進出の夢から始まったZilqy Annaが9ヶ月悩んだ加入決断
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Zilqy(左から)Toki(元Aldious/Gt.)、Miho(元LOVEBITES/Ba.)、Kano(Dr.)、Anna(Vo.)
Tokiギターを弾き始めたときから海外にも進出してギターを弾きたい夢がありました。新しいガールズバンドを組むにあたり、「海外を意識したバンドを死ぬまでにやりたい」という思いが強まっていくなか、メンバー集めで頭に浮かんだのが、以前からのバンド仲間だったベーシストのMihoちゃんでした。
――その理由は?
TokiもともとMihoちゃんのパフォーマンスやベースプレイ、キャラクターの大ファンで、「自分がカッコいいと思えるベーシストと一緒にやりたい」と思い、Mihoちゃんに打診したんです。Mihoちゃんも私のパフォーマンスや人柄を好きでいてくれてOKしてくれました。そこから「英語の歌を歌えるボーカルを探そう」と2人でSNSなども使って探し始めました。
――そこでボーカルのAnnaさんを発見されたわけですね。
Toki運命としか思えないのですけど、MihoちゃんがInstagramでAnnaちゃんの歌を見つけてきてくれて。たまたま共通の知人がいたので紹介してもらいました。会ってみたら歌声はもちろん、キラキラした人柄や考え方に一瞬で引き込まれ「絶対に加入してほしい!」と。ただAnnaちゃんは音楽の道ではなく違う人生を歩んでいたので、いろいろ考える時間もあったなか、最終的に私たちに人生をかけてくれました。
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Zilqy/Toki(Gt.)
Anna私からしたらシンデレラストーリーのような感じでした(笑)。当時はOLをやっていて、ちょうどキャリアがテイクオフしようとするタイミングでもあり迷いました。結局、お返事するまで9ヶ月も待たせてしまいました。
――かなりの葛藤があったことは想像に難くないですが、悩まれた一番の理由は?
Anna自分に自信がなかったことです。それにメタルには精通しておらず、カッコいいとは思いつつも率先して聴くタイプでもありませんでした。よく聴くジャンルもオルタナティヴ・ロックやハード・ロックが中心だったので、ヘヴィなサウンドのボーカルが自分に務まるのかわからず、最初はかなり躊躇しました。
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Zilqy/Anna(Vo.)
Annaメンバーとスタッフとの仲の良さですね。いい意味でのライバル心の高め合いはありますが、メンバーと顔を合わせると家族や姉妹のように安堵します。それはスタッフも一緒。家族のように思える仲の良いチームスタッフに惹かれ、「断ったら将来きっと後悔する」と思えたことが加入の決め手でした。
――Tokiさんは待ち時間をどう受け止めていたのですか?
Toki人生を後悔してほしくなかったので、思う存分悩んでという気持ちでした。AnnaちゃんもドラムのKanoちゃんも初めて会ったとき、「結婚する相手にはファーストインプレッションでビビッとくる」みたいな衝撃がありました。「この子しかいない!」と思いつつも迷いながら入ってほしくなかったし、やるなら全力でやってほしかった、だから大人の決断として真剣に向き合って悩んでくれたのは逆にうれしかったです。
Anna今のような話を、初めてトッキー(Toki)と会った焼肉屋さんでもしてくれて、そのときのことは今でも忘れられません。トッキーの真っ直ぐな瞳に心をつかまれて、「迷う気持ちも分かる。でも全力でやりたいし、もし入ってくれるなら不安もサポートも全部受け止めるから」って言ってくれて。その心の器の深さに初対面でノックアウトされました。
Tokiそんな話したっけ(照れ笑い)。最後に決まったのがKanoちゃんで、メタルにとってドラムは心臓のようなもの。私たちは音だけでも相手を威圧できるバンドを目指してSNSなどで探しつつ、最終的にMihoちゃんの知人から「いいドラムがいる」と紹介してもらったのがKanoちゃんでした。みんなのおかげで最高最強のメンバーがそろいました!
不安や怒りを解放する“処方箋” Zilqyが鳴らすヘヴィ×ポップ
Anna歌詞のコンセプトから言うと、恐怖や不安、葛藤に対して立ち向かっていきたい、越境していきたいという思いがあり、そのための「処方箋」のようなものを作っています。サウンド面ではヘヴィなサウンドにポップでキャッチーなメロディーを重ねることを意識しています。メタルはニッチなものと思われがちですけど、実は間口が広い。初めてメタルを聴く方にも面白みを感じてもらえそうなサウンドを心がけています。
Tokiギターを弾く前の学生時代はクラスでも地味な女子で、「何のために生きているのだろう」と夢もやりたいこともない冷めた日々を送っていました。そんなときにラウドロックやヴィジュアル系、メタルにハマって。初めてライブに行ったときヘドバンや拳を上げたら、魂が浄化されたような感覚になりました。そこで「私もバンドをやりたい!」「夢を与えられる存在になりたい!」って思いました。
──激しい音楽に魂を救われた原体験があったのですね。
Tokiしんどいこと、嫌なこと、つらいことは皆さんもきっと持っていると思うので、そういう気持ちを吸収してあげられる存在でありたい。私はずっとそう考えながら音楽をやっています。日常では大声を出したり感情を爆発させたりするのは難しいけど、ライブハウスならそれが肯定される。メタルを敬遠している人にこそ、とにかく感情のままに叫んで盛り上がってほしいですね。
──メタルと聞くと「少しハードルが高い」と感じる人もいるかもしれません。お二人は、メタルならではの魅力をどこに感じていますか?
Tokiライブでしか感じられない快感だと思っています。私自身、メタルのライブに救われました。それがあったから私は今ギター弾いています。
Anna私もここ数年でメタルの魅力にのめり込んでいったのですけど、メタルって喜怒哀楽の感情の中で「怒」を最も表現しやすいジャンルだなと感じました。一般的にポップスだと怒りを描くとしても、それを乗り越えた先のポジティブさや華やかさを表現することが多いイメージがあります。でもリスナー自身が怒りの渦中にいる状態なら、ポップスのハッピーさだけでは救われない瞬間もあると思っていて。
メタルには手の届かなかったかゆいところに手が届く感覚があって。そういう意味でZilqyとしては、怒りという見たくない感情に対して目をそらさず、正面からぶつかって乗り越えていく勇気を与えられるような音楽を作りたいと思っています。そここそがメタルの本質。不快な感情と向き合い、それを解放するための場所が私たちの音楽です。
重低音×キャッチーなメロディー 初心者にも開かれた『Birth of Riot』
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『SUMMER SONIC 2026』より Photo by Victor Nomoto(METACRAFT)
Anna暴動といっても他者に対して乱暴になれという意味では決してありません(笑)。人間って年齢を重ねるほど「大人だから」という理由で、自分の本音や不満に蓋をして、我慢してしまいがち。特に日本人には奥ゆかしさがあり、社会には同調圧力が強かったりする面もあります。そうやって自分の中に閉じ込めてしまった感情や不満、怒りを、このアルバムを通して大爆発させ、解き放ってほしい。そんな思いからこのタイトルを付けました。
──アルバム制作において大切にされた「Zilqyらしさ」とはどのような部分ですか?
Toki音源を爆音で聴いてくれるのもうれしいですけど、Zilqyとしてはライブに来てほしい。とにかく「ライブでぶちかませる曲」を詰め込むことを意識しました。ジェットコースターみたいに高速でリフを刻む疾走曲から、圧倒的な音圧で魅せる曲、そしてZilqyらしいバラードまで、今後のライブでフックになるような楽曲をそろえました。
――Annaさんは作詞も手がけていますが、らしさを出すためにこだわったことは?
Anna作詞を手がける中で心がけたのは、「不完全で弱い素の自分を包み隠さず見せる」ということ。たとえば「RUN」という曲では、私がZilqyへの加入を躊躇して、自分の殻に閉じこもっていた時期の葛藤と、そこから抜け出して加入を決意するまでの心境の変化をありのままに表現しています。
──歌詞の中には、より広い世界に向けた不安や恐怖も描かれているそうですね。
Annaそうですね。歌詞におけるメインの感情は不安と恐怖。世界情勢が悪化するなど、日本に住んでいても平和の揺らぎを感じる恐ろしいニュースがたくさんあり、社会に対するリアルな不安や恐怖の感情も歌詞に盛り込んでいます。上辺だけのハッピーエンドにするのではなく、人生の良いことも悪いこともありのままに捉え、10年後に聴き返しても恥ずかしくない、リアルで深みのある言葉を紡ぐことを意識しました。
──制作面では、楽器陣が持ち寄ったモチーフをもとにAnnaさんが歌詞とメロディーを構築し、クリエイター陣と共創体制で制作が進められたとうかがいました。チームでの楽曲制作はどのように展開されたのでしょうか。
Tokiコンポーザー陣との共創も含めて、メンバー個々の特色がすごく際立っています。私が書いた曲では、Annaちゃんが私のイメージをヒアリングした上で、その思いを歌詞にしてくれたのがうれしかったですね。たとえば「Crimson」も相談しながら作り上げていきました。まだ結成1年目だけど、前回のEPを作ったときよりもメンバーの結束力が高まったと感じています。
【Anna】「Crimson」には日本人の大好きな出汁の旨味のような成分がありますよね(笑)。日本人として本当に染みます。
――サビはもちろん、とにかく口ずさみたくなる曲ですね。
【Toki】サビの盛り上がるところとか、みんなで歌ってほしい。「Crimson」はライブで赤いライトに照らされながら、みんなで一体となって大合唱する光景をイメージして仕上げた曲です。
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『SUMMER SONIC 2026』より Photo by Victor Nomoto(METACRAFT)
Toki私は「RUN」がおすすめです。この曲を私は「Drop F#(ドロップ・エフシャープ)」という、超ヘヴィな重低音チューニングでギターを弾いていますが、サビになると世界がパーッと広がるくらいキャッチーなんです! 重厚感と跳ねるようなキャッチーさが融合しているので聴いてハマってほしいです。
Anna私も「RUN」にしようかと思ったけど、違う曲を選ぶなら「Other Side of the Moon」。情感豊かなバラード調の曲で、歌詞は「お別れ」をテーマにしています。大切な人が遠いところに行ってしまってもう会えなくなってしまう切なさを描いていて、メタルになじみがない方でも素直に感情を揺さぶられて浸れる楽曲なのではと思います。
──では、Zilqyならではの激しさを味わいたい人におすすめするなら、どの曲でしょうか?
Tokiそれならもう「CAVEAT」です。アルバム最速でインパクトのある暴れソング。Kanoちゃんがデモを持ってきてくれた曲で、聴いたときに圧倒的な疾走感とサビでの解放感がすごかった。Zilqyを聴いたことがある人でも「最高!」と感じてもらえるはず。聴けば感情を爆発させられると思います。
Anna私は「Psycho」かな。静と動のコントラストが極限まで際立っているダークな楽曲で、サビでガツンと重圧が押し寄せてきます。メタルファンの方にはおいしく感じてもらえるのでは(笑)。歌詞もサイコパシックというか、現代社会の歪みを描いていて。この社会を生きていると、そうなってもおかしくないよねという内容で、割と類を見ない曲になったと思っています。
ライブで完成するZilqyの音楽 世界へ見据える大きな夢
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『SUMMER SONIC 2026』より Photo by Victor Nomoto(METACRAFT)
Annaレコーディングは何度も同じパートを歌ったり弾いたりして、その時のベストを選び抜き、120%まで整えた音源をパッケージ化していきます。それも完成形ですけど、ライブはその天井を感情の爆発でぶち破る場所だと思っています。演者と観客の相乗効果でエネルギーが膨大化していく感覚はライブでしか味わえません。アルバムの楽曲は皆さんからの歓声を浴びることで改めて完成していくので、とても楽しみです。
Tokiアルバムの曲をライブで成長させていくというのは、私も同じ気持ちです。ライブを重ねるごとにメンバーの絆やグループ感がレベルアップしていて、全く同じステージなんて一つもないので、たくさんの方に来てほしい。そしてZepp Shinjukuでのツアーファイナルでは、間違いなく過去最高に成長した集大成をお見せすることをお約束します!
──「メタルライブは激しそうで怖そう」と感じている初心者に、Zilqyのライブの楽しみ方を教えてください。
Anna楽曲を作る上で体が自然と動くようなビートや初めて聴いて耳に残るようなメロディーを意識して作っています。前方でヘドバンやモッシュなど激しく暴れている人たちに圧倒されず怖がらず、難しく考えずに音を浴びてもらえたら。新しい経験をする場として、Zilqyのライブはフレンドリーな空気感だと思います。
私自身メタルの外から来たので、ヘドバンも下手で首を痛めることもあります(笑)。メタルには暑苦しいイメージを抱いていたけど、Zilqyはクール目なパフォーマンスもするなど、いろんな表現がある。身構えずに音の波を感じてもらえたらうれしいです。
Toki声を出す、拳を上げる、ヘドバンをする。めちゃくちゃ楽しいと思います。もちろん強制ではなく自由な楽しみ方でOK。後ろでゆっくりライブを見たい人もいるし、私も好き。せっかく来てくれたからには、ちょっとでも盛り上がってほしい。私はライブ中、お客さんの顔をめちゃくちゃ見ていて、後ろで腕を組んで見ている人を「どれだけ盛り上げられるか」を目標にしています。じっと見ている人がいたら私が煽るかも(笑)。とにかく拳を上げて新しい自分を開花させてほしい。メタル初心者の方にこそZilqyのライブを見に来てほしい。楽しませる自信はあります!
──ステージ上での圧倒的な存在感と、普段のキャラクターとのギャップもZilqyの大きな魅力ですよね。
Annaそうかもしれません(笑)。ステージ上では繊細で傷つくことはあっても、女性の強さや打たれ強さ(レジリエンス)を表現したいと思ってパフォーマンスしています。
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Zilqy/Kano(Dr.)
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Zilqy/Miho(Ba.)
Toki私の最大の夢は高校生の時に映像を見て衝撃を受けた、ドイツのメタルフェス『Wacken Open Air(ヴァッケン・オープン・エア)』のステージにZilqyとして立つこと。大空の下で何万人ものファンが一つになる光景に感動したので、Zilqyなら叶えられると思っています。国内でもサマーソニックやラウドパークにメインアクトとしても出演したいです!
興味を持ってくださった方は、まずは「RUN」のMVやアルバム音源を聴いてみてください。気に入ってくれたらライブに遊びに来ていただき、新たな自分を発見してほしい。メタル好きやラウド好きな方はもちろん、そうじゃない方も新しい自分が見つかるかもしれないし、夢が見つかるかもしれない。何か感じ取ってもらえるものがあるかなと思うので、来てくれたら最高にうれしいです。
Anna道のりは険しいと思いますが、いつか日本を代表するメタルバンドになりたいと思っています。なれた暁には、皇居ぐらいのサイズの日本一巨大なモッシュピットを作ってみたいです。それができたら感無量です。
今回は普段だったら人前に見せたくないような恥ずかしい部分とも素直に向き合って、アルバムに落とし込んでいます。10曲の中のどれか1曲でも、あなたの日常や背中を押すきっかけになれたらうれしいです。
取材・文:遠藤政樹
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『SUMMER SONIC 2026』より Photo by Victor Nomoto(METACRAFT)

Zilqy 1st ALBUM『Birth of Riot』【完全限定盤】

Zilqy 1st ALBUM『Birth of Riot』【一般流通盤】
■Zilqy 1st ALBUM『Birth of Riot』
2026年10月7日リリース
【完全限定盤】
品番:DCCA-182/価格:8,800円(税込)
・LPサイズジャケット仕様
・24P ブックレット付き
【一般流通盤】
品番:DCCA-183/価格:3,630円(税込)
CD収録内容(共通)
01. From Zero to One
02. World’s End
03. RUN
04. Psycho
05. CAVEAT
06. Caught in the Web
07. Other Side of the Moon
08. Misfit Toys
09. Grotesque Noblesse
10. Crimson
<ライブ情報>
■『Zilqy Tour 2026「Birth of Riot」』
10月11日(日)千葉 柏 PALOOZA
10月12日(祝)宮城 仙台 LIVE & CLUB MACANA
10月24日(土)兵庫 神戸 VARIT.
10月25日(日)愛知 名古屋 ell. FITS ALL
11月14日(土)福岡 福岡 INSA
11月15日(日)福岡 福岡 INSA
11月28日(土)大阪 OSAKA MUSE
12月16日(水)東京 Zepp Shinjuku(TOKYO)
12月21日(月)東京 EBISU LIQUIDROOM
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