一夜限りの感動を共有 沢城みゆきが語る『ベルサイユのばら』シンフォニックコンサート 音楽と映像が彩る新たな魅力
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(C)池田理代子プロダクション/ベルサイユのばら製作委員会
音と感情が同時に響き合うシンフォニックコンサート
ただ、オスカル役が決まった当初は、生で歌う機会は想像もしていなかったと振り返る。
「日本人の私が「フランス万歳」の境地まで本当に辿り着けるのか、台詞のハードルも高かったけれど、澤野弘之さんの楽曲歌唱はそれを上回って、練習が大変でした。マリー・アントワネット役の平野綾さん、ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン役の加藤和樹さん、アンドレ・グランディエ役の豊永利行さんは、歌やミュージカルでも活躍しているので、あとは私が頑張るだけだなと(苦笑)まさかシンフォニックコンサートにつながるとは想像もしませんでしたが、開催が決まったからには、自分なりにしっかり向き合っていきたいと思っています」
さらに沢城は、観客としての視点も交えながら、コンサートの魅力について言葉を重ねる。
「以前、ピアニストで作曲家の大野雄二先生にお声がけいただいて『ルパン三世 カリオストロの城』のシネマ・コンサートにゲストで参加させていただきました。ほとんど覚えていないと言っても過言でないくらい余裕のない時間でしたが、やはりその時、音楽が立ちあがっていく瞬間に同じ空間に居られた体感は特別なものがありました。今回も、あの時のような時間を皆さんと分かち合えたら嬉しいですね。正直なところ、私自身もできることなら客席でじっくり聴いてみたいくらいです(笑)」
コンサートは、レコーディングとはまったく異なる時間の流れを持っている。一度きりの演奏の中で、音と感情がその場で立ち上がっていく。その一回限りの時間こそが、舞台ならではの魅力であり、同時に緊張感でもある。
「今回のコンサートは、オーケストラに再編成されて演奏されるので、映画とはまた違った手触りのものになるのではないかと、私自身楽しみにしています。足を運んでいただいた会場の皆様と一体となれる曲もありそうで、その場でしか味わえないものがあるように思います」
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沢城みゆき
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オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ(C)池田理代子プロダクション/ベルサイユのばら製作委員会
歌が開いたオスカルの内面
「『Child of Mars』というオスカルのソロ曲の中で“もう迷わない”と歌った時、彼女の心に翼がついて、余すことなく全部外へ飛び立ったような爽快感がありました。オスカルのみならずなんだか私のもやもやした想いまで一緒に出ていった感覚があり(笑)、あの経験はとても大きかったです」
とりわけ印象的だったのは、他のキャストとの掛け合いの中で、自身の表現が大きく変わっていく感覚だと語る。
「アンドレとデュエットした『夜をこめて』は、私が先に録ったのですが、監督からは“安心”だとか“安らぎ”をイメージして歌って欲しいとの演出がありました。ところが豊永さんの歌声が、想像していたよりもずっと情熱的で(笑)、監督含めスタッフの皆さんと話し合って、少しアンドレに心を寄せた歌い方で一部録り直しました。アンドレに愛されています」
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豊永利行
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アンドレ・グランディエ(C)池田理代子プロダクション/ベルサイユのばら製作委員会
「4人で歌う『The Rose of Versailles』や『Believe in My Way』では、オスカルの声を女性的に寄せるか男性的に寄せるかでかなり迷いました。どちらにも寄せきれない部分があって、最終的には高音と低音と両方録って重ねるようにしたのですが、その曖昧さが、結果的にオスカルの揺らぎにもつながったように思います」
強さとしなやかさ、理性と感情のあいだで揺れ動くオスカルだからこそ、どちらか一方に寄せることでは見えてこないものがある。その曖昧さをあえて残すことが、人物のリアリティをより強く引き立てていった。
「歌うことでセリフの裏にあったものが見えて、初めて理解できる部分が確実にありました。音楽は補足ではなく、もうひとつの本質だと感じましたね」
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平野綾
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マリー・アントワネット(C)池田理代子プロダクション/ベルサイユのばら製作委員会
「池田先生が映画の舞台挨拶に登壇された際に、『50年前に描いた作品ではあるけれど、あの時の自分は間違えていなかったと思えた』とおっしゃっていたんです。…忘れることのできない偉大な横顔です。先生の中の情熱はオスカルの中で燃えていて、その炎をこうして時を経てまた多くの皆さんに手渡せた機会に携われたのだと、感動しました」
オスカルを演じる中で、音楽との向き合い方にも変化が生まれていったという。これまで無意識に受け取っていた“音”が、表現としてどのように立ち上がるのかを意識するようになり、その捉え方自体が少しずつ変わっていったと分析する。
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加藤和樹
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ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン(C)池田理代子プロダクション/ベルサイユのばら製作委員会
「以前、大野先生が『この曲は自分が書いたかどうか覚えていないけれど、フルートはあいつが吹いているから俺が書いた曲だなとわかる』とお話されていて、『そんなことってある?』と驚いたことがありました。その時の私には、たとえばフルートはフルートの音としか聴こえていなかったんです。でも、『プレミア音楽朗読劇 VOICARION XIX 〜スプーンの盾〜』で一流の方々の演奏を繰り返し聴くうちに、はっきり聴き分けられるようになってきたんです。楽器の音色も声と一緒でひとりひとり違っていて、音の個性はきちんと伝わるものなのだなととても勉強になっています」
積み重ねてきた感覚は、今回のコンサートへとつながっていく。スクリーンの中で描かれてきた時間は、音楽というかたちを通して、別の表情を見せることになる。
「この作品を愛する方たちと同じ空間で再会できること、本当に嬉しいです。ありがとうございます。私も応援上映に参加してみたかったので、ステージ上にはいますが、みなさんのペンライトや熱気を生で感じられること、本当に楽しみなんです。国際フォーラムとオーケストラとペンライトのハーモニー…! この日しか味わえない『ベルばら』を一緒に体感しませんか? 9月6日にお会いしましょう」
『ベルサイユのばら』は、コンサートという新たな舞台に、もう一輪の薔薇を咲かせようとしている。その香りは、これからも時代を越えて、受け継がれていくだろう。
取材・文:森中要子
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(C)池田理代子プロダクション/ベルサイユのばら製作委員会
billboard classics 劇場アニメ『ベルサイユのばら』シンフォニックコンサート2026
【公演スケジュール】
日時:2026年9月6日(日)開場16:00/開演17:00
会場 : 東京国際フォーラム ホールA(東京都千代田区)
【出演】
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ役:沢城みゆき
マリー・アントワネット役:平野綾
アンドレ・グランディエ役:豊永利行
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン役:加藤和樹
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和田薫
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東京フィルハーモニー交響楽団
和田薫
【管弦楽】
東京フィルハーモニー交響楽団
【音楽】
澤野弘之・KOHTA YAMAMOTO(当日の出演はありません)
■チケット情報
【料金】(全席指定・税込)
*通常席 13,000円
<チケット購入に際しての注意事項>
※未就学児入場不可
※枚数制限:おひとり様各公演1申し込み最大4枚まで
※車椅子をご利用のお客様はS席をご購入の上、下記問合せ先までご連絡ください
※チケットはおひとり様1枚必要となります。チケットを紛失された方、または当日お忘れになった方はご入場できません
※チケット購入の際は、必ず公式サイトに掲載している注意事項をご確認の上、チケットをお求めください
(ご来場のお客様へのお願い(外部サイト))
※詳細は公演公式サイト(外部サイト)へ
<主催>
ビルボードジャパン(阪神コンテンツリンク)、エイベックス・ピクチャーズ、文化放送
<企画制作>
ビルボードジャパン、エイベックス・ピクチャーズ
<後援>
米国ビルボード
【沢城みゆき プロフィール】
東京都出身。『ルパン三世』の峰不二子役をはじめ、『鬼滅の刃』の堕姫役、『ゲゲゲの鬼太郎(6期)』の鬼太郎役など、人気作品のキャラクターを数多く務める。『報道ステーション』(テレビ朝日系)のナレーションや舞台でも活躍中。