オリコンニュース

宮野真守、アルバム『FACE』先行配信曲「ジャンプしてみて」が大バズリ 「自分だからこそ作れるエンタメに興味がある」【インタビュー】

 声優・俳優・歌手として活躍する宮野真守が、11月にリリースする8thフルアルバム『FACE』収録曲を、3ヶ月連続で先行配信中だ。第1弾となる「ジャンプしてみて」(8月8日リリース)は、ソウルファンクのサウンドとキャッチーな歌詞、昭和テイストの映像が「中毒性がある」と話題を呼び、SNS総再生回数は9000万回を突破。第2弾「R.P.G」(9月12日リリース)もジャケットのドット絵からもゲームの世界観が感じられる遊び心が詰まったサウンドと、バズ連発のダンスクリエイター集団Hoodie fam振り付けによるダンス動画で再生回数を伸ばしている。音楽活動でも存在感を増している宮野に、作品に込めた思いや今後の展望を聞いた。

昭和テイストの第1弾は、フェスで盛り上がる楽曲がテーマ

 どこか懐かしさを感じるソウルファンクナンバーに、繰り返される“ジャンプしてみて”のキャッチーなフレーズ、ショートドラマ仕立てとなったミュージックビデオ(MV)が「中毒性がある」と話題の「ジャンプしてみて」。誕生のきっかけは、今年8月10日に茨城県・ひたちなか海浜公園で行われた音楽フェス『Lucky Fes '25』への出演だったという。

【宮野】去年、『イナズマ ロックフェス 2024』に出演させていただいたのですが、これまで出演してきたアニメフェスとは違って、周りのアーティストは初めましての方ばかり。観客の皆さんも僕を初めて見る人がほとんどだったので、自己紹介的なアプローチができればと考えて、アニメ『キン肉マン 完璧超人始祖編』0話のテーマ曲「キン肉マンGo Fight!」を歌ったところ(宮野は「キン肉マン」役として出演し、キン肉マンとして「キン肉マンGo Fight!」を歌唱)、サビの“Go Fight!”を皆さんが一緒に叫んでくれて、非常に盛り上がりました。今回もそんなふうに僕の音楽に初めて触れる人でも楽しめて、初見でも印象に残る楽曲が作れたらと考えたのが始まりでした。

 ジャンルは限定せずに、盛り上がれるような曲調で、歌詞に関しては、「あえて“意味のない曲”を作ろうと考えた」と宮野。

【宮野】メッセージを込めた楽曲は普段の音楽活動でやっていることだし、そもそもフェスで皆さんと盛り上がりたいというのが大きなメッセージなので、今回は、とにかく無条件に楽しんでもらうことだけを目指しました。

 その狙いどおり、フェス当日は、宮野の“ジャンプしてみて”の歌声に合わせて観客は右手を上げて大きくジャンプし、フェスならではの熱気と一体感を創出。会場は地響きが起きたかのような盛り上がりを見せた。

 さらに本曲では、“ジャンプしてみろよ 高くジャンプしてみろよ”や、“ちょっとそこのニーチャン ジャンプしてオニーチャン”“駐車場の裏 ちょうど午後5時くらい バッタリ出くわしてしまったのが運命”といった歌詞に表れているように、コミカルなオーラをまとったストーリー性を活かしたMVも制作。Netflixドラマ『地面師たち』での好演で話題となったお笑い芸人・アントニー扮する不良学生が宮野に迫り、“ジャンプさせられる”展開や、パーマ屋さんやディスコ風の空間でのパフォーマンスなど、今、流行の“レトロでエモい”昭和の香り漂う映像で、再生回数は150万回を超え、SNSでの総再生回数は9000万回を突破する勢いとなっている。

 同時にTikTokにもエフェクトにこだわったジャンプ動画を配信。バズリを期待してのアプローチだったが、「こんなにも広がるんだ、と初めて実感してビックリした」と宮野は笑みをこぼす。

【宮野】僕がパーソナリティを務めるラジオ番組に「今、流行の“ジャンプしてみて”をやってみた」というコメントが寄せられまして、“宮野真守の”ではなく、“今、流行の”なんだと本当に驚きました。著名人の中にも宮野真守のことを知らずにジャンプ動画を上げてくれている人もいるようで、映像を見ながらきっとお子さんに勧められて投稿したんだろうなと(笑)。そういう広がり方をしたのは初めてだったので、嬉しく見守っている毎日です。

自らの経験を元に、第2弾は「人生ハードモード」がテーマ

宮野真守8thアルバム『FACE』【通常盤】(CD Only)

宮野真守8thアルバム『FACE』【通常盤】(CD Only)

 9月12日に配信リリースしたアルバム先行曲第2弾「R.P.G」もまた、「ライブで盛り上がれる楽曲」に加え、「SNSでの拡がり」を期待して制作したという。

【宮野】「ジャンプしてみて」が昭和のテイストを盛り込んだ作品になったことから、第2弾は平成、第3弾は令和にしたら面白いのではないかというアイデアが生まれました。僕が一番青春時代を過ごした平成というと、ファミコンの世界観が浮かんできたので、疾走感あふれる攻めのサウンドに平成のゲーム的な音使いを加え、ビジュアルやTikTok動画も平成の面白さを盛り込むことを意識しました。

 さらに本作では、メッセージ性も大切にしたという。

【宮野】「R.P.G」という世界観で見せられる自分の思いって何だろうと考えたときに、人生ハードモードだよなって思ったんです。僕は平成になってすぐ、小学生の時に劇団に所属して、CMや舞台に出演するようになって、でもそこから何回も転び、何回も立ち上がって、今に至りました。そんな自分の人生を振り返り、自分の人生は自分が主役、何度倒れても勇者になっていくために戦うんだという決意や強さを表現できたらと思いました。

 声優として今や世界的に人気を得て、俳優、歌手、バラエティでも大活躍中の宮野。そんな宮野に憧れて、声優の仕事の魅力を「マルチな活動ができること」ととらえる人も多いが、宮野は「それとは真逆でここまで来た」と自らのエンタメ人生を振り返る。

【宮野】子どもの頃は、同世代の子たちが突き抜けた時に羨ましく思ったり、焦ったり、ずっとうまくいかないという思いを抱えていました。そんな中、自分に何ができるのか、何か印象に残らなくてはと常にハングリーな思いでいろいろなことに挑戦してきた結果、今がある。頑張った末のマルチタスク、マルチフェイスですから。一歩一歩やってきたことが積み重なり力となって、その結果、いろいろなところからお声をかけていただけるようになり、また新たなチャレンジをさせていただけて、ということが今も続いている気がします。

常にチャレンジ精神を持って、宮野真守をさらに大きく育てていきたい

 昨年は5都市9公演のライブツアーを完走し、今夏は『Lucky Fes '25』のほか、上海で開催されたアニソンフェス『BILIBILI MACRO LINK 2025』、世界最大級のアニソンフェス『Animelo Summer Live 2025“ThanXX!”』にも出演。国や性別を越え、多くのオーディエンスをパフォーマンスで魅了したが、11月からは7年ぶりのアジアライブツアーも開催。国内3ヶ所(宮城・兵庫・神奈川)に加え、上海・台北での開催も予定されている。

宮野】初めて海外に行ったのはアニメのイベントでしたが、海外のファンの熱狂ぶりに、自分が海外スターにでもなったような不思議な感覚を覚えて、アニメの人気は国境を越えていることを肌身で感じました。そのおかげで、宮野真守として上海や台北でもライブができるようになって、僕の歌を日本語で一緒に歌ってくれたときは、涙が出るほど嬉しかったです。

 さらに10月には8thアルバム『FACE』からの先行配信第3弾もリリースされる。

【宮野】昭和、平成と来て、今度は令和です。声優であり、歌手であり、俳優としては舞台にテレビに映画もやってと、いろいろな経験が自分の中で力となっている今、ここからまた新たなネクストステージに行くんだという思いを第3弾の楽曲には込めたいと思っています。

 そのネクストステージにおいては、「自分だからこそ作れるエンタメに興味がある」と目を輝かせる。

【宮野】そういうことを考えてもいい年齢になってきたのかなと思うんです。ただ、これからも変わらないのは、常にチャレンジ精神をもって、新しい作品と出会い、新たな考えや感情など自分自身にたくさんのインプットをしていくこと。そうして宮野真守というものをどんどん育てていきたいと思っています。

取材・文:河上いつ子

宮野真守8thアルバム『FACE』【初回限定盤】(CD+Blu-ray)

宮野真守8thアルバム『FACE』【初回限定盤】(CD+Blu-ray)

<作品情報>
■宮野真守8thアルバム『FACE』
発売日:11月19日

【初回限定盤】(CD+Blu-ray)
フォトブック封入&スペシャルケース仕様
品番:KICS-94420/価格:4950円(税込)

【通常盤】(CD Only)
品番:KICS-4420/価格:3630円(税込)

・先行配信第1弾「ジャンプしてみて」(8月8日)
・先行配信第2弾「R.P.G」(9月12日)
・先行配信第3弾(10月配信予定)

<ライブ情報>
■『MAMORU MIYANO ASIA LIVE TOUR 2025-2026 〜VACATIONING!〜』
11月22日(土) 宮城 ゼビオアリーナ仙台
11月23日(日) 宮城 ゼビオアリーナ仙台
11月29日(土) 兵庫 ワールド記念ホール(兵庫)
11月30日(日) 兵庫 ワールド記念ホール(兵庫)
12月13日(土) 神奈川 横浜アリーナ
12月14日(日) 神奈川 横浜アリーナ
※2026年に海外公演(上海・台北)開催予定
チケット先行受付中! 詳細はこちらから(外部サイト)

■宮野真守 OFFICIAL WEB SITE(外部サイト)

Sponsored by キングレコード

メニューを閉じる

 を検索