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【globeデビュー30周年記念】氷川きよし+KIINA.が熱く語る、フルサイズライブ映像の興奮と共感

 デビュー30周年イヤーに突入し、連続リリース企画を展開しているglobe。その第2弾として、1996年に開催された幻のファーストライブツアー『house of globe』の最終公演を収めた映像作品が9月27日にリリースされた。これまで一部のみ映像化されていたが、今回は同ライブ初のフルサイズ作品となる。globeの熱烈なファンを自認する氷川きよし+KIINA.に、先行して実施された劇場公開用の試写を鑑賞してもらい、その魅力を聞いた。

懐かしさと感動の再会 音楽に没頭する幸せな時間

90年代J-POPを彩ったglobe

90年代J-POPを彩ったglobe

―ライブ映像作品『preview Another Edition Private Tour house of globe -代々木ホワイトシアター1996.9.27-』をご覧になった率直な感想を聞かせてください。

【氷川きよし+KIINA.(以下、KIINA.)】何度も繰り返し聴いた1stアルバム(『globe』1996年)の音源そのままの歌をライブで見させてもらって、感動でした。時間を忘れて見入ってしまうくらい幸せな時間で。1996年って、自分がちょうど上京した年なんです。18歳の時。街中で小室さんの曲が流れていて。その中でもKEIKOさんの歌を聴いて、自分よりもちょっと大人な、それまでにいなかったタイプの声にすごく憧れを抱いたんです。自分は演歌の先生にスカウトしていただいて上京したんですけど、それでも「KEIKOさんになりたい! あの声で歌いたい!」と思っていました。

――KEIKOさんの歌のどんな部分に惹かれたのですか?

【KIINA.】声の抜け感とか、シャウトする感じとか。KEIKOさんの歌を聴いて「これだ!」って感じたんです。18歳の時にそう感じたKEIKOさんの歌を、今回のライブ映像作品で、リアルに聴けたような気がしました。

――今回はBlu-ray発売タイミングで実施される、同作の劇場公開用の映画試写室でのドルビー・アトモス音響でご覧いただきましたが、何度も身を乗り出してご覧になっていましたね。

【KIINA.】やっぱり好きなものは、自然と身体が前のめりになっちゃいますよね(笑)。当時、ライブには行けなかったので、オープニング曲が「SWEET PAIN」だったのは意外でした。登場シーンとか、セットリストもすごくよかった。自分は2ndアルバム(『FACES PLACES』1997年)からのめり込んで聴くようになって、1stアルバムにさかのぼって、それ以降はリアルタイムにCDを買って。まだデビュー前であまりお金はなかったけど、それでもCDはどうしても発売日に買いたくて、新宿のタワーレコードに走って行きました。シングルだと、「wanna Be A Dreammaker」や「Sa Yo Na Ra」「sweet heart」(いずれも1998年)とか。あと「still growin' up」(1999年)の時にライブ・チケットが当たるコカ・コーラのキャンペーンがあって、これも応募して(笑)。

――globeファンだとは聞いていましたが、本当に熱烈なファンだったんですね。

【KIINA.】バイトへ行く時も聴きたくて、ポータブルMDプレイヤーを買ってCDをダビングして。だから今でも、globeだけは8cmシングルCDも大切に持っています。「FACES PLACES」(1997年)で、KEIKOさんの歌がものすごく高いキーまでいったじゃないですか。すごいなと思いつつ、でもアルバムを通して聴くと静かに聴き入る曲もあって、そういう緩急と言うか、何回でも繰り返して聴けるように練り上げられていて。それはライブのセットリストもそうで、1本の映画を観ているような感覚でした。小室さんが、曲のつなぎでピアノだけで演奏するところとかも好きですし、オルガンの上に登って弾いたりするのもすごかった!

――特に今回の映像作品は、繊細なリマスター映像とドルビー・アトモスの臨場感で、没入感がすごかったですね。

【KIINA.】本当に見入ってしまいましたし、すぐに次のライブを見たいって思いました。ここからglobeは始まったんですもんね。

声出しOK!「応援上映会」も開催

――今回、リリースを記念して9月26日(金)〜28日(日)の3日間、全国の映画館でも同作品の4Kリマスター&ドルビー・サラウンドでの劇場公開が実施され、28日は声出し、応援グッズの使用もOKな「応援上映会」となるそうです。

【KIINA.】声出しできるんですか!? それはいいですね。やっぱり身体を動かしながらノッて聴きたいですし、「KEIKO!」って叫びたいです(笑)。

――改めて、KIINA.さんが感じるglobeの魅力とは?

【KIINA.】当時、もちろんKEIKOさんが日本語で歌っているんですけど、日本の音楽という感じがしなかったんです。外国人が歌っているように聴こえて。KEIKOさんの歌に、すごくソウルミュージック的な雰囲気を感じたんです。R&Bっぽい、唸る感じとか。「Anytime smokin' cigarette」(1997年)には、特にそれを感じて。実力派シンガーってカッコイイですよね。低音もちゃんと出せるから、ハイトーンが活かされる。だからKEIKOさんの歌には説得力があるんだと思います。でも当時のKEIKOさんにとっては、相当な重圧もあっただろうなと想像するんですけど、それでもライブで堂々と歌っている姿は流石ですよね。そういう、これは説明が難しいんですけど、九州人の根底にある負けん気の強さと言うか、「負けるもんか!」っていう魂みたいなものをすごく感じて。そんなKEIKOさんのオーラにすごく惹かれて、声を真似しようとカラオケですごく歌いました。強くて媚びない女性像にも憧れて。それはもちろん、歌の世界でそう感じていただけで、実際のお人柄はわかりませんが、きっと強くて、カッコいい方だなと思って見ていました。確かこの前、globeは久々の新曲を出しましたよね?

――2022年にデビュー10000日を記念したボックス・セット『10000 DAYS』がリリースされた際、未完成の状態だった楽曲をフルサイズの完成形にアップデートした新曲「WHITEOUT」が収録されていました。

【KIINA.】デビュー当時のような激しい曲とは違うけど、ゆったりとした、すごく素敵な曲でしたし、KEIKOさんの声を聴けただけですごく嬉しくて。あの声で青春時代を過ごしてきましたから。

プロ目線から見るglobeの普遍的な輝き

デビュー30周年記念イヤーに突入したglobe

デビュー30周年記念イヤーに突入したglobe

――ここまでファン目線でお話しを伺いましたが、同じアーティストとしてのプロ目線で、この30年前のライブをどのように感じましたか?

【KIINA.】色褪せないすごさがありますよね。全然、古く感じない。当時は流行りの音楽だという感覚もありましたけど、今回のライブ映像作品を見ていて普遍的なものを感じました。意外だったのは、自分の中でKEIKOさんと言うと金髪でツインお団子のイメージがすごく強かったんですけど(※翌年に開催された4大ドーム・ツアー『globe @4_domes』時の際のヘアスタイル)、本当にデビューしたてのフレッシュな、歌を聴かせることに徹したステージが印象的でした。でも本当に歌い手としての憧れ。一番高いキーの声が爽快ですよね。それでラストが「Is this love」で、しっとりと聴かせて終わるっていうのがすごくよかったです。

――ちなみに、KIINA.さん的に「この一曲!」を挙げるとすると?

【KIINA.】どの曲も好きだから迷いますが、「Preciuos Memories」がすごく好きです。切なくてキュンとなります。小室さんがKEIKOさんの声の魅力をすごく引き出しているなって感じます。もちろん、マーク・パンサーさんも、1曲がまとまるうえで欠かせない存在。このライブ映像の時のマークさんって、20代でしょうか? すごく若くて、可愛らしかった。当時、マークさんのラップってセンセーショナルでしたよね。だけどカラオケでは、自分はやっぱりKEIKOさんのパートを歌いたいから、マークさんのラップは他の人にお願したいです(笑)。あと他にも、このライブ以降の曲ですけど、「Anytime smokin' cigarette」も大好きで。落ち着いた大人の曲ですごく好きで、それこそカラオケで1万回は歌っていますよ。バイト先のみんなでカラオケに行った時にも歌って、「上手いね!プロになれるよ」って言われたこともありました(笑)。でも「上手いけど、またこの曲?」って(笑)。あと「So far away from home (Beautiful Journey)」(1997年)も好きだったなぁ。他の曲とはちょっと毛色が違う、ハッピーな感じで。後半の方のglobeの曲も好きなんですよ。「とにかく無性に…」(2000年)は、ちょっと熟成した、そんなに声を張り上げる感じではない、どちらかと言うと癒し系のKEIKOさんの歌声がすごく心地よくて。

――デビューしてから、そういった歌のニュアンスなどでglobeから直接的な影響も受けているのでしょうか?

【KIINA.】デビュー前からKEIKOさんの歌は意識していました。ハイトーンの感じとか、シャウトやフレーズの最後で少しだけしゃくり上げる感じとか。デビューしてからも、ポップス系の歌の時にはKEIKOさんのテイストを取り入れて。「限界突破×サバイバー」もそうですね。だから自分にとってポップスの歌い方の“教科書”なんです。

――それほどまでに大きな影響を受けていたんですね。

【KIINA.】東京でひとり暮らしを始めた頃、『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』(フジテレビ系音楽バラエティ番組)とかでKEIKOさんが歌っているのを見るのが楽しみで、globeが出演する時は録画していました。生きがいでしたね。その流れで、『ASAYAN』(テレビ東京系バラエティ番組)で小室さんのオーディション企画があって、実はあれに出たくて出たくて仕方なかったんですよ。でも演歌歌手としてデビューしようとしていた時期でしたから、その時はグッと気持ちを抑えて。それくらい、小室さんのオーディションに出たかったし、第2のKEIKOさんを目指していたんです。

――その想いが約30年後に、「KIINA.きよし with t.komuro / Party of Monsters」という形で小室さんとの制作が実現したわけですね。

【KIINA.】いやもう感動しました。夢って叶うんだなと思って。何十年経っても小室さんへの憧れは消えなかったし、その小室さんと、プロとしてお仕事させてもらえたことが嬉しくて。「Party of Monsters」でもやっぱりKEIKOさんのテイストを入れたくて。自分の中では、ロングトーンのところとか、“お願いだから!”っていうフレーズを録り直した際にいろんなバージョンを録音して、その中から自分的にKEIKOさんを意識したテイクを採用していただけて。ですから、自分で言うのはおこがましいんですけど、ちょっとキーの低い男声のKEIKOさんと思って聴いていただけたら、またちょっと違った曲の景色を楽しんでもらえるんじゃないかと思います。やっぱりKEIKOさんの歌い方って、自分にとって神様だから。ただ今回、高速ラップがすごく大変で。一度「無理です」ってお伝えしたんです。ただ、小室さんには直接言えなくて、仲良くさせていただいている木根(尚登)さんを通じて(笑)。それで実は、もう少しメロディアスなバージョンも小室さんに作っていただいたんですけど、小室さんから「今は速い曲の時代だから挑戦してみて」と言われて。それで頑張ってラップを覚えました。やっぱり、小室さんの期待に応えたいですからね。

――小室さんは昔から、そうやって時代に敏感に音楽を作り続けつつ、先ほどKIINA.さんがおっしゃったような普遍性も併せてもっている点がすごいですよね。単なる流行り廃りではない、という。

【KIINA.】それこそが小室さん、globeの魅力ですよね。このライブ映像作品の中にもその魅力が詰まっていると思います。

時代を超える音楽の力 小室哲哉とglobeの魅力

『preview Another Edition Private Tour house of globe -代々木ホワイトシアター1996.9.27-』

『preview Another Edition Private Tour house of globe -代々木ホワイトシアター1996.9.27-』

――改めて今、2025年のJ-POPシーンにおいてglobeの歌が光る部分って、どういう点にあると思いますか?

【KIINA.】すべてを通して普遍的な愛を歌っているところだと思います。小室さんが書く詞って、ストーリー性と言うよりも、「これはどういう意味だろう?」と耳に残る言葉がポンポン入っていて。だけど曲を通して聴くと、人を愛する気持ちが表現されていて、やっぱり愛が大事なんだなって思うんです。いろんな愛をテーマに曲を作られていますよね。“TK PRESENTS こねっと”の「YOU ARE THE ONE」(1997年)も好きだったな。

――小室さんが中心となって制作されたチャリティ・ソングですね。

【KIINA.】この曲は人類愛ですよね。「We Are The World」の平成日本版と言うか。こういう曲も歌い継いでいってほしいなって思います。『Relation』(1998年)なんて、まだ自分が19歳でアルバイト生活を送っていて、デビューできない、行く先がないようにすら感じていた時に、すごく背中を押してくれたアルバムで。当時、悲しいことがあった時に布団をかぶって泣きながら「illusion」を何度も聴きました。すごく癒されたんですよ。悲しいけど、寄り添ってもらえた感じがして。だからものすごく自分の命に沁みて。もしglobeのトリビュート・アルバムを作ることになったら、絶対に自分に歌わせてほしい曲! それくらい自分にとって、globeはリアルだし、実体験なんです。

――今年30周年を記念したリリース作品は、KIINA.さんのようなリアルタイム世代ファンはもちろんのこと、globeを知らない10代、20代にも聴いてほしいものばかりですよね。

【KIINA.】本当にそう思います。KEIKOさんって、たぶん自分の5つくらい年上で、18歳の頃にちょうど背伸びして真似したくなる、でも自分とは違うきらびやかな大人の世界、時代の最先端にいて。自分もそこに行きたいっていう目標でもあったんです。それがKEIKOさんであり、globeの世界。globeと出会ってなかったら、今の自分もいなかったと思うくらい、本当に生きる力を与えてくれたアーティストなので、だから3人には、とにかく健康でいてほしいですね。歌詞にもそういうフレーズがありますよね(「Because I LOVE the NIGHT」1997年)。これからも大好きだし、このライブ映像作品もすべてが見どころ。1曲1曲が、もう最高です。これで初めてglobeを見るっていう方もいると思いますけど、きっとglobeにハマるはずなので、これをスタートに、パワーみなぎるライブを映像で体感してもらって、いろんな曲を聴いてもらいたいですね。珠玉の名曲揃いですから。

取材・文:布施雄一郎






氷川きよし+KIINA.
■全国コンサートツアー『KIYOSHI HIKAWA+KIINA. Concert Tour 2025』開催中(外部サイト)
■新曲「白睡蓮」発売中(外部サイト)
■2026年全国4都市で『氷川きよし特別公演』公演開催(外部サイト)
■globe デビュー30周年記念特設サイト(外部サイト)
9月27日発売
『preview Another Edition Private Tour house of globe -代々木ホワイトシアター1996.9.27-』
品番:AVXG-72065/価格:7,150円(税込)
■特別4K&Dolby Atmos上映会
『preview Another Edition Private Tour house of globe -代々木ホワイトシアター 1996.9.27-』

【日時】
9月26日(金)、27日(土)、28日(日)全日 19:00上映開始

【上映劇場】
東京:新宿バルト9(外部サイト)
神奈川:横浜ブルク13(外部サイト)
埼玉:T・ジョイ エミテラス所沢(外部サイト)
京都:T・ジョイ京都(外部サイト)
大阪:T・ジョイ梅田(外部サイト)
福岡:T・ジョイ博多(外部サイト)

【チケット料金】
26日(金)、27日(土) 一般・指定席 4,700円(税込)
28日(日)【応援上映会】 一般・指定席 5,000円(税込)
※3歳以上はチケットが必要(3歳未満のお子様は入場不可)

【購入方法】
上記各劇場サイトスケジュールよりオンラインにて購入ください

【入場者特典】
26日(金)、 27日(土) 特製ポストカード
28日(日) 特製ポストカード & 特製ルミカライト

11月1日発売
『4Mega Hits Album Records』
「globe」 品番:VJG-70134〜35/価格:6,600円(税込)
「FACES PLACES」 品番:AVJG-70136〜37/価格:6,600円(税込)
「Love again」 品番:AVJG-70138〜39/価格:6,600円(税込)
「Relation」 品番:AVJG-70140〜41/価格:6,600円(税込)
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