SixTONESがニューシングル「Stargaze」を9月10日にリリースした。表題曲の「Stargaze」は、RADWIMPS・野田洋次郎の書き下ろし楽曲だ。日本テレビ系『第45回 全国高等学校クイズ選手権』応援ソングだけに、聴く人の背中を押す青春エールソングとなっている。

デビュー5周年を迎えたSixTONESの「熱い特別なタイミング」

　SixTONESといえばデビュー曲「Imitation Rain」をYOSHIKI（X JAPAN/THE LAST ROCKSTARS）が提供。またメンバーのソロ曲をアイナ・ジ・エンド、堂本剛、平井大、菅田将暉、玉置浩二が提供するなど実力派アーティストからの書き下ろし楽曲が多いグループだ。

　今回の野田洋次郎の楽曲提供に関しては、9月3日オンエアの『ZIP』（日本テレビ系）内のインタビューで京本大我が、「学生時代、文化祭のバンドでRADWIMPSの『トレモロ』を歌ったことがある」、そして「24歳のころ、プライベート旅行でシンガポールに行ってRADWIMPSのライブを見た」とファンであることを告白。さらには松村北斗が、「僕が声優をした『すずめの戸締まり』の音楽を担当された洋次郎さんとお会いしたときに、『いつか曲を書いていただきたいです』とお願いした」という秘話も。そのときに野田は、「俺も書きたい気持ちがある。熱い特別なときにタッグを組みたい」と語ったというが、まさにデビュー5周年を迎えたSixTONESにも、クイズに青春を懸ける高校生にも「熱い特別なタイミング」といえるだろう。

　SixTONESといえば、「Imitation Rain」の壮大なロックバラード、「ABARERO」のドープなヒップホップ、疾走感あるマイクリレーが印象的な「こっから」など、幅広いジャンルの音楽を積極的に取り入れているエッジーなグループだ。ダンスグループを中心としたSTARTO ENTERTAINMENTにあっては少し異質かもしれないが、どのグループよりも彼らは音楽と真摯に向き合い、泥臭いまでにアーティストとしてのプライドを掲げて進化を遂げてきた。

SixTONES自身の歩みと重なる力強いエール

　そんなSixTONESに野田洋次郎が提示したのは、シンプルなトラックのバラードだ。野田が「僕なりに SixTONESというグループの歴史や、メンバー同士の関係性などを掘り下げながら、今まで歩んできた道のりやこの先の物語を想像し、曲を育てていきました」とSixTONES公式サイトでコメントしているように、歌詞を見るとSixTONES自身の歩みと重なる。

　彼らは事務所に集められたメンバーではない。「絶対にこの6人で！」と直談判してグループを結成。このグループができなかったら、事務所を辞めようと思っていた者もいたという。しかしグループを結成できても、なかなかデビューすることができずに長い時間を過ごし、ようやくデビューできたと思ったら、コロナ禍で活動を制限される日々を経験する。SixTONESは決して平坦な道を歩んできたグループではない。

　冒頭、浮遊感のあるイントロに続き、SixTONESの最強メインボーカルであるジェシーと京本大我、そして松村北斗が「今」を歌う。同じメロディーに言葉数を増やして、ラッパーとしての評価をあげている田中樹と、��地優吾、森本慎太郎の3人が「決意」を歌うと、そこからジェシーと京本が「反骨」を歌い、ぱっとムードが変わり開けた印象を与えるドラマチックなサビでは、6人がユニゾンで力強く「一歩を踏み出す様」を歌う。そして大団円には6人が、＜なんだってこいや おいかかってこいや＞＜できない 気がしない＞と、希望に満ちた未来へのファイトポーズで締めくくる――。タイトルの「Stargaze」には、“星を眺める”“空想にふける”という意味があるが、＜できない 気がしない＞と空想にふける6人を表しているのだろうか？

　徐々に熱が高まっていく構成と野田の書いたドラマチックな歌詞は、彼らのバックボーンを知っているファンにはザクザクと突き刺さるはずだ。テレビではやんちゃな自由人に見えるSixTONESだが、この曲の歌詞のように、もがいてもがいて自分たちの手で成功をつかみ取ってきた。彼らのバックボーンを知らない人にもそんな彼らのエールの力強さは、しっかりと届くはずだ。

　今回この曲が、日本テレビ系『第45回 全国高等学校クイズ選手権』応援ソングに起用された。昨年からSixTONESが番組のパーソナリティに就任し、今年は2度目。昨年の放送ではスタジオを飛び出して、予選から高校生たちと一緒に汗と涙を流しながら彼らに寄り添いエールを送るSixTONESの姿が感動を呼んだ。トンガったイメージのあるSixTONESだが、普段から6人が男子高校生の部活仲間のような仲の良さで、常にメンバー同士が互いにリスペクトしあっている。そんな関係性は「高校生クイズ」と抜群の親和性を見せ、番組を盛り立てた。「高校生クイズ」での彼らを見れば、野田洋次郎の言った「熱い特別なときに」が実感できるはずだ。

　今作は、3形態でのリリースとなった。【通常盤】には、表題曲の「Stargaze」のほかに、前作シングル「BOYZ」のリミックス企画「BOYZ -SKA PUNK Rearrange-」、ほぼ英語詞の「Clarity」、軽快な失恋ソング「Tear Train」、そして「Stargaze -Instrumental-」の5曲を収録。【初回盤A】には、表題曲に加え、「Medley from『YOUNG OLD』at 東京ドーム（BORDERLESS 〜 Cat Call 〜 MIDAS）」と、DVDには「Stargaze -Music Video-」「Stargaze -Music Video Making-」、ソロ曲「憧憬のアーチ (Hokuto Matsumura) -Music Video- 」「にたものどうし (Yugo Kochi) -Music Video-」「虹、僕 (Jesse) -Music Video-を」収録。そして【初回盤B】には、表題曲に加え、「Medley from『YOUNG OLD』at 東京ドーム(SPICY 〜 THE BALLERS 〜 GONG)と、DVDに「Documentary of SixTONES Solo Project 2025ver.」、ソロ曲「Night rider (Taiga Kyomoto) -Music Video-」「Life is... (Shintaro Morimoto) -Music Video-」「No Cap (Juri Tanaka) - Music Video」が収録されている。

　今年、デビュー5周年を迎えたSixTONES。グループ名から「6周年を盛大に祝いたい」というが、来年のアニバーサリーに向けて、SixTONESの蒔いてきたタネが続々と花を咲かせている。音楽面では、年始にグループ初の5大ドームツアー『YOUNG OLD』を成功させ、『CANNONBALL 2025』『SUMMER SONIC 2025』など夏フェス出演で高い評価を得た。グループとしては初の冠番組『Golden SixTONES』（日本テレビ系）の視聴率も絶好調で、Prime Videoのコント番組『ワロタ!』で爆笑を巻き起こしている。そして、ラジオ番組『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』も6年目に突入した。

　また、メンバー各人も活躍。ジェシーは多数のバラエティに出演しながら、春には主演映画『お嬢と番犬くん』が公開され、ブロードウェイミュージカル『ビートルジュース』再演でも主役を務めた。京本大我はクリエイティブ・プロジェクト「ART-PUT」としてアルバム『PROT.30』をリリースし、ライブツアーを行ったほか、秋にはミュージカル『Once』で主演を務める。松村北斗は俳優としてのキャリアを重ね、ドラマ『アンサンブル』（日本テレビ系）、映画『ファーストキス 1ST KISS』に出演。10月には主演映画『秒速5センチメートル』の公開を控える。��地優吾も、バラエティのレギュラーに加え、ドラマ『ムサシノ輪舞曲』（テレビ朝日系）に出演。現在は舞台『ある日、ある時、ない男。』で主演を務めている。森本慎太郎は『ザ!鉄腕!DASH!!』（日本テレビ系）のムードメーカーとしてさまざまな挑戦を行いながら、ドラマ『アイシー〜瞬間記憶捜査・柊班〜』（フジテレビ系）に出演。10月の新ドラマ『良いこと悪いこと』（日本テレビ系）への出演も決まっている。そして田中樹は、ドラマ『I, KILL』（WOWOW）で主演を務めたほか、ジェシーとともに『オオカミ少年』（TBS系）レギュラーとして活躍。さらにはSKY-HI主催のイベント『D.U.N.K. Showcase』にサプライズゲストとして出演し、ラッパーとしてそうそうたるメンツの中で＜羨ましいだろアイドル 変わらず掲げるJ＞というリリックをぶちかました。

　ニューシングル「Stargaze」を経て、アニバーサリーイヤーとなる6周年に向けて、その花にどのような実がなるのか楽しみだ。

文・坂本ゆかり

＜リリース情報＞
SixTONES「Stargaze」
リリース日：2025年9月10日

【通常盤】ＣＤ
品番：SECJ-130／価格1320円（税込）

【初回盤A】CD＋DVD
品番：SECJ-126〜SECJ-127／価格：2200円（税込）

【初回盤B】CD＋DVD
品番：SECJ-128〜SECJ-129／価格：2200円（税込）

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