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【ヒプマイ】木村昴・浅沼晋太郎が語る“異例づくし”の新作EPへの想いとは
【木村昴/山田一郎】【浅沼晋太郎/碧棺左馬刻】特別インタビュー
木村昴「ラップにこだわり続けてきたヒプマイだからこそ」の挑戦
【木村】 僕自身はびっくりしましたけど、面白い展開だなと思いましたね。しかも今回もものすごく豪華な制作陣、それもラッパーに限らない方々が楽曲提供してくださって、この5年間、ラップにこだわり続けてきたヒプマイだからこそ「ラップミュージックも音楽の1ジャンル」ということを再認識できる本作が実現したんじゃないかという印象を受けました。
──ヒプマイの可能性を広げる音楽作品になったという手応えが?
【木村】 そうですね。今回のEPを聴いて感じたのは、もはやヒプマイはラップという枠に収まりきらないコンテンツになったのかもしれない。もっと言えば「ヒプマイのラップ」が今後さらに深みを増す、その新たな起点となる作品になればいいなと思いました。
──それを踏まえた上で、一郎のソロ曲『HIPHOPPIA』がゴリゴリのラップであることについては?
【木村】 めちゃくちゃうれしかったですね。一郎がフェスを提案したのは、ヒプノシスマイクが効力を失ったから。ようはラップという表現が力を持たなくなってしまったんです。それでもなお一郎は「ラップという音楽には何かが宿ってる」ことを信じていると僕は思っていて。過去のソロ曲でも一郎は一貫して"ラップへの希望"を歌ってきましたが、『HIPHOPPIA』という曲には(ストーリーの)世界が混乱している状況だからこそ「一郎がラップをする根本的な意味」がマックスで込められたんじゃないかと思っています。
孤独だった当初と突き進むだけの今。一郎の変化すべてが描かれるソロ新曲
【木村】 はい。これまでのソロ曲と同様に今回も好良瓶太郎さんがリリックを書いてくれたわけですが(笑)、一郎はこれまでもずっと音の前では誰もが平等で争いのない世界を目指してラップをしてきました。そんなヒップホップカルチャーの理想郷に向かって、最初は1人で大海原に漕ぎ出した。その船に兄弟も乗ってきてくれて、やがて同志も増えて。同志というのは登場人物だけじゃない、観客もそうだと僕は解釈しているんですけど。
──ディビジョンを超えた仲間、そしてヒプマイを楽しむリスナーも一緒に『HIPHOPPIA』を目指す。その旅団を力強く牽引するのが一郎という存在なんですね。
【木村】 ちょっとノアっぽいイメージですよね。最初は孤独だったし、恐怖もあった。だけど仲間が加わった今は突き進むだけだという、ヒプマイを通した一郎のメンタルの変化もすべて『HIPHOPPIA』のリリックには描かれています。
──日本語ラップのレジェンド・MUROさんが作曲されたトラックはいかがでしたか?
【木村】 実は今回は僭越ながら、MUROさんサイドに明確なイメージをオファーさせていただいたんです。エミネム主演の映画『8mile』主題歌の『Lose Yourself』の息吹を感じられるトラックを作っていただけないかと。
──イントロの印象的なギターラインは『Lose Yourself』インスパイアだったんですね。
【木村】 さらに言うとサビに何度も出てくる「一度の人生決めろONE SHOT」というリリックは、『Lose Yourself』の最初のセリフパートから好良さんに発想してもらったもの。エミネムは僕にとってのヒップホップのルーツなんですが、ヒプマイのストーリーが混乱を極めている局面だからこそ一郎はもちろん僕自身のドリームもひとつ載せたくて、『HIPHOPPIA』の制作にはかなりこだわりを詰め込ませていただきました。
「一郎がラップの力を信じ続けていられるのも左馬刻という敵がいるから」
【木村】 多少わだかまりは解けたとは言え、一郎にとってはぶっ倒したいやつであることに変わりはないですよね。だけど一郎がラップの力を信じ続けていられるのも、弟たちのために頑張れるのも左馬刻という敵がいるから。実生活でも実感していますが、反骨精神を掻き立てられる存在が近くにいるってすごく貴重でステキなことだと思います。
──では、左馬刻を演じる声優・浅沼晋太郎さんについてはいかがですか?
【木村】 しんたさんとはプライベートでも仲良くさせていただいていますが、実は一時期少し険悪な仲だったんですよ。もともと仲がよかったのがひょんなことからあまり会話をしなくなって。それがお互い誤解をしていたことを知り、今また仲良くさせてもらってるという。そこも含めて一郎と左馬刻の関係に近いものがあるんですよね。
──最後に7年目に突入するヒプマイ、これから楽しみにしていることをお願いします。
【木村】 この先、ストーリーがどう展開していくのかは僕らもまだ把握していないんですが、希望としてはやっぱり争いのない世界に到達したいですよね。もちろんリスナーのみなさんがラップバトルを楽しんでるのはわかりますし、平和な世界ではある種の緊張感も削がれるかもしれない。それでも一郎はラップを続けるだろうし、そのときにはリリックの表現もまた変わってくるんじゃないかと思うんです。一郎はもちろん演者すべてが全力でラップに取り組んできたプロジェクトだからこそ、ピースフルな世界でラップをするみんなを見てみたいという気持ちはずっとどこかにありますね。
(撮影/草刈雅之 取材・文/児玉澄子)
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