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「妻への愛を叫びたい」解離性同一性障害の愛妻家、支える家族への思いと心の病との向き合い方

  • 息子を抱く星野さん(写真:本人提供)

    息子を抱く星野さん(写真:本人提供)

 3月14日、ホワイトデー。妻や彼女、パートナーに”バレンタインのお返し”をする人も多いだろう。だが、普段から愛や感謝を伝えられている人は、どれほどいるだろうか。『愛妻家の星野〜闘病中〜』(@panda5959)という名前でTwitterに投稿している星野さんは、現在、入院中。長年、いくつもの人格が現れる解離性同一性障害を抱えてきたが、そんな大変な状況でも妻や子どもたちへの愛を口にし、発信している。その裏には、妻らによる支えへの大きな感謝がある。闘病中の心境、そして家族への思いを星野さんに聞いた。

幼少期のトラウマから発症、「別の自分を作るのは当たり前だと思っていた」

 現在、35歳。大学を卒業後、フリーライターや放送作家として活動してきた星野さんは、近年『JAPAN POOL LEAGUE』というビリヤードのプロリーグ実現に向けて尽力していた。今年1月にはいよいよ開幕…そんな準備に追われていた昨年10月、彼は様々な症状が出て倒れ、入退院を繰り返すことになった。

 しかし、それよりも前から星野さんが悩まされていたのが、解離性同一性障害の症状だ。解離性同一性障害とは、一人の人間の中にまったく別の人格が現れる神経症のこと。かつては多重人格障害と呼ばれ、子ども時代などに受けた激しい苦痛や体験による心的外傷によって引き起こされるものだという。現在、星野さんは入院中。臓器の治療とともに、精神的な治療を並行して受けているそうだ。

――解離性同一性障害になったきっかけを教えてください。

 「幼少期のトラウマが元で、自分の心の他にもう一つ、傷を請け負ってくれる心が生成されたようです。それからもいろいろなストレスを抱える度に、自分ではない別の自分を作り上げてストレスを緩和する生活をしてきました。でも、自分ではそれが当たり前だと思ってきたんです」

――障害だと気づき、診断されたのは?

 「僕が20歳、妻が19歳の時につき合い始めたのですが、彼女が僕のことを『普通じゃない』と気づいたそうです。もともと右利きなので右手でお箸を持って食べるんですけど、ある時は左手を使いだしたり、声のトーンが変わったり。でも、日常生活に大きな影響はなかったので、僕も問題にしていませんでしたし、彼女も楽しみながら付き合ってくれました。ところが25歳の時、ストレスに耐えきれなくなって倒れてしまって。そこで初めて、精神科医で『解離性同一性障害』だと診断されました」

オカルティックに描かれがちな解離性同一性障害、意外に「生活に支障はない」

――解離性同一性障害というと大変な病気で、生活にも支障がありそうなイメージですが。

 「それが、とくになかったんです。僕のことを『変だぞ』と思いながら仲良くしてくれた友だちもたくさんいましたし、周りの理解のおかげだと思います。この障害は病名だけが独り歩きして実情はあまり知られてないんですが、意外と患者はたくさんいます。昔は多重人格障害と言われていて、『24人のビリー・ミニガン』『ジキルとハイド』など、映画や小説でも取り上げられてきました。オカルティックに描かれることも多いのですが、僕としては、そんな大袈裟な病気じゃないんだよと伝えたいんです」

――なるほど。記憶障害もあるということですが。

 「精神的なものや薬の影響で、記憶が飛ぶことがあります。朝ごはんを食べてトイレに行って戻ってくると、『朝ごはん、食べたっけ?』と聞いちゃったり。また、今いる場所がわからなくなったり、人の名前が出てこなかったりもします。臓器の疾患が治っても、この記憶障害との戦いは長く続くと思いますね。そんな自分でも、今日歩んだ足跡を残すために、Twitterの他にYouTube(『記憶障害のパパと、家族の物語。時々、猫。』)も始めました。動画をアップすることで『この日はこんなことがあったんだ』と記録することができますから。また、解離性同一性障害のせいか、僕には”共感覚”というものがあって。すべての”物”に音を感じることができて、それは今も楽しいです」

支えてくれる「完璧な妻」、4歳の娘は「プリキュアになってパパの悪いところをやっつける」

星野さんの息子と娘(写真:本人提供)

星野さんの息子と娘(写真:本人提供)

――星野さんの症状に気づいたという、奥様について教えてください。

 「妻とは、人生の半分くらい一緒にいます。本当にどこに出しても恥ずかしくない妻で、僕の病気とも真正面から向き合ってくれて…。子どもたちへの愛情にもあふれた、完璧な妻だと胸を張って言いたいです!」

――Twitterでも「愛妻家の星野」として発信していて、座右の銘は「女房に片思い」。とても微笑ましいです。

 「お恥ずかしいのですが、妻のことを書きたくなっちゃうんです(笑)。自分の承認欲求よりも、妻のことを大声で叫びたいくらい。今でも毎日電話で話すと気分が高まりますし、『愛している』『好き』といった紋切り型の言葉では表現できないくらいの気持ちですね。今の妻じゃないと、精神的な病気も、肉体的な病気も支えてはもらえなかったと思います。彼女自身のモットーが『ケセラセラ=なるようになる』なのですが、今できることを少しずつやっていこうって。僕が鬱っぽい時も、『何も考えなくていいから、大丈夫よ』と言ってくれます。先ほどお話した記憶障害も、妻が完璧にエスコートしてくれるんですよ」

――本当に素敵な奥様なんですね。お子さんは?

 「4歳の娘と生後半年の息子がいます。娘はいろいろなことを理解するようになって、『ママと弟のことは私が面倒みるから大丈夫』と言ってくれます。彼女の成長を感じられることも、妻の育児の賜物。素直な子に育ってくれてうれしいです。先日も幼稚園で将来の夢を聞かれ、『パパの悪いところをやっつけられるから、プリキュアになりたい』と言ってくれたと、妻から聞いて…。こんな泣ける話はなかなかないです。退院したら、子どもが望むことをやってあげたい。パパがいてうれしいと思ってくれるように、そういう存在でありたいと思っています」

――そんなご家族がいるから、頑張れるんですね。

 「それしかないですね。しんどいと思ったときは、家族を思い浮かべると大概乗り越えられます。それに、1万人のフォロワーさんのエールもとてもありがたいです」

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