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【インタビュー】榮倉奈々「積み重ねた時間のなかで、その夫婦のオリジナルの関係性が出来る」

2018-06-01 eltha

【インタビュー】榮倉奈々「積み重ねた時間のなかで、その夫婦のオリジナルの関係性が出来る」
家に帰ると毎日妻が“死んだふり”をして出迎える―。2010年「Yahoo!知恵袋」に掲載され話題を呼んだ投稿がついに映像化。映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』で主演を務めるのは、健康的なボディと爽やかな笑顔が同性からも支持される女優・榮倉奈々さん。映画『娚の一生』やドラマ『Nのために』『99.9 -刑事専門弁護士-』『東京タラレバ娘』など、毎年、話題作に出演する彼女に、同作を通して感じた夫婦のあり方、30歳を迎えての心境の変化をうかがいました。

脚本から感じたことを誠実に演じることで、言葉にできない深い愛を表現

――今作は、ネット投稿をコミックエッセイ化した作品が原作ですが、お話を知ったときにどのように思われましたか?

【榮倉奈々】 とても現代的な企画の生まれ方だなと思いました。タイトルだけ聞くと“コメディー映画?”と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、原作にオリジナルの要素をプラスし、夫婦の関係性や“人生とは”といったことも考えさせられる作品になっています。もちろん、最初は“死んだふり”という強烈なワードに少しだけ心配しました(笑)。
(C)2018「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」製作委員会

(C)2018「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」製作委員会

――巨大なワニに食べられていたり、頭に弓矢が突き抜けていたり…榮倉さん演じるちえのバラエティ豊かな“死んだふり”も見応えがありましたが、ちえがふとした時に見せる、芯の強さを秘めた表情が印象的でした。どんなことに気をつけて演じられましたか?

【榮倉奈々】 毎日“死んだふり”をして夫・じゅんさん(安田顕)を出迎えるのはなぜなのか、ちえさんの行動に隠されたじゅんさんへの深い愛が脚本からとても伝わったので、自分が感じたことを誠実に演じれば、きっとそれが観ている方にも伝わるのではないかな、と思いました。
(C)2018「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」製作委員会

(C)2018「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」製作委員会

――監督から何か具体的な演出はあったのでしょうか?

【榮倉奈々】 “言葉にすることは難しい”ということをこの映画でもメッセージのひとつとして描いていますが、本当にその通りで、撮影に関しても監督と演じ方について話し合いながら進めるというよりは、自分が脚本を読んで何を受け取ったかを大事にしながら演じさせて頂きました。もちろん違ったら違うとハッキリ言ってくださる監督なので、信頼してお芝居することができました。何より脚本がとても素敵だったので、監督はじめスタッフさんやキャストのみなさんが同じ方向を向いて完成させていくことができたと思います。

積み重ねた時間のなかで、その夫婦のオリジナルの関係性が出来る

――物語では、ちえたち夫婦のほかに夫・じゅんの同僚や上司の夫婦のあり方も描かれていました。今作に出演されたことで理想の夫婦像に変化は?

【榮倉奈々】 “理想の夫婦”という枠を作ること自体が難しいのかなと感じました。いくら理想を描いても、なかなかその通りにはいかないと思いますし、二人で少しずつ時間を積み重ねていくなかで、その夫婦のオリジナルの関係性が出来ていくのだと思います。“こんな夫婦”という枠があったとしても、二人で築いた関係のなかでその枠から外れていくことも、それはそれで幸せなことだと実感しました。
(C)2018「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」製作委員会

(C)2018「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」製作委員会

――作中でちえが夫に“相手のことは少しずつ知っていけばいい”というシーンがあったように、まさに時間を重ねるなかで、自然と夫婦の関係は育っていくということですね。

【榮倉奈々】 言葉で伝えられることは自分の本質のほんの一部だったりしますし、“自分はこういう人です”と思っていても相手からはそう見えていないこともあると思います。夫婦に限らず、良い関係を築きたい相手に自分の趣味や好物、考えていることなどを話すことは楽しいですし、お互いの距離が近くなることもありますが、一方で、私もちえさんのようにあえて言葉にする必要はないのかなと思っています。

今は環境の変化もあって、この先を明確には決められない

――30歳を迎えられても変わらぬスタイルで、スポーツブランドのアンバサダーも務められていますが、美を保つために心掛けていることは?

【榮倉奈々】 スーパーフードやコールドプレスジュースなどが好きで取り入れたりもしていますが、今の世の中そういった体に良いとされるものが増えているので、気付くと足し算の考え方になってしまいがちです。なので、もう少し引き算の考え方にシフトしていったほうがいいのかなと最近思い始めました。“これを食べたほうがいい”とか“このサプリがいい”とか凝り始めるとどうしても思考がそっちに行き過ぎてしまうので、足りないものを補うのではなく、本当に必要なものだけを取り入れるようにしています。もともと、マメな性格ではないので、できるだけ美容法もシンプルにしたいというのもあります(笑)。

――20代を振り返ってみてどんなことを感じていますか?

【榮倉奈々】 20代は自分のために生きていたかもしれません(笑)。「人にこう見られたい」「キレイになりたい」「こんなお仕事したい」って。最近では、お仕事でもプライベートでも、ありがたいことに、以前よりあらゆる面で選択肢が増えたのかな、と感じているのですが、選択肢が多くなった分、しっかり見極めていきたいと思うようにもなりました。

――年齢を重ねることで、お仕事の幅や役柄もかわっていくと思います。この先、榮倉さんがどのような30代を送られるのか非常に興味深いのですが、女優として今後のビジョンを教えてください。

【榮倉奈々】 私自身も興味深いです(笑)。というのも、今は環境の変化もあって、まだ“この先はこう”と明確には決められないかなと思います。自分がやりたいと思ってもお話を頂かないとできないお仕事ですし、タイミングやその都度環境も変わっていくので…。あえて言うと、その分、より研ぎすまして今後のお仕事について考えていきたいなと思います。

取材・文/奥村百恵 撮影/RYUGO SAITO
スタイリスト/影山蓉子(eight peace) 
ヘア/KENICHI for SENSE OF HUMOUR(eight peace)
メイク/Sada Ito for NARS cosmetics(DONNA)

【インタビュー】榮倉奈々Photo Gallery

  • 撮影/RYUGO SAITO
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  • (C)2018「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」製作委員会
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INFORMATION

『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』
(6月8日全国公開)

監督:李闘士男
出演:榮倉奈々、安田顕、大谷亮平、野々すみ花
公式サイト:tsumafuri.jp 

PROFILE
榮倉奈々(えいくら なな) 女優。1988年2月12日生まれ、鹿児島県出身。A型。2002年、ファッション誌『Seventeen』(集英社)の専属モデルとしてデビュー。主な出演作品は、ドラマ『Nのために』『99.9 -刑事専門弁護士-』『東京タラレバ娘』、映画『余命1ヶ月の花嫁』『図書館戦争』シリーズ『娚の一生』など。

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