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デビュー20周年を迎えたゴスペラーズ、続けてこれた秘訣とは

デビュー20周年を迎えた今、新たな使命とは

――若い世代のボーカルグループにとって、ゴスペラーズは目標になっているわけですが。ゴスペラーズにとって、目標としてきた存在はいましたか?
安岡 僕らがデビューしたとき、THE ALFEEさんがちょうど20周年だったんです。今の僕らが、当時のTHE ALFEEさんたちのような状態になれているのかといったらわからないけど……。言えることは、THE ALFEEさんたちは、どんなに悪い状況であっても、常にそれを笑い飛ばして来ているんです。さらにそれぞれのやりたいことをしながら、そこで得たものを持ち寄ってTHE ALFEEとしても活動している。そういう関係性は、ずっとお手本です。そして、Stardust Revueさんはステージ至上主義という、考え方を教えていただきました。そういう先輩の背中が今でも目の前にあるのは、本当にありがたいことだと思います。30年後はこうなるんだ、40年やるとこうなるんだというものを、ずっと間近で見せてくれているわけですから。そういう意味では僕ら自身も、後輩に間近で背中を見せられるポジションであり続けなきゃいけないですよね。ボーカルグループでメンバーチェンジせずに20年以上やっていたら、こうなれるんだというひとつの例として、ポップスシーンの真ん中に居続けなきゃいけない。それが僕らにとって、これからの新たな使命だと思っています。
村上 ポップスシーンのど真ん中に居続ける上では、いくつかのヒット曲が生まれたことは、すごく大きいと思っています。それは、ポップスシーンの真ん中に居続けるための鍵のようなものです。先日miwaちゃんとのイベントライブや『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015』でも、みんな僕たちの曲を歌ってくれました。そういう鍵を持っているのは、大きいと思います。

――20年メンバーチェンジせずに続けてこられた秘訣は?
村上 秘訣なんてなくて。かっこよく言うと、そこにお客さんがいたからかな。
安岡 あと、どんなにメンバーの陰口を言っても、本人がいないところでなら許されることとか(笑)。そういうことでも笑って許し合える関係なんです。笑って許し合えるということは、他人を受け入れることの力にもつながるわけで。僕らは、5人でいることで、笑って許し合えるエネルギーを生んでいるんだと思います。

最高傑作を目指して粛々と作る、その結果が30周年、40周年になる

――今後の新たな目標は?
村上 僕らはまだ、シングルで週間ランキングの1位を獲ったことがないので。

――シングルでの週間最高位は、3位でした。アルバムは2001年の『Love Notes』が、2週連続1位でした。
安岡 そういう競争からも、自分たちからは降りないというのが大事ですよ。そういう背中も見せていかないとっていう。
村上 1曲1曲、最高傑作を目指して粛々と作る。その結果として、30周年、40周年というものが、ついてくるんだろうな思っています。

――そんな新たな夢も乗せたニューシングル「Dream Girl」ということで。甘いラブバラードで、ファンがゴスペラーズで聴きたいのは、きっとコレだろうなと思う、ど真ん中の曲になりましたね。
安岡 ここまで直球なものをシングルとしてリリースするのは久しぶりだし、自分たちとしても王道に立ち返って21年目に入りたいなと。
村上 ジャケットもポイントで。20年の中で、花を持って写っているのは初めてで、僕たち的にはけっこうなトピックスなんです(笑)。でも決してキザでやっているわけじゃなくて、真摯にソウルを追求する者は、これくらいやらないといけないっていうソウルのマナーみたいなもの。マーチン(鈴木雅之)さんなんか、毎回花を持っているイメージがあると思うけど、実際はそんなジャケット1枚もないんです。そういうイメージで歌を届け続けて来たということ。だから、僕らも40歳を超えて21年目を迎えた今、改めてそういうスタンスで届けていきたいと思っています。てらいのなさも今回のテーマのひとつ。女性がこういうことを言ってほしい、こういう言葉をハモってほしいというものを歌詞にしています。男性ソロでも、こういうムードで歌っている人は、今はなかなかいないんじゃないかな。

――10月21日には、安岡さんの1stソロアルバム『バラードが聴こえる』もリリースされますね。
安岡 3年前からソロライブのときにやっていただいているミュージシャンの方々に演奏してもらっているので、僕個人名義ですがバンドのアルバムのような感覚です。バンドのボーカルには、ボーカルグループにはない気持ちよさがあるので、それを表現できたらなと。ゴスペラーズで伝えるものとは違う、音楽の楽しさが伝えられたらと思います。同じ作詞家の歌詞でも、5人で語る物語とは違ったものになっていますね。このアルバムを引っ提げて10月には東名阪のツアーを周り、たくさんのものをゴスペラーズに持ち帰りたいと思っています。

(文:榑林史博)
ゴスペラーズ オフィシャルサイト(外部サイト)

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