「横浜銀蝿40th」始動、アルバム『ぶっちぎりアゲイン』発売 翔&Johnny「100%全開で毎日を真剣に楽しんでる」

 2020年、ついに「横浜銀蝿40th」がスタート。待望のニューアルバム『ぶっちぎりアゲイン』が2月19日に発売される。インタビュー当日、ちょうど届けられた完成したアルバムを手に相好を崩して喜ぶ還暦を過ぎた二人。だが、そこには高校生の頃、結成した当時と変わらない初々しさ、輝きすらも感じられた。結成40周年を迎え、オリジナルメンバーである嵐、翔、TAKUに、ついにJohnnyが合流したオリジナルメンバー4人による「横浜銀蝿40th」。まさに全開バリバリの二人に今の想いを聞いた。

こんな純粋な気持ちで音楽ができるって、神様からのご褒美

――結成40周年にオリジナルメンバーの4人で音を鳴らせるのは格別では?
格別なんてもんじゃないです。こういう時間は、もうこないと思ってましたから。Johnnyは30歳からレコード会社で働き始めて、オレと嵐さん、TAKUで活動再開した時も、手伝ってはくれたけど、参加するまでには至らなくて。それが2018年、オレが還暦を迎えた年に、銀蝿のプロデューサーだった水橋春夫さんが亡くなって、そのお別れの会で久しぶりにJohnnyと会ったんです。そこで水橋さんの話をして、飾ってあった水橋さんの写真とギターを見たら、オレの中で一気に時間が巻き戻されて。それで、そんな場ではないことは百も承知だったけど、「2020年って銀蝿40周年じゃん。どう?」ってJohnnyに話をして。
Johnnyただ20年もギターを弾いてなかったから、その時点でも、やりたい/やりたくないじゃなくて、「できるわけがない」と思っていて。でも改めて考えたら、水橋さんが「最後のチャンスだよ」って言ってくれている気がしたんですね。それで改めて翔君と会った時に、真剣に練習してみるから3カ月くれと頼んで、2019年3月1日、36年ぶりに4人で演奏したんです。曲は、翔君と一緒に作ったデビュー曲で、解散ライブのラストでやった「横須賀Baby」。そして音を出した瞬間に、本当にしびれたんです。
オレもTAKUも嵐さんも、「空気が変わった」って声を揃えたくらいで。
Johnnyもちろん、今も音楽の仕事ができて幸せなんだけど、売れるかどうかなんて考えずに「これカッコいいよね」って音楽を作っていた十代の気持ちに戻れて。60歳を過ぎて、いわば人生の終盤という年齢で、こんな純粋な気持ちで音楽ができるって、神様からのご褒美だと思ったんですね。
きっとこのタイミングも、水橋さんがきっかけをくれた気がするんですよ。

Johnnyがギターを入れてくれた瞬間、「これが欲しかったんだよ」と思った

――アルバムからも、懐古心より「今が一番楽しい」という気持ちが伝わってきました。
それは嬉しいですね。音楽的にも、オレとTAKUはずっと曲を作り続けていたけど、Johnnyが戻ってきてくれたことで、歌いたいこと、鳴らしたいサウンドが一気に変わって、アルバムの曲は基本的にすべて書き下ろしたんです。ただJohnnyが以前に書いた「男の勲章」の続編、「大人の勲章」、これ絶対にオレたちが歌うべきだから入れようと。あとは今のオレたちがやりたい曲。ファンの顔色を伺う気なんて毛頭ない(笑)。ただ最後の「Again」は、また4人が集まれましたっていう意味じゃなくて、オレたちとお前たち(ファン)とのアゲインなんだよっていうことを歌いたくて書いた曲なんです。
――「Again」をはじめ、どの曲も50代、60代には心に沁みる内容になっていますね。
Johnnyただ、同世代へのメッセージというよりは、自分が感じたことを歌っているだけで。今まで生きてきたこととか、ツッパる、負けないってどういうことなんだ、っていう。だから自分が歌う曲は、素直に「待たせてごめん」なんですよ。
女性ファン向けの曲だよね(笑)。だけどこのギターアレンジが、これまた冴えてるんですよ。隅々まで計算されたJohnnyならではのアレンジ。そういう意味では、「Again」にJohnnyがギターを入れてくれた瞬間、「これが欲しかったんだよ」って本当に思って。オレが書いた歌詞を読んで、オレの歌を聴いて弾いてくれたフレーズだから、間違いないよね。
Johnnyだけど、例えばスタジオ・ミュージシャンのオケに僕のギターを乗せたら、たぶん陳腐に聴こえるんですよ。でも、このバンドの音に乗せるから“味”になる。改めて、バンドっていいなと思いました。
そうだね。オレも他のミュージシャンの演奏で歌ったら、すげぇ苦労すると思う。ちゃんとした音程で歌わなきゃ、とか(笑)。でも、そこで荒く歌えるのも、やっぱり我が家だからこそ。それが銀蝿らしさにもなってるんでしょうね。

オレの左側にリードギターとして立ってくれているだけで高校生時代に戻れる

――そこには、4人が歩んだこれまでの人生や年齢的なものをしっかりと受け入れたからこそ生まれたサウンドもあるのでは?
ああ、それもあるでしょうね。2004年に嵐さんが脳梗塞で倒れて、ドラムが叩けなくなったんだけど、リハビリをして25周年ライブでステージに立った時、すごく感動したんです。今回の全国ツアーも「叩く」って言っていて、もちろん昔のようには叩けないけど、それも銀蝿の“くじけない心”だし、オレもいろいろと大変な時期もあったけど、もう一回頑張りたい、立ち上がりたいという気持ちを、嵐さんやTAKUが受け入れてくれて、そしてまたJohnnyと会えたことにすごく感謝してます。TAKUもそうだし、Johnnyだって、レコード会社で裏方として一生懸命に仕事をしてきて、そうやってそれぞれが真剣に生きてきたからこそ、こういう幸せな時間を過ごせているんでしょうね。
――いよいよ3月7日からは横浜市教育会館を皮切りに、全国6ヶ所を廻るZeppツアーもスタートします。
Johnnyその幸せな時間も、毎日がカウントダウンで1日1日減っていくわけだから、今はツアー初日に「あれをやっておけば」と後悔しないように、100%全開で毎日を真剣に楽しんでます。ライブで緊張するなんてもったいないから、その日、その瞬間を完全燃焼させてステージでハジけるために、プレイも、ステージングも、体形も、しっかりと仕上げていきますよ。
でもさ、Johnnyはステージで、ちょっとハジけすぎ(笑)。「ここはギターで客を煽って」って頼んでたのに、パッと見たら踊ってんだから(笑)。それでも、オレの左側にリードギターとして立ってくれているだけで高校生時代に戻れるんですよ。だからオレも、せっかくの再結成でファンにガッカリされないよう、しっかりと歌いますよ。たださ、「1980 HERO」のキー、あれ高すぎない?
Johnnyいや、あのキーじゃないと、ギターのリフが活きてこないんだって。
そう言われたら、「分かったよ」って言うしかないじゃん(笑)。でもさ、こうしたやり取りもまた、楽しいんだよね(笑)。

提供元: コンフィデンス

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