伝説のバンド、四人囃子の唯一の公式映像を初DVD化

  • 『一触即発〜デラックス・エディション』 CD:2019年10月23日発売 アナログレコード:11月20日発売

    『一触即発〜デラックス・エディション』 CD:2019年10月23日発売 アナログレコード:11月20日発売

 1970年代初め、日本のロックの黎明期にデビューしたバンド・四人囃子。デビューアルバムにして、その後の音楽シーンに様々な影響を与え、名盤として語り継がれる『一触即発』(74年発売)の発売から45周年を記念して、この秋より再発企画が続々とリリースされている。

 はっぴいえんど『風街ろまん』(71)、サディスティック・ミカ・バンド『黒船』(74)と並んで、海外でも評価の高い作品の1つに数えられる同作が発表された74年とはどんな年だったのか。当時のオリコンランキングを見ると、井上陽水の『氷の世界』がアルバムランキングを席捲し、シングルではフィンガー5「恋のダイヤル6700」や殿様キングス「なみだの操」、小林明子「あなた」、中条きよし「うそ」などが上位を賑わしていた。
 そんな歌謡曲が全盛の時代に、この作品が発表されたことがいかに画期的であったかは、一聴すれば気づくはずだ。豊潤にして美麗な音色、独創的な姿勢、個性的なサウンド、そして何よりもバンドが醸し出すスケール感に圧倒されてしまう。この作品が、当時20歳前後のメンバーによって生まれたという事実に驚きを禁じ得ない。名作は色褪せない、そんな思いを新たにさせてくれる。
 プロジェクト第1弾企画として10月23日にリリースされたのは、『一触即発〜デラックス・エディション』(CD3枚組)。Disc1には、発掘された『一触即発』のオリジナルアナログマスターテープからマスタリングした音源と表題曲「一触即発」のモノラルバージョンを初収録。Disc2には、73年7月に東京・杉並公会堂で行われた初のワンマンコンサート「ミラージュ・オブ・四人囃子」の完全版、Disc3には再始動のきっかけとなった「ワンステップへの旅 in うつくしま未来博」(01年)からのライブ音源が収録されている。
 第2弾企画は、『一触即発』のアナログレコードの復刻。11月20日リリースの同作は、オリジナル・アナログ・テープからマスター制作を行い、日本を代表するマスタリング&カッティングエンジニア・小鐵徹氏によりカッティングが施された重量盤仕様で、当時のジャケット、帯、解説書も完全再現されている。また、発売と同時に本作のハイレゾ音源も配信されている。
  • DVD『FULL-HOUSE MATINEE(フルハウス・マチネ)』 2019年11月20日発売

    DVD『FULL-HOUSE MATINEE(フルハウス・マチネ)』 2019年11月20日発売

 また、第3弾企画として、長い間復刻が待ち望まれていたライブ映像『FULL-HOUSE MATINEE(フルハウス・マチネ)』(89年にVHS/LDで発売)も初DVD化されて同日にリリースされた。メンバーチェンジを繰り返しながら活動を続けた同バンドは79年に活動休止し、10年後の89年に佐久間正英、岡井大二、坂下秀実の3人で活動を再開する。本映像は、その年の9月22日・23日に行われた再結集ライブ(東京・MZA有明)の模様を収録したもので、四人囃子、唯一の公式映像作品となる。
 ライブにはオリジナル・ギタリストである森園勝敏、佐藤ミツルも参加。89年にリリースされたアルバム『Dance』の収録曲を中心にしながらも、「一触即発」「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」など、70年代の代表作の数々も演奏されており、バンドの歴史も楽しめる内容になっている。加えて、このライブにはサポートメンバーとして、ホッピー神山、棚沢雅樹、大堀薫、西園まり、藤沢由裕といった気鋭のミュージシャンが集まり、四人囃子サウンドの再現に尽力している点も見逃せない。
 今回の一連のリリースに加え、来年もいくつかの企画が予定されているという。この再発プロジェクトをきっかけに、四人囃子の新たな魅力が発見されていくに違いない。

提供元: コンフィデンス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索