田村芽実×吉澤嘉代子「“相思相愛”の2人は似た者同士? 吉澤提供の3rdシングル「舞台」制作の裏側に迫る」

自分に自信はないけど“作ってきたもの”に関しては驚くほど自信がある

――(笑)。楽曲の中の主人公である田村さんの人となりを探っていくなかで、何か共通点は見つかりましたか?
吉澤 私の場合、自分自身の性格や容姿に自信がなかったとしても、自分が仕事の上で作ってきたものに関しては驚くほど自信があったりするんですね。めいめいも、きっとそうなんじゃないかなって思ったりしたんです。作品とか自分がやってきたことには胸を張れるというか、存在意義になっているタイプの人なのかなって思ったりします。
田村 なんでわかるんですか! 私、自分の容姿にずっとコンプレックスがあって。中学生になってスマイレージのメンバーとしてアイドル活動をするようになってから、容姿で比べられることが多くなって。人前に立つのが怖い、顔を見られるのか怖いって思うこともあったんですね。でも、歌うこと、表現することにだけは自信がある。これだけは!と、思えるんです。だから、本当に吉澤さんはなんでわかるんだろうって。なんでわかるんですか?
吉澤 なんか伝わってきたよ。その強さみたいなものが。
――もしかしたら、似ている部分が多い2人なのかもしれないですね。先ほど、田村さんはいろんな材料を引き出しに溜め込んでいるという話をしていましたが、お2人は普段、どんなものからインスパイアを受けていますか。
田村 一番は本ですかね。吉澤さんとの会話のなかでも、川端康成が好きっていうお話しをさせていただいて。ストーリーが好きな小説家さんもいますけど、川端康成の文章がすごく好きで、いつもトキメキを感じています。言葉が美しくて好きですね。
吉澤 言葉という意味では、私は短歌の影響をすごく受けていますね。限られた文字数の中に情景などがギュッと詰め込まれていて、メロメロになっちゃいますね。最初に短歌に触れたのは穂村弘さんなんですけど、そのあと笹井宏之さんとか、雪舟えまさんとか。五・七・五・七・七という限られた字数の中なのに、自分が自分じゃなくなれるというか、言葉を通してどこにでも行けて、何にでもなれるっていうのを立証してもらえているっていうのが本当に夢があるなと思って。勉強になります。

――では、表現に向かうためのパワーの源というか、モチベーションは何ですか?
吉澤 私は日記ですね。まだ3年くらいなんですけど、書くようになって。昔から自分の感情の相関図を書いてきていたんですけど、いっぱい感情が溢れちゃうほうなので、それをなんとか整理して、形を収めようという感じで、日記も書くようになりましたね。
田村 私はやっぱり、仕事をすることかなぁ。お仕事がないと、病んじゃうんです(笑)。でも、こういうお仕事って、実際に仕事をしていない時も、常に何かを考えてしまいがちじゃないですか。それが本当に嫌で。
吉澤 うん。その感じはなんとなくわかる気がする。
田村 数ヶ月先のお仕事のことも先回りして考えておかなきゃと思ってしまうというか、止まっているのが辛くて。でも、目の前にお仕事があるときは、今ある仕事を全力でやれば良いので、結果的にそれで元気になっていますね。
吉澤 なるほどね。たしかに、常に動いているほうが落ち着く感じはあるかも。そして、外に出ないと、どんどん鬱々としてきちゃいますよね。
田村 はい。私も日記を書いているんですけど、気持ちを落ち着かせる作業としても役に立っている気がします。

田村「たまにスイッチが切れかける時がある」 吉澤「表現の段階がまた変わる時なのかもしれないよね」

――生活の中心が本当に仕事になっているんですね。田村さんは今、ハタチですが、吉澤さんがハタチの頃はどんなことを考えてました?
吉澤 事務所に入ったのが19歳で、大学生でしたね。バイトもしていたので、今よりも時間が足りなくて、どうにかして音楽だけで食べていける生活がしたいと願っていました。めいめい、ハタチってなんだか辛くない?
田村 え、どうしてですか?
吉澤 めいめいは、社会に出るタイミングが早かったから違うかもしれないですけど、私は大人の人と本格的に接するようになったのがハタチくらいだったから、すごく心を揺さぶられる大事件というか。大人になるってこんなに大変なのねって、しょっちゅう泣いていたなぁ。
田村 そうだったんですか……。
吉澤 めいめいは、そんなことはないのかな。もう長いし。
田村 でも最近、全くそれと真逆のことを考えることがあって。私、歌を習い始めたのが幼稚園生の頃で、ミュージカルは趣味程度だったんですけど、小学生くらいのときから出はじめていて。そして、中学生の頃から仕事漬けの毎日になったので、この10年間くらいずっと走っている感覚なんです。でも、私と同じ世代の方は、今から走り出すんだなって思うと、たまにスイッチが切れかける時があって。お仕事をすることが生きがいではあるんですけど…それってどうしたらいいのかなって(笑)。アイドルグループ時代も一番突っ走っちゃうタイプで、卒業したあとも夢があって、ずっとずっと走ってきて。何も、前も見えていないのに、「とにかく走ればいけるっしょ!」みたいな人間だったんですけど、ちょいちょい疲れちゃう時があって。「ハタチって若いと思ってるけど、疲れとか出てくるんだよ」って母に言われて(笑)、これかなーって。

――いや、それじゃない(笑)。身体の疲れではないですよね。
田村 本当に、ここ1週間くらいなんですよね。何だろうって思ってます。
吉澤 私の場合は、ずっと曲を書いてきて。最初の初期衝動みたいな、少女時代の葛藤みたいなものをどうにか曲にしないと生きていけないってところを超えた時に、「あれ、私何したかったんだっけ?」みたいな、ちょっと電池が切れかかる感じがありましたね。でも、そうなった時に、改めて自分がやっていることやモノ作りについて冷静に考えられるようになる。自分の欲望っていうものが、自分自身のために還元されるっていうよりは、クリエイティブのためにより良い作品に磨きをかけるためにっていう欲望にシフトチェンジしていって。それって、もっと研ぎ澄まされて洗練されるっていうことなのかなって思って。だから、表現の段階がまた変わる時なのかもしれないよね。
田村 そうかもしれないですね。今まではお仕事が好きっていう気持ちが根っこにありつつ、ただただ頑張ろうと思ってきて。これから自分がどういうふうに仕事をしたいのか、社会に対してどう向き合っていくのかっていうことを考える時期になったのかもしれない。でも、今までにないことだったので、この気持ちはなんだろうって思っています。
吉澤 なるほど。じゃあ、その話はまた今度、2人でしようか。いつでも連絡してね!
田村 ええ〜、本当ですか!? 嬉しい! 一緒に美術館巡りとかしたいです!!

取材・文/永堀アツオ 撮影/草刈雅之

<衣装>
田村芽実
ワンピース // Cherie Moma【問】03(3664)1296

Information

Profile

田村芽実(タムラ メイミ)
1998年10月30日生まれ、群馬県出身。2011年10月、ハロー!プロジェクト、スマイレージ(14年にアンジュルムに改名)としてデビュー。高い歌唱力と表現力で、グループの中核を担うメンバーとして活動。16年5月30日、かねてからの夢であった女優の道を志すため日本武道館公演をもって同グループを卒業。卒業後は、女優、ソロシンガーとして着実な歩みを進めている。近年の出演作に、舞台『京の螢火』、ミュージカル『マリーゴールド』、浪漫活劇『るろうに剣心』など。今年10月よりミュージカル『ラヴズ・レイバーズ・ロスト』にジャケネッタ役で出演、20年6月にはミュージカル『ヘアスプレー』にアンバー役で出演予定。シンガーとしては、9月7日、8日に『田村芽実ワンマンライブ2019 Vol.2“ワタシノアカシ”名阪ツアー』を開催する。

■オフィシャルサイト:http://tamurameimi.com/(外部サイト)
■オフィシャルTwitter:@Tamura_Meimi
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【3rdシングル「舞台」リリース記念イベント】
8月24日(土)お台場・ヴィーナスフォート2F 教会広場 13:00スタート/16:00スタート
8月25日(日)大阪イオンモール鶴見緑地 3Fサンシャインコート 13:00スタート/16:00時スタート
※詳細はこちら ⇒https://www.jvcmusic.co.jp/-/News/A026138/64.html(外部サイト)

<最新ワンマンライブ情報>
【田村芽実ワンマンライブ2019 Vol.2“ワタシノアカシ◆”名阪ツアー】 ※◆はハート
9月7日(土)大阪 ESAKA MUSE 17:00開場/17:30開演
9月8日(日)名古屋Rad Hall 17:00開場/17:30開演

◆チケット一般発売情報
イープラス:https://eplus.jp/(外部サイト)
チケットぴあ:https://t.pia.jp/(外部サイト) [Pコード:153-872(大阪)/155-169(名古屋)]
ローソンチケット:https://l-tike.com/(外部サイト) [Lコード:53146(大阪)/41628(名古屋)]

【田村芽実 ワンマンライブ 2019 Vol.3】
11月24日(日)東京 Veats Shibuya
●1回目 13:30開場/14:15開演 ●2回目 18:15開場/19:00開演
吉澤嘉代子(ヨシザワ カヨコ)
1990年、埼玉県川口市生まれ。鋳物工場育ち。ヤマハ主催『Music Revolution』でのグランプリ、オーディエンス賞のダブル受賞をきっかけに2014年にミニアルバム『変身少女』でメジャーデビュー。バカリズム原作・脚本・主演のドラマ『架空OL日記』(17年4月期)の主題歌として書き下ろした1stシングル「月曜日戦争」、2ndシングル「残ってる」など、シンガー・ソングライターとして活躍する一方、YUKIや私立恵比寿中学、中島愛ら他のアーティストへの楽曲提供も行っている。10月3日〜11月7日にかけて、全国10ヶ所で『お茶会ツアー2019』を開催。11月30日には、『デビュー5周年記念 吉澤嘉代子のザ・ベストテン』を埼玉・川口総合文化センター・リリア メインホールで開催する。

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提供元: コンフィデンス

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