大石昌良、10周年記念ライブで18曲熱唱「日本一が見えてきたんちゃうか」
序盤から多彩な音楽性で“歌の世界”に観客を引き込む
1日のライブは「ピエロ」からスタート。観客に合いの手(That's COOL!)をあおりながら、曲の合間に“メンバー紹介”をはさむ。「オン・スキャット 俺〜!」「オン・ザ・ギター 俺〜!」とツアータイトルの“One Man Show”らしいメンバー紹介で笑いを取り賑やかにスタートしたと思いきや、間髪いれずに「幻想アンダーグラウンド」「うしろのしょうめん」とエモーショナルに聴かせる2曲を熱唱。最前列ではすでに涙する観客も見受けられるほど、一気に観客を歌の世界に引き込んだ。
続くMCで、「今回のライブは国際フォーラムが3秒でソールド・アウトしたそうです!ギター1本でどこまでいけるのか、6年前くらいかから実験的に始めた『弾き語りラボ』。いよいよ日本一が見えてきたんとちゃうか〜!」と勢いづく。続けて「パラレルワールド」と最新曲「ボーダーライン」、2018年のシングル2曲を続けて披露。リズムとアルペジオが複雑に絡み合うテクニカルな楽曲は、弾き語りへの想いが凝縮し、洗練されつつも円熟味も感じる2曲だった。
終盤はセルフカバー曲で最高潮に 「アニソンをやっている僕も認めてほしい」
観客の3層のコーラスとともに「おはよう」で再開。「ユートピア」「キウイ畑の宇宙船」と続くMCでは、弾き語りラボ(研究所)として大石の独特な弾き語りスタイルを解説。アルペジオ、ベース音、ボディタッピングやスラップ奏法など、独自の演奏スタイルを解説しつつ、「ギターは本当に色々な音を出せる楽器なんです」とギター愛を明かす。そしてその想いを怒涛の歌唱で“実演”。「ファイヤー!」演奏後に「弾き語りの限界を超えるぞ!」と「トライアングル」に突入。テクニカルなキラーチューンで大いに会場を沸かせた。
終盤は、自身が手掛けたアニソンヒット曲のセルフカバータイムも。大石のブレイクのきっかけになった『けものフレンズ』主題歌「ようこそジャパリパークへ」、『月刊少女野崎くん』主題歌「君じゃなきゃダメみたい」のオーイシマサヨシ名義曲、OxT名義でヒット中の『SSSS.グリッドマン』主題歌「UNION」を弾き語りバージョンで歌唱し、会場の盛り上がりは最高潮に。
終盤では10年間の活動の想いも吐露する。「この10年は、天才になりたかった10年でした。でも、出会う人たちの才能に打ちのめされ続けて、それでもなんとかやってきました」。大石は、2018年は1月から毎クールアニメの主題歌・ED曲を手掛けてアニソン界で頭角を現している。ヒット曲「ようこそジャパリパークへ」について、「音楽家として、音楽の教科書に自分の曲が載ることが一つの夢だった。学校で僕の曲が吹奏楽部で演奏されたり、その夢に近いところまでやってこれている。昔から応援してくれている方達、どうか、アニソンをやっている僕も認めてほしい」と、ミュージシャンとしての葛藤や想いも告白。
ラストは自身のソロ活動のきっかけになったという、天国の祖父を想い作曲した「ほのかてらす」でフィナーレを迎えた。
「売れないミュージシャンほどみじめなものはない」秘話を明かすも、武道館ライブを見据える
■『大石昌良の弾き語りラボ〜10th Anniversary “One Man” Show〜』セットリスト
1 ピエロ
2 幻想アンダーグラウンド
3 うしろのしょうめん
4 パラレルワールド
5 ボーダーライン
6 眼鏡ダーリン
7 おはよう
8 ユートピア
9 キウイ畑の宇宙船
10 ファイヤー!
11 トライアングル
12 ようこそジャパリパークへ
13 君じゃなきゃダメみたい
14 UNION
15 ほのかてらす
-アンコール-
アンコール1 ミスター
アンコール2 東京ループ
アンコール3ストーリー