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初めての熊野古道歩きにおすすめ 中辺路日帰りコース


「熊野古道って、行きたいけど大変そうだなぁ」と、思っていませんか?
実は、日帰りや1泊2日の温泉旅行に組み込みやすいコースがあります。
ルートは、中辺路の牛馬童子口から箸折峠を越え近露王子までの約1.5キロメートル。時間にして約1時間。子どもからご年配まで楽しめる道のりに、熊野古道らしさが凝縮されています。
行き方は、電車とバスでも車でも大丈夫。和歌山で熊野古道デビューしてみませんか。

熊野古道中辺路歩きの拠点、紀伊田辺

まずは、公共交通機関を利用した行き方を紹介します。
電車・バスのダイヤによりますが、午前中に移動して昼頃に紀伊田辺駅に着いたなら、紀伊田辺駅を12時50分発のバスで出発し、戻りは17時15分着(近露王子を15時59分発)の約4時間半の行程が理想でしょう。おとな1名の運賃は行き(紀伊田辺駅〜牛馬童子口)が1310円、帰り(近露王子〜紀伊田辺駅)が1410円になります。(2020年9月現在)
自家用車やレンタカーを利用する場合については、後ほど紹介します。
熊野古道とは、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)へお参りする道のこと。今回紹介するのは、和歌山県田辺市から熊野本宮大社へと向かう道「中辺路(なかへち)」になります。
田辺は古くから中辺路の入口として栄え、紀伊半島をぐるりと回る大辺路との分岐点でもあります。今では外国人観光客たちを迎え入れる姿勢が評価され、熊野古道が世界的な観光地として知られる要因ともなりました。
今回の古道歩きの出発地・牛馬童子(ぎゅうばどうじ)口へ向かうため、JRきのくに線の紀伊田辺駅からバスに乗ります。
紀伊田辺駅は、熊野本宮方面へ向かうバスと南紀白浜温泉や南紀白浜空港を結ぶバスの発着地。南紀白浜温泉の最寄り駅はJR白浜駅ですが、本数が少なく「特急くろしお」に乗らなければ時間がかかるのが難点。そこで、南紀白浜温泉街(白浜バスセンター停留所)へ向かう路線バスをうまく活用すれば、南紀白浜温泉と熊野古道の両方を楽しむプランが組みやすくなります。
時刻表など詳しくは公式サイトか、紀伊田辺駅隣りの田辺市観光センターで確認しましょう。

写真:塚本 隆司

紀伊田辺駅前から発心門王子(ほっしんもんおうじ)行きのバスに揺られて約70分。途中、熊野本宮への聖域へと入る「滝尻」を通ります。中辺路をがっつり歩く人の多くは「滝尻」から歩き始めます。

写真:塚本 隆司

14時頃、目的地の牛馬童子口バス停に到着。「道の駅 熊野古道中辺路」があるので、食事や水分補給、トイレ休憩を済ませて歩き始めるのがいいでしょう。熊野古道への入口は、すぐ目の前です。

写真:塚本 隆司

14時出発:熊野古道、中辺路を歩く 牛馬童子口から箸折峠

写真:塚本 隆司

牛馬童子口バス停脇の古道口から数十歩歩けば、もう別世界。夏場でもさほど暑さは感じません。冬でも雪に埋もれることはめったになく、季節を問わず楽しめます。ただし、雨の日は滑りやすいので、歩きやすい靴や服装で行きましょう。

写真:塚本 隆司

箸折峠で少し脇道にそれると牛馬童子像が見られます。標識が立っているのですぐにわかるはずです。

写真:塚本 隆司

牛馬童子像は、花山法皇(平安時代中期)の熊野詣の旅姿といわれ、牛と馬に乗った珍しい姿をしています。

熊野古道、中辺路を歩く 箸折峠から近露王子へ

牛馬童子像を見たら箸折峠を下ります。少し急な坂道が続きますが、この坂から見える風景が気持ちいいのです。

写真:塚本 隆司

眼下に見えるのは近露の里。近露は熊野本宮へ向かう最後の宿場町で、古の旅人もこの風景を眺めたことでしょう。朝から山中を歩き続け、眼下に民家の灯りと立ちのぼる炊事の煙が見えた時、心も体も軽くなったに違いありません。
山を下り日置川を越えたところに、このコースの終点、近露王子があります。昔は日置川でみそぎをしてからお参りしたそうです。王子とは、熊野の神様の御子神が祀られているところで、参詣者の休憩所でした。近露王子は、九十九王子(99カ所あるのではなく「数が多い」の意味)のなかでも古くからあった王子です。

写真:塚本 隆司

15時到着:今も昔も熊野本宮へ向かう最後の宿場町、近露

写真:塚本 隆司

近露の里に着いて、はじめに迎えてくれるのが箸折茶屋。店先には、無料の足湯があります。古道歩きで小腹がすいたなら、卵かけご飯(300円)がおすすめ。大きな梅干しに和歌山らしさを感じます。

写真:塚本 隆司

バスの時間だけ注意すれば、コーヒーなど飲みながらゆっくりできます。紀伊田辺に戻るバスは15時57分発。次便の17時40分発が最終便です。タクシーもないため、これを逃せば泊まるしかなくなるので注意しましょう。

写真:塚本 隆司

近露には今も数軒の宿があり、滝尻から歩いて熊野本宮へと向かう人の宿泊地になっているのは昔と同じ。日帰り入浴もできる温泉(民宿)もあるので、旅の疲れを癒やせます。

熊野古道歩きに車で行くなら「古道歩きの里ちかつゆ」

写真:塚本 隆司

自家用車やレンタカーで旅行を計画の人は、熊野街道(国道311号)沿いにある「古道歩きの里ちかつゆ」へ向かいましょう。
食事やお土産購入に立ち寄る人が多い人気のドライブインで、100台分の駐車場があります。近露王子から徒歩で10分ほどの場所にありバス停もあるので、ここをゴール地点として歩く人もいます。

写真:古道歩きの里 ちかつゆ

写真は、人気メニューのひとつ和歌山ラーメンとめはり寿司のセット。
「古道歩きの里ちかつゆ」にあった「古道歩き館」は、2020年9月末に惜しまれつつ閉館しました(フードコート・売店・ちかつゆ本舗・熊野路は引き続き営業)。
「古道歩き体験プラン」も無くなってしまったため、車で旅行中に古道歩きを体験したいなら、「古道歩きの里ちかつゆ」に駐車し、バスで近露王子から牛馬童子口まで移動して戻ってくることをオススメします。
<古道歩きの里ちかつゆ>
住所:和歌山県田辺市中辺路町近露1810-1
電話番号:0739-65-0715(代表)
営業時間:9:00〜18:00(12月1日〜2月末迄 10:00〜17:00)
定休日:年中無休(施設メンテナンス日及び冬期は休日設定の予定)
アクセス:南紀白浜温泉・南紀白浜空港から国道311号線利用約1時間

はじめての熊野古道歩きにオススメ、牛馬童子口から近露王子

熊野古道歩きは奥が深く、もとは罪業を払うための苦行というからその過酷さは相当だったことでしょう。現在でも歩くことで得られる充実感や達成感は、体験しなくてはわかりません。ただ、それには時間だけではなく、体力も必要で簡単に行けるわけではありません。
一度は歩いてみたい、少しでも体験してみたい、という人にとって、牛馬童子口から近露王子までのおよそ1時間の熊野古道中辺路歩きコースは、きっと満足してもらえるはず。小さな子どもから年配の方まで楽しめるので、家族旅行や女子旅、一人旅と幅広く体験できるコースです。
おススメの季節は、ヤマザクラが美しい春と紅葉の秋。GWも人気です。日帰りでも1泊2日旅にも組み込める中辺路・牛馬童子口から近露王子コースで、熊野古道デビューをしてみませんか。
2018年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
なかへち観光協会
http://www.nakahechi.jp
和歌山県観光情報 公式サイト わかやま観光情報
https://www.wakayama-kanko.or.jp
田辺市観光センター
http://www.city.tanabe.lg.jp/kanko-center/index.html
古道歩きの里 ちかつゆ
http://www.chikatsuyu.jp

【LINEトラベルjp・ナビゲーター】
塚本 隆司

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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