外資系高級ホテルで働いていた実話をもとにした物語『天国おじい』では、成功を焦るあまりに借金漬けにおちいった青年の人生がその後どう展開していったかを描いています。 そこで人生一発逆転を狙って、自己啓発やスピリチュアルにはまりまくったタイチ。
しかし、おかげで人生が好転するどころか、借金してまでセミナーなどに通いつめ、つぎ込んだ結果、借金は600万円にまでふくれ上がった!
「頑張れば結果が出るなんてウソだし、人生は不平等だ!」
そんなこんなで八方ふさがりになった主人公・タイチに、ある日突然、あり得ないことが起こり、以来、人生が好転していくことになったのです。
そのあり得ないこととは……死んだ祖父「おじい」の声が聞こえてきたのです!
その声は折に触れ、タイチの質問に答え、叱咤激励してくれるようになりました。
アルバイト先の高級ホテルで本当に出会った、本物のお金持ちたちとのエピソードなど興味深い話が随所に織り込まれた物語は、読むだけで人生を好転させるために必要なことが理解できます。
今回は、本には収録しきなかったエピソードを紹介します。
本物のお金持ちからの意外な「あるある」リクエスト。
そこには重要な意味があった!
ホテルのフロントの大切な仕事の一つに、「入室禁止」や「アポイントメント禁止」のリクエストをスタッフに周知する仕事があります。
お客さまから、
「この時間は部屋に入らないで、ノックしないで、電話をつながないで」
というリクエストは意外にもよくあるもので、かつ、だいたい30分〜1時間ほどすると、
「もう気にしないでね、ありがとう」
という電話があります。
最初は「なぜだろう?」と不思議でした。
でも、その謎が解けたのは、
「あ、起きたからもう大丈夫だよ」
と「起きたから」という言葉を聞くようになったからです。...