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半世紀前に出現した近未来世界!「EXPO’70パビリオン」は大阪万博の記憶のタイムカプセル


1970(昭和45)年開催の大阪万博をご存知ない方でも、故岡本太郎氏が制作した「太陽の塔」をご存知の方は多いでしょう。太陽の塔は大阪万博のシンボルタワーで、現存する数少ない万博建造物として有名です。そのアート性からファンも多い太陽の塔ですが、これだけを見て終わりというのは、実は非常にもったいない楽しみ方。
同じ万博跡地内にあるおすすめスポット、「EXPO’70パビリオン」を今日はご紹介します。

常設展の映像・資料で、半世紀前の万博会場にタイムスリップ!

写真:佳後 マリ子

EXPO’70パビリオンは、大阪万博で実際に使用された様々なプロダクトや、未公開資料を含む当時の貴重な資料を展示する記念館として、2010(平成22)年にオープンしました。 建物自体も、当時のパビリオンだった「鉄鋼館」をリユースしたもので、万博跡地である広大な自然公園の一角にあります。
パビリオンの2Fへ上がると、サイケデリックな赤い照明に照らされた160mの回廊への入口があり、回廊部の壁や天井、床を利用して写真、パンフレット、ポスター、公式グッズなどの当時の現物資料が多数展示されています。 随所で投映されている、当時の万博会場内を撮影したスクリーン映像やモニター映像も必見です。
まるでSF映画に出て来るような、近未来都市さながらの当時の会場風景に驚愕したり、人の多さとあふれんばかりのエネルギーに見ているこちらまで圧倒されそうになったり。 万博史上稀に見るスケールを誇り、当初の予想入場者数の倍以上ののべ6400万人余りが詰めかけたビッグ・イベントの熱気と華やかさを映像や資料を通して知ることができます。

写真:佳後 マリ子

今見ても斬新! 近未来風の「スペースシアター」

写真:佳後 マリ子

一千個余りのスピーカーから流れる音楽とレーザー光線によるショーが行われていた「スペースシアター」。建築界の巨匠ル・コルビジェに師事した日本人建築家の前川國男氏が、当時、設計とプロデュースを手がけた実験的な大ホールです。 当時の最新の音響、照明技術を駆使し、『世界に類のない音響設備を設置した立体音楽堂』として鉄鋼館の中心部に造られましたが、万博終了後は閉鎖され、長らく非公開となっていました。
2010年の当館オープンの際には、まだライティングは施されていませんでしたが、2014年のリニューアルで、当時を彷彿とさせるサイケデリックな光の演出が復活。スピーカーから流れる音楽とともに光の色やアクションが様々に変化し、このホールの独創的な世界観を再現することに成功しました。
スペースシアターに直接入場することはできませんが、ガラス越しでの見学が可能。 シアターが見渡せるコーナーには、故岡本太郎氏が制作したマスクやテーマ館に置かれていた土偶の展示などもあり、当時の最先端技術やアートを通じて「万博イズム」を体感できる場所となっています。

写真:佳後 マリ子

実は大阪万博発の、あんなものこんなもの!21世紀に息づく万博遺産を知る

写真:佳後 マリ子

大阪万博での出展や公開をきっかけに開発や普及が進み、今では暮らしの中に当たり前のように根づいているものが数多く存在することをご存知でしょうか? 携帯電話やテレビ電話、LANシステム、モノレール、動く歩道、ウォシュレット、缶コーヒーなどのほか、ファーストフードの店舗(ケンタッキーフライドチキン)が日本に初上陸したのも大阪万博の会場内でした。
パビリオンの中には、当時の会場内の緊急連絡、取材などで活躍した電気自転車や、電気自動車の現物も展示されています。つまり、現在の電動自転車や電気自動車の原型をここで見ることができるのです。
また、大阪万博の6年前に開催された東京オリンピックで誕生し、改良を経て大阪万博から大々的に普及が進んだものに「ピクトグラム」があります。ピクトグラムは、非常口のマークに代表されるような、異言語の人にもひと目でわかるようにデザインされた絵文字マークのことですが、トイレを表すあの標準的な「男女」の形のピクトグラムも実は大阪万博が発祥なのですよ。 ピクトグラムも、当時使用されていたものが展示されています。
目からウロコのヒストリーや、実際に会場内で使用された万博発の貴重な現物の一部に出会うことができます。

写真:佳後 マリ子

大阪万博再ブームの兆しと「EXPO’70パビリオン」

近年、夏とクリスマスシーズンの年2回、太陽の塔や万博公園内でライトアップやアートプロジェクションが行われる「イルミナイト万博」が開催され、人気のイベントになっています。太陽の塔は、現在行われている耐震改修工事が完了する2018年春からはいよいよ内部が常時一般公開される予定で、公開後には相当な入場者数が予想され、さらに最近の報道によると、2020年の東京オリンピック後に「大阪万博」が開催される計画も持ち上がっています。
そう、実は現在、「大阪万博」が再び注目を集めており、その気運はさらに高まりを見せそうな状況にあるのです。
これらのイベントをより楽しむためにも、「EXPO’70パビリオン」で1970年の大阪万博の魅力を予習しておくのがベター。 半世紀前の人々が創造した「近未来」は、今から見るとまだまだアナログで未完成に映る一面もありますが、歴史的な一大イベントの、今にはない圧倒的な独創性とスケール感を肌で感じてみてくださいね!

■関連MEMO
EXPO’70パビリオン企画展等運営事業共同企業体HP
http://www.bmkkc.or.jp/expo70pavilion/

【トラベルジェイピー・ナビゲーター】
佳後 マリ子

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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