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幽寂な境内の今熊野観音寺!京都のお寺で静かに過ごす贅沢


京都東山の地にあり、皇室とゆかりが深く御寺(みてら)とも呼ばれる泉涌寺。真言宗泉涌寺派として一派をなす泉涌寺の塔頭の一つが、今回紹介する今熊野観音寺。
平安時代に開創され、今に伝わるお寺の境内は幽寂な雰囲気。「頭の観音さん」という名前で、頭痛封じやぼけ封じにご利益があるとされ信仰をあつめています。西国三十三所巡礼の十五番札所でもある今熊野観音寺。静かな京都のお寺の雰囲気を味わうのにピッタリです。

意外と好アクセスな静寂の世界

写真:けいたろう

今熊野観音寺は嵯峨天皇の勅願を受け弘法大使空海によって開創。泉涌寺の塔頭群の一つで、平安時代からの歴史があるお寺です。
今熊野観音寺の最寄りの駅は東福寺駅。駅を降り徒歩15分ほど歩くとお寺に到着。JRと京阪電車がクロスしてアクセスしやすい駅が最寄りなので、京都のどこからでもすぐ行けるにも関わらず、境内は静かで幽玄なる雰囲気。

写真:けいたろう

東福寺駅の東側、泉涌寺の参道である泉涌寺道の坂を上り、山門をくぐり坂をさらに上ると見えてくる左に曲がる道。山門の向こうは、すでに緑のトンネル状態ですが、道を一本入った先は、まるで別世界。
今熊野川に架かり、今熊野観音寺へと続く朱塗りの鳥居橋のある風景は、駅から15分の距離とは思えないほど。

今熊野観音寺と頭の観音さん

写真:けいたろう

今熊野観音寺には「頭の観音さん」という別名がありますが、お寺には次のような霊験記が伝わっています。
平安時代末期、源平争乱のなど世が乱れていた頃の為政者であった後白河法皇。日々の心労がつのり激しい頭痛持ちでした。そこで当時、観音信仰霊験あらたかであった今熊野観音に祈祷。法皇の枕元に観音さまが現れ、頭痛が取り除かれました。
持病の頭痛が癒えた後白河法皇によって今熊野観音は頭痛封じの観音であると世間に知らされ、それまで以上に広く信仰されるようになりました。

写真:けいたろう

後白河法皇のエピソード以外にも、今熊野観音が人の前に姿を現す際には、常に枕元に立つのが特徴。そこで、かつては今熊野観音寺を訪れる参拝者は、自分の枕を持ってきて加持祈祷を受けていました。
現在では今熊野観音寺が枕カバーを毎朝祈祷し、参拝者への授与が行われています。

写真:けいたろう

このように頭の観音さんとして信仰を集める今熊野観音寺。開基した弘法大師を祀る大師堂の前には、ぼけ封じ観音も立っています。
今熊野観音寺では頭痛封じ、ぼけ封じのほかにも智慧授かりや学業成就など、頭に関する願いを聞き入れてくれる観音様として親しまれています。

西国三十三所、15番札所としての今熊野観音寺

写真:けいたろう

頭の観音さんとして信仰を集める今熊野観音寺。近畿2府4県と岐阜県に点在する33の観音信仰の霊場をむすぶ、西国三十三所の第十五番札所でもあります。
養老2(718)年に、奈良の長谷寺の徳道上人(とくどうしょうにん)によって提唱された日本最古の巡礼の西国三十三所巡礼。2018年に草創1300年を迎え、限定の御朱印帳などが販売されているほか、御朱印に特別印を押印していただけます。

写真:けいたろう

また西国三十三所巡礼では、より多くの人に巡礼を身近に感じてもらう目的で、スイーツ巡礼を企画。各札所にちなんだ和菓子などが集められています。今熊野観音寺では、東山五色豆が選ばれています。
砂糖に包まれた五色のカラフルな豆は、昔懐かしい素朴な味。今熊野観音寺へと続く、泉涌寺門前にある青山豆十本舗で販売されています。

やさしさがあふれる今熊野観音寺

写真:今熊野観音寺

西国三十三所巡礼の札所としての顔を持つ今熊野観音寺。開祖である弘法大師にゆかりのある、四国の八十八ヶ所巡礼に関する珍しい参拝が行われます。
毎年9月21日〜23日の3日間行われる「四国八十八ヶ所お砂踏法要」は、88の各札所の本尊軸を祀った大講堂に、札所の砂を順に敷き順番に踏んでいくという一風変わった巡礼方法。京都にいながら八十八ヶ所を巡礼したのと同じ功徳が積めるといわれています。
お砂踏法要は戦後の復興期である昭和28年にはじまり、経済面や健康面によって四国を巡ることが困難な参拝者のために考案。今では多くの参拝客が集まります。

写真:けいたろう

また今熊野観音寺境内の東側の山の上に、「医聖堂」と呼ばれる平安様式の多宝塔があります。この塔は医学と仏教が人々が健康に暮らせるようにと建立。堂内には医界に貢献した多くの人が祭祀されています。
塔の足元にある石碑には「杉田玄白」、「華岡青洲」、「緒方洪庵」など偉人の名前がズラリ。医学部を目指す学生の合格祈願の対象にもなっています。

写真:けいたろう

さらに今熊野観音寺では、弘法大師が錫杖で岩を突き刺したところ、霊水が湧き出たと言われる泉が残されています。
弘法大師は清水を観音の恵みであるとして「五智水」と名付けました。その水は枯れることなく境内に湧き続け、今でも恵みの水としていただくことができます。

四季ごとに美しい今熊野観音寺

写真:今熊野観音寺

頭の観音さん、西国三十三所札所、医聖堂などさまざまな顔を持つ今熊野観音寺ですが、花の名所とても知られています。境内にはさまざまな花が咲き四季ごとの美しさがあります。
今熊野観音寺に咲く花。まず紹介するのは本堂前のしだれ梅。冬の厳しさが少し和らいだ3月上旬頃が見ごろを迎えます。

写真:今熊野観音寺

3月の梅の花の次に今熊野観音寺に咲くのは4月の桜。お寺はあでやかな雰囲気に包まれます。また5月には藤の花も咲きます。今熊野観音寺の藤の花は、一般的な紫に混じり、珍しい白い花も咲く特徴で、貴重なスポットとなっています。

写真:今熊野観音寺

花の美しい今熊野観音寺ですが、秋の紅葉も見事で幻想的な境内に紅い彩りを加えます。また多宝塔へつづく道には竹林があり、一年を通して美しい景色が広がっています。
四季の自然も美しく落ち着いた雰囲気にくわえ、頭の観音さん、西国三十三所、お砂踏法要とさまざまな魅力にあふれる今熊野観音寺は、何度も訪れたくなる魅力を持つ素敵なお寺。
泉涌寺の山門をくぐり駅から15分ほどの場所に、思いもよらないほどに美しい世界が広がっています。観音さまのご利益に触れる旅はもちろんのことですが、多宝塔のある丘からは、京都市内が見渡せます。ちょっとしたハイキング気分の京都旅行にもピッタリです。

今熊野観音寺の基本情報

住所:京都府京都市東山区泉涌寺山内町32
電話番号:075-561-5511
アクセス:京阪電車/JR「東福寺」駅下車、徒歩約15分
市バス「泉涌寺道」停留所下車、徒歩約10分
拝観・開館時間:8:00〜17:00
2018年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
今熊野観音寺
http://www.kannon.jp/

【トラベルjpナビゲーター】
けいたろう

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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