「台湾でコーヒー豆が採れるなんて初耳!」という人も多いと思いますが、実は台湾産コーヒーは、知る人ぞ知る!良質で希少価値のある高級コーヒー豆として、世界的にも注目されています。
そんなメイド・イン台湾のコーヒーが味わえるカフェ「森高砂珈琲」は、昔ながらの街並みが残る老街・迪化街の近くにあります。常時10種類もの台湾産コーヒーを置いているカフェは、台北でも珍しく、地元台北っ子や観光客に人気のお店です。
台湾コーヒーの歴史とオーナーの情熱
台湾は、高山烏龍茶をはじめ、お茶大国として有名ですが、実はアジアの中でも有数のコーヒー好きな国としても知られています。
通常、台湾国内で飲まれているコーヒー豆は海外産がほとんどですが、実はコーヒーベルト地域に位置する台湾もれっきとしたコーヒー産地。しかし、台湾中南部以南のごく限られた地域のみに栽培されているため、台湾産コーヒー豆は大変希少で、世界的にも質が良いと高い評価を得ています。
台湾コーヒーの始まりは、日本統治時代にさかのぼります。
当時、日本人が台湾の山々にコーヒーの木を植えはじめ、山に住んでいた先住民たちにコーヒーを作らせました。その台湾コーヒーの始まりを支え、現在もコーヒー作りに携わっている先住民の当時の呼び名である「高砂族」から名前を取って、「森高砂珈琲」という店名がつけられました。
統治時代から広まったコーヒーの木々は、今では根を深く張り、台風などの自然災害が多い台湾の山を守ってくれています。オーナー董さんは、先住民たちの生活をサポートし、質の良い台湾コーヒーを世界中の人に知ってほしいという熱い想いから、元々コーヒー豆の問屋をしていましたが、2011年に台湾産コーヒー専門店「森高砂珈琲」をアンテナショップとしてオープンさせました。
クラシカルな店内は、落ち着いた雰囲気で、コーヒーをゆっくり楽しめる空間が広がっています。カウンター席もあるのでひとりでも入りやすい雰囲気です。
各コーヒーの説明が付いた日本語メニューもあるので、自分好みのコーヒーを選ぶことができます。
「実験コーヒーセット」で召し上がれ!
台北市内でも台湾産コーヒーのみを扱っているカフェはなかなかありません。それもオーナーが台湾産コーヒーの問屋を営んでいてこそ。オーナー自らコーヒーの各産地を巡り、厳選した111軒のコーヒー農家と契約し、産地を明記して販売しています。
店内では、常時10種類の台湾コーヒーメニューを用意。台湾の各農家のコーヒー生産量は少ないので、安定してお店でコーヒーが味わえるよう数週間に一度メニューを変えて、産地の違うコーヒーを提供しています。
2017年11月上旬、店内メニューを紹介。
・南投県九分二山/湿式精製
・台中市新社区/乾式精製・湿式精製
・雲林県古坑郷/湿式精製
・南投県國姓郷/湿式精製・半湿式精製
・高雄市那瑪夏区/湿式精製
・台東県関山鎮/乳酸菌湿式精製・半湿式精製
・台東県太麻里郷/湿式精製
オーナーに好みを伝えると、おすすめのメニューでオーナー自ら手早くハンドドリップで淹れてくれます。例えば、程よい苦味が感じられるコーヒーが好きな場合は、「雲林県古坑郷/湿式精製」(小・220元)をおすすめしてくれます。
ここで登場するのが、森高砂珈琲の名物!実験道具のようなコーヒーセット。
・ガラスのピッチャーに入ったホットコーヒー
・ホットコーヒーを注ぐ白いカップ
・氷水に浸されたコーヒー入りのガラス管
・アイスコーヒーを注ぐ氷入りの小さなグラス
ホットコーヒーを頼むと、以上がセットになって運ばれてきて、一気にテンションが上がります!まるで理科の実験道具のようですね。
品質の良くないコーヒーは冷めると美味しくなくなってしまうので、森高砂珈琲の豆のクオリティーの高さを知ってもらうために、ホットコーヒーを頼んだ人には一口分アイスで飲んで確認してもらいたいんだとか。オーナーの粋な計らいが、この「実験コーヒーセット」として形になったんですね!
こだわり「デザート」をお供に!
コーヒーのお供にピッタリなスイーツやキッシュは、地元の素材にこだわって作っています。
・季節の野菜キッシュ(150元)…台湾の季節野菜を使用し、日替わりで味が変わる。
・玉井ドライマンゴーケーキ(140元)…玉井郷産ドライマンゴーと最高級フランス産イズニー発酵バターを使用。
・台東ハイビスカス・ビスコッティ(75元)…台東産ハイビスカスの砂糖漬けとアーモンドナッツを使用。
極上の台湾産コーヒーにあわせると、最高なコーヒータイムになるはずです。
台湾産コーヒーを「お土産」に!
同店で味わえるコーヒー豆は、もちろん店内で購入することができます。
コーヒー豆は、缶入りで大小2サイズ展開。豆はその場で挽くこともできるので、コーヒー好きの家族や友達のお土産に、自分へのご褒美におススメです!
バラマキ土産に最適なドリップコーヒーは、産地別で1個から購入できます。(60元〜/1袋)色々な産地のコーヒーを試してみたい人には、ドリップコーヒー詰め合わせギフトセットもあります。
迪化街散策の休憩は「森高砂珈琲」でホッと一息!
「ちょっと休憩〜」と立ち寄るカフェも妥協したくない!台湾を満喫したい!という人にピッタリの「森高砂珈琲」。人気の台北観光エリア迪化街からも近いので、迪化街散策に疲れたら、ぜひこちらへ!落ち着いたクラシカルな店内に、コーヒーの香りが立ち込めていて、旅の疲れを癒してくれることでしょう。
＜森高砂珈琲の基本情報＞
住所:台北市大同區延平北路二段1號1F
電話番号:+886-2-2555-8680
営業時間:12:00〜21:00(土日のみ〜22:00)
定休日:無し
アクセス:MRT北門駅Y21/Y23出口より徒歩約7分、またはMRT中山駅から徒歩約10分
情報:日本語メニューあり。英語を話せるスタッフがいます。
2017年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
■関連MEMO
森高砂珈琲
http://www.sancoffee.com.tw/index.html
【トラベルジェイピー・ナビゲーター】
中園 まりえ
