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豪華絢爛スペイン・グラナダの「ラ・カルトゥハ修道院」


その外見の地味さからは絶対に想像できない壮麗なアンダルシア地方グラナダのラ・カルトゥハ修道院。宗派の理念に基づき場所はグラナダ市の中心部からは少し離れていますが一見の価値有り!!
修道院内部は教会の部分の絢爛豪華さとその他の部分の質素さのギャップが激しく驚きます。修道士の多くがアーティストだったこともあり、教会芸術ともいえる装飾の華やかさはグラナダでもずば抜けています。

驚きは最後に待っている!騙されたと思っていってみてほしい『ラ・カルトゥハ』

写真:みな きむ

ラ・カルトゥハは16〜18世紀に建てられたカルトジオ会の修道院。グラナダの他の多くの建物同様建設が始まってから終わるまでに長い年月がかかっているために色んな様式が混じります。
この宗派は創始者サン・ブルーノの理念により人里離れたところに修道院を建てるのが基本で、静謐さをとても大切にします。グラナダでは市の中心部から北東にあるアイナダマールの丘にあります。見習い修道士は買い物など俗界との接触などもできましたが、修道士はそれもできませんでした。

写真:みな きむ

教会と言えば壮麗なパイプオルガンに賛美歌などのイメージが強いですが、カルトジオ会では音楽といえるのは修道士たちによるグレゴリア賛歌のみ。食事も日曜日だけは他の修道士と一緒に食べますが、その他の日は自分の部屋で一人で食べます。
何故こんな市の中心から離れた所に作ったの、という文句は無し。それこそが正しい目的だからです。

全ての至福栄光は神のために!というカルトジオ会

写真:みな きむ

入り口から順に進んでいくとまず『最後の晩餐』の絵やカルトジオ会修道士の殉死場面がいっぱいのレフェクトリオと呼ばれる修道士たちの食堂に入ります。
部屋の奥まで進み、小さな扉をくぐるとそこには聖ペドロと聖パブロの大きな絵とトゥロンポルイユという技法の騙し絵の祭壇があります。
祭壇が騙し絵?!カトリックといえば金襴豪華な祭壇が多いイメージですよね。
何だかとっても質素。何が凄いのだろう、と初めの内は騙された、こんな遠くまでわざわざ来るんじゃなかった、と思うかもしれません。
カルトジオ会では全ての至福栄光は神のために!という理念があります。なのでゴージャスな資材なども全て神のためにとっておかれるのです。
半信半疑でもそのまま進み続けましょう。

写真:みな きむ

修道士の絵はサンチェス・コタンの作品です。中でも有名なのがレフェクトリオ(食堂)にある『最後の晩餐』。この絵の中ではお肉のかわりに魚、そしてそのアラを犬やネコが食べています。コタンはその静物画で有名でプラド美術館にもその作品は多く展示されているのですが、なぜここにそのコタンの絵がこんなに沢山?
というのもコタンはここラ・カルトゥハの修道士だったからです。人里はなれた所にあるこの修道院の修道士の多くはアーティストでもあったといいます。グラナダのお土産で有名なタラセアという寄木細工、その技法を使った美しい箪笥なども後にここラ・カルトゥハで見ることが出来ます。

驚きの瞬間〜教会・サグラリオ(聖櫃)・サクリスタ(聖具室)〜

写真:みな きむ

いよいよ教会内部に入ります。おそらく息を呑むことでしょう。今までの地味なちょっと気持ち悪いとすら思ったのは何だったのか、と。そこは金、黒、オレンジなどの大理石、絵画、彫刻などこれでもか!!と言わんばかりの豪華絢爛なチュリゲラ様式というバロック芸術の最高峰の世界が待っています。やりすぎ感があると言えばあるのですが、目を剥き口をアングリと開けてしまい、言葉を失うほどの驚きを感じることでしょう。
カルトジオ会の修道士たちは俗界との接触を極力避けてましたので、教会部分への入り口も修道士、見習い修道士、世間の人々の為のものの3箇所に分かれていたと言います。この一番ゴージャスな部分は修道士のもの、寄木細工の扉の後ろの部屋が見習い修道士、そして鉄柵の後ろが一般信徒の場所だったといわれています。

写真:みな きむ

教会の中央祭壇前に立ってふと真上を見上げると、上から天使の顔がのぞいています。壮麗な金色の祭壇の周囲には絵や彫刻がいっぱい飾られ、なおかつ周囲の淡い色彩のデコレーションが美しい。
教会の奥にあるサグラリオ(聖櫃)はラ・カルトゥハの中でも最も突出した場所。黒とオレンジ色の大理石の床、金、柱に描かれた絵、などどれもが圧倒的な豪華絢爛さでどこに目を向けてよいのかわからなくなるでしょう。中でも圧巻なのが四隅にある人物と2人の天使が支え持つ布の彫刻。とても木で出来ているとは思えない布の質感や色味がすごい。そして天井のドームに描かれた絵。この部屋はウルタド・イスキエルドの傑作と言われています。

写真:みな きむ

教会の左手側のサクリスタ(聖具室)。黒と白のひし形になった床が奥まで続き左右には寄木細工のタラセアの箪笥が置かれています。正面祭壇左にはホセ・デ・モラ作の創始者サン・ブルーノの像が。非常に価値のある作品です。また後ろ側にはサン・ブルーノがサンタ・ロサリーナに幼子イエスを手渡している絵がありますが、周囲のペイントの為か宗教画というよりも美しい絵を見ているような気分に。
このラ・カルトゥハの教会部分は色が白っぽいこともありますが、過剰なまでの装飾は教会に居るというよりもまるで宮殿に居るような気分になるでしょう。おそらくこの3部屋を見たらお腹が一杯になったような気がする事間違いなし。
ぜひご自身でこの『ラ・カルトゥハ修道院』を体感してほしいと思います。

訪れるだけで充分に楽しめる!ラ・カルトゥハ

行き方&営業時間はこちらです。
市バス8番ならカテドラル前から一本で行けるのですが、それ以外(4,33,21など)なら一旦カテドラル対岸から一旦トゥリウンフォ(Triunfo)まで出ます(1.40€)。歩いてもカテドラル周辺からは10分程度。乗り場は変わり、同じTriunfoでもスペイン国旗がある通りから8番に乗り、Monasterio de la Cartuja下車。Cartujaと名の付くバス停が2つあるので注意。2個目の方です。カルトゥハ修道院の目の前に停まります。
帰りはやはり8番に乗車。乗った時と同じ場所で下車します。
<基本情報>
住所:Monasterio de la Cartuja, Paseo de Cartuja, Granada.
電話:+34-958-161-932
営業時間:日〜金 10:00〜20:00、土 10:00〜13:00、15:00〜20:00 ※冬季は18:00まで
料金:13歳以上5ユーロ音声ガイド付き、12歳以下無料
2019年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

【LINEトラベルjp・ナビゲーター】
みな きむ

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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