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なぜ老舗の和菓子店は、商品を木箱や竹かごに入れるのか?


どうすればお金をかけずに、売上や利益をもっと増やせるのか? この切実なお悩みに答えるのが、人気の販促コンサルタント・岡本達彦氏の最新刊『客単価アップ大事典 「つい買ってしまう」販促の仕掛け75』(ダイヤモンド社刊)です。同書は、「行動経済学×現場目線」で「つい買いたくなる」販促の仕掛けとは何かを言語化した初の書。本書が提示するのは、「お客様の購買行動そのものを変える設計とは?」です。どうすれば、「利益が残る経営」へと変われるのか? 本連載では、『客単価アップ大事典』に収録しきれなかった事例の中から、現場ですぐに導入でき、成果につながりやすい客単価アップの仕掛けを厳選してご紹介していきます。

「同じ饅頭」でも、容器が違うと
価値が違って見える理由

百貨店の銘菓コーナーで、木箱に入った和菓子と、プラスチックパックに入った同じ種類の和菓子が並んでいたとします。多くの人が木箱を手に取り、その価格を見て「これだけの値段がするのも納得だ」と感じます。

しかし、冷静に考えれば、中の菓子は同じかもしれません。なぜ「容器」が「中身の価値」を変えてしまうのでしょうか。

「器の格」が中身の評価を塗り替える

人は、一つの目立った特徴から、他の特徴を推測する傾向があります。これを「ハロー効果(光背効果)」といいます。

木箱や竹かごという「高級な容器」は、中身に対する評価を一気に引き上げます。

「この容器を使うお店は、素材や製法にも妥協しないはずだ」という推測が自動的に働くため、お客様は実際に中身を確認する前から高い評価を与えてしまいます。

「稀少感のある素材」が
価格への抵抗を消す

木箱や漆塗りの箱は、受け取った後も手放しにくいという特性があります。一度手にしたものへの評価が高まるエンダウメント効果(保有効果)により、箱そのものへの愛着が生まれます。

その結果、和菓子の価格は『菓子代+容器が持つ文化的価値』として無意識に再計算され、通常なら高いと感じる価格も妥当に感じられるのです。

「この箱だけで価値がある」という感覚が加わることで、和菓子の価格は「菓子代+容器代+それを作った文化への敬意」として無意識に再計算されます。

その結果、通常なら高いと感じる価格も「妥当」に感じられるのです。

他のお店でも使える
「容器の格」の演出設計

・コーヒーショップ
テイクアウトカップを独自デザインの質感ある紙カップに変えるだけで、「ここで買ったコーヒー」の価値体験が変わる

・化粧品店
試供品を透明なプラスチック袋ではなく、小さな巾着袋に入れることで、受け取り体験の格が上がり、本購入への期待感が高まる

・精肉店
高級和牛を白い和紙で包み、店名の焼き印を押すだけで、ギフト用途での購入が増え、客単価が上がる

まとめ

老舗和菓子店が木箱を使うのは、単なる伝統ではありません。

・ハロー効果により、容器の格が中身の品質評価を引き上げ
・エンダウメント効果により、質感のある器を手にした瞬間に「自分のもの」としての愛着が生まれ
・「大切な贈り物」という用途の想起を促し、ギフト需要で単価を引き上げる

という、緻密な価値演出の仕掛けなのです。

提供元:ダイヤモンド・オンライン

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