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ポルノグラフィティ『15年の活動を振り返る☆ベスト盤のなかで好きな曲TOP10も発表!!』

1999年のデビューシングル「アポロ」から最新シングル「青春花道」と「東京デスティニー」、さらに新曲「ひとひら」を加えた全42曲(両A面シングルを含む)を収録したベストアルバム『PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary “All TIME SINGLES”』をリリースしたポルノグラフィティ。いい意味で“ブレ続けてきた”という15年の活動を振り返り、音楽性や自身の変化について語ってもらった。

『All TIME SINGLES』は15年間の自分たちのライブラリー

  • PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary “All TIME SINGLES”【初回限定生産盤】

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――曲順はシングルリリースの年代順に並べられていますよね?
岡野昭仁曲順について最初は深く考えていなかったんですけど、年代順に聴いていくと、自分の歌が変わっていったり、レコーディングも打ち込みから生演奏に変わったりという変化とともに、そのときの思い出も順に出てくるので、これで良かったなと思いました。
新藤晴一シングルというものはアルバム曲と違って、知らない人の耳にも届くじゃないですか。そのために今の自分たちがどうしないといけないかを考えて作ってきましたし、作っている期間以上の時間をかけてプロモーションするので、話す機会が増えるから言葉としても再認識するんです。そういった曲が40数曲あるので、そのときの自分たちの気持ちがどうだったか、アルバム曲とは違う次元でよく覚えていて。こうして並ぶと、15年間の自分たちのライブラリーになっていると思いました。

――大きな変化は何でしょうか?
昭仁技術的に今のほうが歌えていると思います。試行錯誤している時期もありましたし、曲を聴くとそこにまつわるいろんなエピソードを思い出しますね。この曲は悩んだなとか。

―― 一番悩んだのはどの曲ですか?
昭仁ボーカルに関してはツアーのことも考えて、キーが高いから下げ気味に作っておこうという時期もあって。「Mugen」や「幸せについて本気出して考えてみた」はそうです。そこから自分の喉を消耗しない歌い方を試行錯誤してできたのが「黄昏ロマンス」や「ROLL」の頃でした。特に、「ROLL」はツアーのことを考えて喉を気遣った歌い方をしていますね。初期の頃はボーカルに自信が無かったので不安定でしたが、このベスト盤で言うと、EpisodeV(Disk3)ぐらいからやっと安心しながら聴けます。

――音楽的にも自分たちの色を反映し始めた頃ですね?
昭仁そうですね。プロデューサーの本間さんと作業してきて、そろそろ自我が生まれた時期というか。それまではチームで進んできた10年でしたけど、僕らが先頭に立って舵取りをしていこうと、本間さんから離れてここ最近は作ってみたんです。でも、離れてみてあらためて本間さんの偉大さが分かる場面がたくさんありました。ただ、ここから後には引けない、覚悟して腹くくってやらないといけないという意識から歌も変わってきたかもしれないです。

新曲は“過去”がキーワード――15年目で書けた歌詞

――晴一さんはどのあたりで変わったという実感があります?
晴一これというのはないんですけど、全体を通して思うのは、ブレているんです。こういうことがやりたいというものが3年ぐらい(のスパン)でブレている。そのつど確かなものを得た気になっているけど、3年後には全然違うものに感じたり。人ってブレるものだし、その繰り返しなので。

――興味の矛先が変わっていくんでしょうね?
晴一そうだと思います。音楽ジャンルへの興味、作り方への興味もそう。世の中との距離感もそうです。今は絶対ヒット曲がほしい、そのほうが物事がうまく運ぶからそうしようと思う時期もあるし。いや、そこから離れようと思って作っていた時期もある。そうやってブレてきたキャリアだし、そのぐらいの幅はあってもいいと思います。
昭仁確かにブレてますね、悪い意味じゃなく山あり谷ありで。特にこの5年は濃かったですね、本間さんと離れて作ってみようとチームの方針で決めてから。早いというより、濃いですね。10年まではあっという間で、この5年は濃かった。いろいろありましたね。

――新曲「ひとひら」はこの流れを受けて書いた作品なんですか?
晴一新曲を入れたいし、次を感じてほしいのでいま一番聴いてもらいたい曲を入れようということになりました。流れとしては“ありがとう”みたいな曲になればいいと思ったんですが、15年で振り返る機会も多いので、自然と“過去”ということがキーワードになってできた曲ですね。15年やってきたことで過去に厚みができてきたと思うんです。デビューしたときに、中学校の思い出を書いてもダメだけど、これぐらい経つと過去に厚みが出てきて、表現する価値も感じられるようになったので、15年目で書けた歌詞かなと思います。

――他の楽曲もそうですけど、歌詞の世界観も変化してきましたよね。架空の物語ではなく、もっと現実に寄り添うようになってきて。
昭仁ポルノが世の中に知られて、そういうグループがいるっていう段階から、もっと小さなところに目を向けて身近なことを書きたくなってきて。自分のこんなことをわかってほしいとか、僕ら2人という人間をわかってもらいたいというか、そういう変化もあると思うんです。だから、私情みたいなところが出てくることもあるのかな。特に30歳を過ぎて、自分なりに言えることが若いときよりも恥ずかしくない程度にみなさんに提示できる気がして。それを音楽の乗せているところもありますね。

――今後のポルノはどうなっていきそうですか?
晴一ヒット曲を求めて活動すると思います。音楽でコミュニケーションをとる最大のものはヒット曲だと思うんです。時代に愛されて、たくさんの人を巻き込むのがヒット曲。だから今後もヒット曲にこだわりたいし、そこは念頭に置いて活動していくと思います。
昭仁ヒット曲というのはとても大事なことですね。どうヒット曲を出すか、出すためにもいっぱい考えたいです。ポルノらしいと言われる曲を僕らの手で作るのか、ポルノっぽくないけどいい曲だからヒットすることもあるだろうし。その追求はずっとしていきたいですね。
(文:岡本明)

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