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草なぎ剛×白石和彌監督『碁盤斬り』 「いままでで一番かっこいい自分」に大満足

 俳優の草なぎ剛は、主演した映画『碁盤斬り』を「代表作になった」と朗らかに語った。落語の演目として長く親しまれてきた「柳田格之進」を題材にした時代劇だ。監督を務めたのは、『孤狼の血』などで知られ、時代劇は初挑戦の白石和彌。2人に同作について聞いた。

■映画『碁盤斬り』ストーリー

 娘のお絹とふたり、江戸の貧乏長屋で暮らす柳田格之進。彼は、身に覚えのない罪をきせられた上に妻も喪い、故郷の彦根藩を追われた身だった。しかし、かねてから嗜む囲碁にはその実直な人柄が表れ、江戸で多くの知己を得る。ある日、旧知の藩士により、彦根藩での悲劇の真相を知らされた格之進とお絹は、復讐を決意する。

鬼気迫る草なぎさんの格之進は本当にかっこよかった

――初めての白石組はいかがでしたか?

草なぎ『孤狼の血』のようなバイオレンスな世界観の白石監督が初めて時代劇を撮ると聞いて、ビビッときましたし、参加できてヤッター!うれしい!って感じです。僕らが“新しい地図”を広げて間もない頃、慎吾ちゃん(香取慎吾)が白石監督の『凪待ち』に出ることになって。始めたばかりのSNSに慎吾ちゃんが白石監督と撮った2ショットや撮影現場の写真を投稿していたんですよ。あの人見知りの慎吾ちゃんが!?もうそんなに仲良しに!?って、内心びっくりしていたんです。それで勝手に仲間意識を持ってしまい、僕と同い年だと知ってからは、ますます親近感を覚えました。今回の現場ではチームを引っ張っていくエネルギーに尊敬の念を抱きましたし、映画への情熱がとにかくすごい。それに、いつも僕のことをたくさんほめてくれるんですよ(笑)。

――白石監督は草なぎさんとのタッグいかがでしたか?

白石同い年という話が出ましたけれど、僕らは高校生ぐらいの頃から同い年の人がSMAPにいる、と思って見ていましたから。香取さんや草なぎさんと仕事でご一緒していることが、いまだに不思議な感じがするんですよね。僕は監督になってからずっと時代劇をやりたいと思っていて、ようやくチャンスが巡ってきた1本目を草なぎさんというスターと一緒につくれたことが、本当に夢のようです。
――時代劇をやりたかったというのは?

白石子どもの頃から時代劇をたくさん観てきましたし、日本の映画史は時代劇とともに発展してきましたから。日本の映画監督として、時代劇を1本も撮らずに終わっていいのだろうか、という思いはずっとあったんですよね。

――長年時代劇をつくってきたスタッフと初めて仕事するのは大変だったのでは?

白石なんかそういうイメージありますよね(笑)。でも、そんなこと全然なくて。ものすごくウェルカムな雰囲気でした。初めてでわからないことがあったら何でも言ってくれ、どんなことでも僕たちが何とかするからって。その道一筋のプロたちが初めての僕でもやりやすい環境を整えてくださった。感謝しかないです。

――どんなところで時代劇と現代劇の違いを感じましたか?

白石光源の違いは大きかったですね。江戸時代の室内照明はろうそくや行灯なので、限られた光源でどれだけの表現ができるのか、現代劇とは違う工夫が必要でしたし、かなり攻めた画づくりができたと思っています。普段はフレームからはみ出るような荒々しい映画を、と思っているんですが、今回は美しい映画を撮りたいという思いがありました。

草なぎそう、なんか本当にかっこよく撮ってくれたんですよね。いままでで一番かっこいいな、自分って思った(笑)。代表作になったと思います。監督、呼んでくれてありがとうございますって言いたい、というか今言えた(笑)。

白石いやあ、こんなことあります?最高の言葉ですよ。
――そもそもなぜ主人公の柳田格之進役を草なぎさんに演じてもらおうと思ったのですか?

白石柳田格之進は、藩を追われ、長屋暮らしの浪人に身をやつしているけれど、元々は彦根藩で献上品をつかさどる「進物番(しんもつばん)」を務めていたという設定にしました。正直一徹な性格で、誰にもおもねらない。後半、自分と家族を陥れた敵を追い、あだ討ちの旅に出て、ひげもはやしっぱなしで身なりもボロボロになっていくんだけど、武士としての品格は保たれている。そんな格之進のイメージが、大河ドラマ『青天を衝け』で草なぎさんが演じた徳川慶喜と重なったのと、何より草なぎさん自身に備わっているものだと思っていたんです。僕の目に狂いはなかったですね。鬼気迫る草なぎさんの格之進は本当にかっこよかったです。

草なぎいやぁ、品格があるのは育ちがいいからかな。埼玉の春日部、『クレヨンしんちゃん』の街の出身なんだけど(笑)。役者って一人でやるものじゃないから、衣装を着せてもらって、ヘアメイクをしてもらって、白石監督とカメラマンの福本淳さんが相談しながらうまく撮ってくれて。皆さんの力をお借りして、芸能生活30周年にして一番の品格が出ちゃいましたね(笑)。僕としては、撮影中は結構必死でした。

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