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【医師に聞く】今年の花粉症の症状や対策は?「乳製品は花粉症にいい」は本当なの? 風邪との違いをチェック

 1月頃から早くも花粉が飛び始め、「この季節がやってきてしまったか…」と絶望する人も多いだろう。目のかゆみや鼻水、鼻づまりなど、すでに花粉症の症状で悩む人も続出している。今年の傾向や患者数は、どのような推移をたどっているのだろうか。また、「花粉症の症状が出にくくなる食べ物」なども話題になるが、それは本当なのか? これまで多くの花粉症患者を治療してきた『クリニックフォア』亀戸院の院長・加納永将先生に聞いた。

患者数は「去年の倍程度」、目、鼻、喉のほかにも症状が

 周知の通り、花粉症は国民病とも言われるほど多くの人を悩ませている。2016年度に東京都が実施した調査では、都内のスギ花粉症の推定有病率の推計は実に48%とか。

 「花粉症は、正式には季節性アレルギー性鼻炎といいます。スギやヒノキなどの花粉(アレルゲン)に対し、体が過剰にアレルギー反応を起こしている状態のことです。花粉が鼻腔内粘膜に付着し、体がこれをアレルゲンとみなすと、まずはこのアレルゲンに対抗するための『抗体』が体の中で作られ、この『抗体』が『マスト細胞』という細胞と結合します。その後、再びアレルゲンが体内に侵入すると、この『マスト細胞』からアレルギー誘発物質、ヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサン、PAFが放出されるのです」(加納先生/以下同)

 放出されたアレルギー誘発物質は、鼻の粘膜組織内の知覚神経を刺激・炎症を起こし、くしゃみや鼻水、鼻づまりを引き起こす。このように、花粉自体に毒性はなにもないにも関わらず、体が花粉を「敵」とみなして反応する免疫機能が過剰に働いてしまうことを一般的に花粉症と呼ぶ。

『クリニックフォア』亀戸院の院長・加納永将先生

『クリニックフォア』亀戸院の院長・加納永将先生

 「冬の気温次第で、どれくらい早く花粉の飛散が始まるかが決まってきます。今年は暖冬で、飛散時期が例年より早いことがすでにわかっています。通常だと2月くらいに飛び始めるスギ花粉が1月中旬に飛散するなど、半月ぐらい前倒しになっている印象で、さらに花粉を飛散させる雄花が増加している傾向も。クリニックフォアグループ全体でも、花粉症で受診される患者さんが、だいたい去年の倍程度になっています」

 花粉の飛散時期も地域によって多少の差が見られるが、症状にも違いがあるのだろうか。

 「その地域のメインがスギなのか、ヒノキなのかで症状が変わってきます。極端な例でいえば、沖縄や北海道、離島ではスギ花粉症の方はかなり少ないと言われています。一方、東京では西部にスギが多く、山側から徐々に花粉症の方が増えてきて、東へと移動していく。スギ花粉での典型的な症例は鼻水や鼻づまり。ヒノキが近くに多い地域の方は、目のかゆみ、涙の症状が重くなってきます」

 ほか症状としては、不眠、頭がぼーっとするという集中力の低下なども。また花粉症では、下痢や軟便といったお腹の症状が出ることもあるそうだ。

「乳酸菌を飲むといい」はホント? 症状和らげるには早めの治療に勝るものなし

 一般的な花粉対策というと、やはり「花粉の暴露を減らすこと」。メガネやマスクの装着はもとより、衣服や布団に着いた花粉を落とす、空気清浄機を置く…などがある。

 一方、この時期になると「この食べ物が花粉にいい!」「症状が出にくくなる」とった話題が数多く上るが、専門家としては疑問視している。「たとえば『乳製品を飲むといい』といった話もありますが、食べ物に関しては明確なエビデンスがあるものはありません」とのこと。「悪くはならないとは思いますが…。免疫力を高める意味では、睡眠や適度な運動、バランスの良い食事、ストレスをかけすぎない…といったことは大事です」

 藁にも縋る思いの花粉症患者だろうが、残念ながら食べ物で改善するのは難しそうだ。では、医師としてはどのような対策を勧めているのだろうか。

 「今年のように早い時期から花粉が飛んでいる場合は、いち早く治療をすることに尽きます。医療機関を受診し、点眼薬、点鼻薬、飲み薬などを使うことで改善されますし、オンライン診療ならば外出せずとも自宅にお薬が届きます。なるべく外に出たくない人、医療機関に行く時間がない人は、そういったサービスを利用するのがいいでしょう」

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