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【医師に聞く】今年の花粉症の症状や対策は?「乳製品は花粉症にいい」は本当なの? 風邪との違いをチェック
患者数は「去年の倍程度」、目、鼻、喉のほかにも症状が
「花粉症は、正式には季節性アレルギー性鼻炎といいます。スギやヒノキなどの花粉(アレルゲン)に対し、体が過剰にアレルギー反応を起こしている状態のことです。花粉が鼻腔内粘膜に付着し、体がこれをアレルゲンとみなすと、まずはこのアレルゲンに対抗するための『抗体』が体の中で作られ、この『抗体』が『マスト細胞』という細胞と結合します。その後、再びアレルゲンが体内に侵入すると、この『マスト細胞』からアレルギー誘発物質、ヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサン、PAFが放出されるのです」(加納先生/以下同)
放出されたアレルギー誘発物質は、鼻の粘膜組織内の知覚神経を刺激・炎症を起こし、くしゃみや鼻水、鼻づまりを引き起こす。このように、花粉自体に毒性はなにもないにも関わらず、体が花粉を「敵」とみなして反応する免疫機能が過剰に働いてしまうことを一般的に花粉症と呼ぶ。
花粉の飛散時期も地域によって多少の差が見られるが、症状にも違いがあるのだろうか。
「その地域のメインがスギなのか、ヒノキなのかで症状が変わってきます。極端な例でいえば、沖縄や北海道、離島ではスギ花粉症の方はかなり少ないと言われています。一方、東京では西部にスギが多く、山側から徐々に花粉症の方が増えてきて、東へと移動していく。スギ花粉での典型的な症例は鼻水や鼻づまり。ヒノキが近くに多い地域の方は、目のかゆみ、涙の症状が重くなってきます」
ほか症状としては、不眠、頭がぼーっとするという集中力の低下なども。また花粉症では、下痢や軟便といったお腹の症状が出ることもあるそうだ。
「乳酸菌を飲むといい」はホント? 症状和らげるには早めの治療に勝るものなし
一方、この時期になると「この食べ物が花粉にいい!」「症状が出にくくなる」とった話題が数多く上るが、専門家としては疑問視している。「たとえば『乳製品を飲むといい』といった話もありますが、食べ物に関しては明確なエビデンスがあるものはありません」とのこと。「悪くはならないとは思いますが…。免疫力を高める意味では、睡眠や適度な運動、バランスの良い食事、ストレスをかけすぎない…といったことは大事です」。
藁にも縋る思いの花粉症患者だろうが、残念ながら食べ物で改善するのは難しそうだ。では、医師としてはどのような対策を勧めているのだろうか。
「今年のように早い時期から花粉が飛んでいる場合は、いち早く治療をすることに尽きます。医療機関を受診し、点眼薬、点鼻薬、飲み薬などを使うことで改善されますし、オンライン診療ならば外出せずとも自宅にお薬が届きます。なるべく外に出たくない人、医療機関に行く時間がない人は、そういったサービスを利用するのがいいでしょう」