ORICON NEWS
「だっ、騙された」見事すぎる“箱絵”ガンプラに反響…人気イラスト塗りモデラーの矜持「皆さんの目をどう騙そうか」
制作のきっかけは、筆塗りへの“飽き”「エアブラシのみで陰影を表現したいと思った」
annkoromoti以前はアニメ塗り中心でしたが、そこからアニメ塗りを生かしたイラスト塗り(筆塗りグラデーション塗装)にのめり込んでいきました。いろいろなイラストレーターの方が描かれた作品を立体で表すことを、今現在も念頭に置いて制作しています。
――先日発表された『箱絵イラスト風HGUC vガンダム』も見事なクオリティでした。なぜ本作を制作しようと思われたのですか?
annkoromotiありがとうございます。実はずっと筆塗りをやってきたんですけど、近頃はちょっと飽き気味で(笑)。そんなときに、この箱絵を見ていて「エアブラシのみで陰影を表現できるかな?」と思ったのがきっかけです。昨年11月から今年1月半ばまで、約2ヵ月半かけて制作しました。
――ニューガンダムについては、なにか特別な思い入れがあったんですか?
annkoromoti当時『逆襲のシャア』が上映され、ものすごく楽しみに観に行ったことを覚えています。近年いろいろなリファインされたvガンダムのキットが出ていますが、この『HGUC νガンダム』が、当時の自分の中のvガンダム像に近いんですよ。なのでいつか「良いものを作ろう」と大事に寝かせていました。
これだけの完成度も納得せず「陰影は始めた当初からずっと課題」
動画も撮ったので見てやって下さい pic.twitter.com/jy87vHkoY4
— annkoromoti (@ufjmFR0BF7t5Jq7) January 17, 2024
annkoromoti本作のなかで一番こだわったのが、やはりエアブラシでの陰影表現でした。陰影にグレーだけではなく、青色や黄色もいれて単調にならないようにしています。また、こだわりは前面だけでなく、後面や横面もイラスト調に見える様に陰影を考慮して制作しています。後面の表現には苦労しました。考えるのが嫌になり、少し制作を中断するほどに。
――すばらしいこだわりですね。
annkoromotiありがとうございます。ただ、こだわりと同時に、課題でもあるのです。イラスト風模型を始めた時から今までずっと…。
――具体的にどのあたりが課題なんですか?
annkoromoti基本は光源を決めて影などを入れていくのですが、中々納得したように塗ることが出来ません。今作も一応完成してはいるのですが、正直まだ納得のいってない部分があります。
――そうは言いますが、これだけの完成度の作品はなかなかありません。それの証拠に7000件を超える「いいね」や賞賛のコメントが寄せられました。
annkoromoti実はこんなにも「いいね」を頂けるとは思っていませんでした。制作していると自分の目では段々とイラスト調に見えなくなってきて。完成しても「皆さんの目にはどう映るんだろう?」と不安しかなかったので、反響があってホッとしています。ちなみに余談ですが、実は背景の黒はゴミ箱なんです。“ゴミ箱表現”は以前から数作作っていたので、今回もこれを利用しました(笑)。
annkoromoti私はX(Twitter)を始めるまで、「イラスト風」なんて触りもしなかったので、SNSでいろいろな情報・知識を得られるのはうれしい限りです。私なんか好き勝手作っているだけなので、技術の伝承なんて考えたこともなかったし、今も納得のいった作品を完成させたいので日々勉強中です。
ただ近年、本当に自由に制作されたいろいろな風潮の作品が出て来て、日々楽しませてもらっています。それにこれからももっと新しい面白い作品が出てくると思います。その過程で、私の少ない技術が少しでもお役に立てられればと思いますし、私も良い技術は参考にさせていただき、時には盗んでレベルを上げていきたいと思います。
――では最後に、モデラーとして、今後の目標をお聞かせください。
annkoromoti実は目標という目標はないんです。「皆さんの目をどう騙そうか」というのが一作一作の目標があり、今後もそれに注力していきたいと思います。
【※】「νガンダム」の「ν」は、ギリシア文字の第13文字の「ニュー」