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ボロボロになって戻った家出猫、「いつも帰ってくるから平気」では済まない“中外自由害”の危険

  • ボロボロになったふわちゃん(写真:ねこけんブログより)

    ボロボロになったふわちゃん(写真:ねこけんブログより)

 都心では少なくなったが、郊外や地方ではまだまだ多い、猫の中外自由飼い。「ふわちゃん」というこの猫も中外自由に出入りができるように飼われていたが、ある日を境に行方不明に。そして、飼い主の元に帰ってきたときにはガリガリに痩せ、ボロボロの満身創痍となっていた。一体なにが起こったのか? NPO法人『ねこけん』代表理事・溝上奈緒子氏に、ふわちゃんにまつわる経緯、そして猫の飼い主に知ってほしいことを聞いた。

瀕死の状態でも飼い主の元へ帰ってきた、でも…

動物病院に入院するが…(写真:ねこけんブログより)

動物病院に入院するが…(写真:ねこけんブログより)

 「ふわちゃん」と名付けられたこの猫は、茶色で長めの毛並みが可愛らしい猫。その名のとおり、フワフワとした毛がとても柔らかそうだ。そんなふわちゃんは、『ねこけん』ボランティアメンバーの知人宅で、中外自由飼いされていた猫。ある日、ふわちゃんは突然帰ってこなくなったのだという。

 その後、心配する飼い主の元にふわちゃんは帰ってきた。だがその姿は、ガリガリに痩せ、ボロボロの状態だった。

 「戻ってきたふわちゃんは、ほとんど瀕死の状態でした。すぐにボランティアメンバーが動物病院に入院させたのですが、どうも交通事故に遭ってしまったようで…。内臓からの出血もありました」

 帰ってきたふわちゃんの片目は瞬膜(猫の目頭にある膜。普段は出てこず、戻らなくなったときは何かしらの異常がある場合も)で覆われ、耳の後ろは大きく腫れていた。獣医師によると、内臓にも問題があり、まさに満身創痍と言えるような有様だった。

 入院の時点で、「難しいかもしれない」と言われたふわちゃんの容態。とはいえ、すぐに懸命な処置が行われ、「やれるだけのことはやった」という。だが、残念ながらふわちゃんの命を救うことはできなかった。

 「体がこんな大変な状態になっていても、ふわちゃんは飼い主さんのところに帰ってきました。ただ、やはり外には危険があって、ふわちゃんのように事故に遭ってしまったり、そのまま帰ってこなくなったりする例はとても多いようです」

外に出た飼い猫は“野良猫”と同じ、ケガしても「動物病院で診てもらえないことも」

  • 治療を受けるふわちゃん(写真:ねこけんブログより)

    治療を受けるふわちゃん(写真:ねこけんブログより)

 今回、ふわちゃんを救うことはできなかったが、『ねこけん』メンバーが協力したこともあり、動物病院での診察、入院はスムーズに行うことができた。だが、つねにこのような処置ができるとは限らないと、溝上代表は明かす。

 「実は、飼い主のいない野良猫の場合、緊急で近所の動物病院で治療してもらおうと連れていっても、診てもらえないこともあるのです。東京では少なくなりましたが、地方ではまだまだそのようなことは多いみたいですね」

 実際はふわちゃんには飼い主がいたが、外に出てしまえばそれはわからず、野良猫と区別はつかない。もし、家に帰る前に誰かが病院に連れて行ってくれたとしても、“野良猫”として扱われた可能性はある。

 「なぜ診てもらえないかというと、野良猫はどんな感染症を持っているかわからないから。ほかの患畜を守るため、という部分もあります。また、それだけでなく、飼い主がいない=入院させた猫を置いて行かれる、という懸念もあります。通りすがりの優しい人が連れてきてくれたとしても、迎えに来てくれない場合は病院側のリスクとなってしまうのです」

 「野良猫は診てもらえない」としても、一概に病院側を責めることはできず、その背景にある要因にも頷ける。ならば、自分の飼い猫を“野良猫”とされないためには、どうすべきか。

 「やはり、脱走対策をしっかりして、外には出さないということに尽きます。外には、ふわちゃんのように交通事故に遭う危険はもちろん、虐待される恐れもあります。ケガをしたり病気になっても、外では“野良猫”として治療してもらえないかもしれないということも、飼い主さんには知っていてほしいです」

 いまや室内飼育は当たり前になりつつあるが、まだまだ猫を外に出す飼い主も多い。そんな人たちは、「遠くへ行かないから大丈夫」「いつも帰ってくるから平気」「今まで何匹も飼っているけど、みんな大丈夫だったから」「猫は賢いから」…と言うのだそうだ。

 だが、これまで問題なかったからといって、明日どうかはわからない。猫を守るために、飼い主たちはこうした危険があることを知り、対策をすべきだろう。

■NPO法人『ねこけん』(外部サイト)

■『ねこけん』オフィシャルブログ(外部サイト)

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