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きゃりーぱみゅぱみゅ、“KAWAII”を呪いと感じたことも 結婚と30歳の節目を迎えて変化した想い

「1人で抱え込まなくていいんだなと思うようになった」結婚で得た夫という“心の拠り所”

「Perfumeのあ〜ちゃんは大先輩であり、大親友」(画像提供:アソビシステム)

「Perfumeのあ〜ちゃんは大先輩であり、大親友」(画像提供:アソビシステム)

――“きゃりーぱみゅぱみゅ”でいることがイヤになった時期はなかったですか?

きゃりー18歳から21歳くらいまではノンストップで活動して、一気に知名度が上がって。周りから「有名人だね」「スターだね」とか言われて、自分でも信じられないような経験をさせてもらったんですけど、家に帰ったときに「めちゃくちゃ寂しいな」ということもありました。それはたぶん“きゃりーぱみゅぱみゅ”と言う“木”だけがバーッと成長していて、本名の私自身の“木”が枯れていっちゃってたからだと思うんです。と言うのも、私のことを本名で読んでくれる人は両親くらいしかいなくなっちゃったんですね。そうなってくると「ありのままの自分は誰に愛されてるのかな?どんなだったっけ?」っていう。

 その状態を抜け出すきっかけの1つになったのは、KRK LAB(KPP Riversible “K”。意味としては「アーティスト名と本名と表裏一体の表現の場」)という新レーベルを発足させて頂き、ヘアケアブランドを立ち上げたり、香水をプロデュースしたり“私自身”がやりたいことをスタートできたことかな。おかげで、活動の場でもバランスが取れてきたんだと思います。
あとはやっぱり、Perfumeのあ〜ちゃんの存在も大きいです。あ〜ちゃんは名前で呼んでくれるんですよ。私もあ〜ちゃんではなくて「あやちゃん」って呼んでるし、大先輩であり、大親友なんです。

――30代になったことで変化はありました?

きゃりー30代を“レベル3”と呼んでいるのですが、変わったことと言えば、仕事の向き合い方ですかね。チーム全体のことを考えるようになったし、ストイックになりました。あと、今回のワールドツアーでは、若い世代の新しいダンサーさんに参加してもらったんですけど、それは「またあるかはわからない、素晴らしい経験を次世代につないでいきたい」という思いがあるから。そんなことを考えるようになった自分にビックリしてます(笑)。

――活動に対するスタンスが切り替わってきた、と。

きゃりーそうですね。さっき言ったコーチェラの経験も大きかったし、今仕事をしている方がすごい熱量で関わってくれるので、「この人だったら、一緒に世界を目指せるな」という人と一緒にやりたい。ちょっと経営者っぽっくなってますね(笑)。過去に自分自身を乗っ取られそうになったことがあったんですよ。 “きゃりーぱみゅぱみゅ”のプロジェクトが大きくなってきて、周囲の人たちが「きゃりーはこれはやりません」「こうじゃなきゃダメ」と言うようになって、「え、私の気持ちはどうなの?」ということが結構あったんです。もちろん周囲の人は私のことを思ってくれてたんですけど、自分にも意見とかやりたいことがある。そのバランスはずっと考えてますね。

――キャリアによって意識する部分が変わってくるんでしょうね。結婚してライフステージがシフトしたことで、メンタルはどのような変化がありましたか?

きゃりー1人で抱え込まなくていいんだなと思うようになりました。仕事で悩んでるときもバーッと話しちゃうんですけど、パートナーさんは「大変だったね。お疲れ」みたいに聞いてくれるタイプなんです。それはすごく助かってます。この業界って売れてても孤独だし、売れなくてもしんどい、みたいなことがあったりするんですね。何でも話せるパートナーがいれば、心が救われるのかなって。恋愛や結婚だけじゃなくて、ワンちゃんとかでもいいと思いますけどね。

――最近はSNSやエッセイなどを通して、自身の意見を発信することも増えています。2021年11月のルッキズムに関するツイートも話題を集めました。

きゃりーそれは普通にムカついたんですよ(笑)。でも、外見のことは年々言われるようになりましたね。「肌が荒れてますね」とか「太りました?」とか。「いつまでそのキャラで行くんですか?」と言われたり。固定概念にとらわれないで、自分の好きなように生きたらいいじゃんって思いますけどね。

 私自身、年々楽しいことが増えてるんです。10代の頃はとにかくお金がなくて、どこにも行けないなって思ってたけど、今は自分で好きなように好きな人に会えて、好きなことができて。好きなことを自由に発信できる時代だから、今はほんとに人生楽しいって感じですね。
(取材・文/森朋之)

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