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【話題のマンガ試し読み】子どもが廃材置き場で大事故に…、奇跡の生還は“嘘”? ヒット作『ReLIFE』作者が描く「どう生きるか」

 テレビアニメや舞台、実写映画にもなった人気マンガ『ReLIFE』の誕生から10年。同作品の作者である夜宵草(やよいそう)さんの新作『ツギハギミライ』が、LINEマンガで連載中だ。大事故に遭ったにもかかわらず奇跡の生還を果たした幼馴染み3人だったが、彼らが生きるのは“作られた人生”。それでも生きるか、どう生きるのか。本人たちはもちろん、親たちにもその究極の選択が突きつけられる。考えさせられることの多い本作について、夜宵草さんに聞いた。

『ReLIFE』ファンも早速反応、10年前から構想していた“機械細胞”や“AI”設定

 連載がスタートすると、「『ReLIFE』からのファンです」「『ReLIFE』めっちゃおもしろかったから期待してます」というコメントも多数寄せられた同作。webtoonを描いて今年で10年になる夜宵草さんも、新連載スタートに「記念すべき10年目に新作をスタートできて光栄です!」と喜びの声を寄せていた。
――『ReLIFE』のファンからも、新作にたくさん反響がありました。

夜宵草嬉しかったです。絵柄で気づいてくださる読者さんもいて、ありがたいなぁと思いました。

――『ReLIFE』も今回の『ツギハギミライ』も、主人公の“作られた人生”が物語の軸になっていますね。

夜宵草『ツギハギミライ』も『ReLIFE』も約10年前、同時期に構想を練っていたものなんです。なので、両作品とも互いに参考にしている部分があると思います。先に世に出た『ReLIFE』での執筆経験を経て、10年前の『ツギハギミライ』を改めて再構想したというイメージでしょうか。例えば、『ツギハギミライ』の初期案は主人公たちが高校生だったのですが、『ReLIFE』から10年、当時の読者さんたちも大人になっているのではと思い、キャラクターを社会人へ変更したりしました。

――ほかに、この10年で先生の考えや社会背景の影響で変更した点は?

夜宵草当時は“機械細胞”とか“AI”とか、SFめいた雰囲気がちょっと時代的に早いという理由で、採用されなかった記憶があります。10年という月日が流れたからこそ、時代が変わって今回はOKをいただけたのかなと思います。

開始早々突きつけられる、「制限ある人生になってでも延命するか、命を終えるか

 温太(はるた)、泉(いずみ)、一花(いちか)の幼馴染み3人は、ある日立ち入り禁止の廃材置き場で大怪我を負う。その後彼らは幼稚園から同じ学校、同じクラス、そして同じ会社の同じ部署に就職。大怪我からの奇跡の復活と、奇跡の腐れ縁…。一見、運のよい仲良し3人組に見えるが、その裏には機械細胞を用いた試験的な治療と、それによる“作られた人生”があった。事故から12年、何も疑うことなく過ごしてきた3人だったが、普通の人間との差異やバグが発現しはじめ、少しずつほころびが見えていく。
――子ども3人が大きな事故に遭うという衝撃的な始まりで、「最初から不穏…」「怖い」というコメントもありました。

夜宵草開始早々に血だまりを描くという、私自身もショッキングな執筆だったので「めちゃくちゃわかる」と共感しました(苦笑)。

――この事故により彼らの親は、「子どもが制限ある人生になってでも特別な治療で延命するか、または命を終えるか」の決断を求められます。着想のきっかけは?

夜宵草ポンとネタが浮かんで、それをメモしてそこから広げて…。“人じゃなくなったとしても一緒にいたい”いうワンシーンが浮かんできた感じでした。

――命やどう生きるかにも関わるシリアスな内容を背景とすることに、不安はありませんでしたか。

夜宵草今までの作品もほぼ全て、根底にあるのは“どう生きるか”というのが共通テーマだったかなと、今改めて気づかされました。今回が特段初めて、ということでもないので大きな不安はありませんでしたね。「この話暗すぎないか?」と不安になることは度々あるのですが(苦笑)。

秘密を守るための過干渉、“人並みの当たり前ができない子”に

――一花は自分の体が機械細胞だと知らない女の子。ケガをすると人間との差異が明らかになるため、親から非常に過保護に育てられます。

夜宵草生い立ちのせいで、どうしても“人並みの当たり前ができない子”になるのですが、ただ守られてばかりにはしたくないな、と。それゆえの前向きさや行動力がまた、周りを困らせたりもするのですが…(笑)。

――一花を見守る温太と泉はいかがですか?

夜宵草とにかく兄弟のように、わちゃわちゃと仲のいい3人にしたいなと思いました。ただ、似た境遇の3人でも、直面している現状や抱えている悩みはバラバラで、少しずつ違和感が生まれていって…と、切ない側面も多分に含む関係性にしようと思いました。

――彼らの親たちや会社の上司など、“秘密”を守る周囲の人たちもいます。

夜宵草3人をどの程度抑えつけるのか、干渉させるのかの塩梅を考えました。国家機密かつ、バレたら我が子の人生が終わると思うと、かなり過干渉になってしまうのも無理はないだろうし。特に一花の母はやり過ぎ感がありますが、これもまたその立場に立ったとしたら…と考えた末の反応なのかなと思います。

――守るためだとしても、周りから秘密や嘘で固められるのは悲しい気がします。

夜宵草本当のことを話してもらえないのは悲しいと思います。でも、知らずに平穏な日々を過ごしてほしい、という気持ちもわかるなと思います。悪事を隠すためではない優しい嘘の場合、このへんが難しいですよね。

“ファンタジー要素をひとつまみ”、日常生活からかけ離れすぎないように

――昨今、異世界転生、タイムリープなどがトレンドですが、“本来とは違う作られた人生”という点で、一見『ツギハギミライ』も近しく受け取られるかもしれません。単にファンタジー的にならないよう留意した点は?

夜宵草基本は日常を描きつつ、“ファンタジー要素をひとつまみ”という感じでしょうか。一見すると新社会人のお仕事マンガなのですが、“機械細胞”という1つのエッセンスを加えることで、日常にたくさんの違和感が生まれますよね。ただエッセンスを加えすぎるとガチのファンタジーになってしまうので、あくまでひとつまみ。日常生活の範疇からかけ離れすぎないように、と心がけています。

――まだ連載序盤ですが、本作で先生が伝えたいことは?

夜宵草本作は“秘密”や“嘘”などが多く出てくるのですが、その秘密を知っている者、知らない者、知りたがる者、隠したい者――いろいろな立場の人物が登場します。立場が違えば、見える景色や思うことも違ってくるので、ぜひ一花たちと一緒に考えたり、感じたり、やきもきしていただけたら嬉しいです。

――今後どうなるかソワソワして待っている読者にメッセージを。

夜宵草まだ物語は始まったばかりで、謎も多く残されていますが、ぜひ幼馴染み3人の行く末を見守っていただけたらと思います。周りのキャラクターの背景や過去なども今後物語に絡んでくる予定です。LINEマンガでは5話まで無料で読めるキャンペーンやTwitterのプレゼント企画なども実施しているので、これからも“ツギハギな世界観”を楽しんでいただけたら幸いです。応援、よろしくお願いいたします!
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