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【話題のマンガ試し読み】夫が親友と不倫…病気になった“不幸すぎた女”の壮絶な復讐「目には目を、歯には歯を」

 たった一人の親友と浮気をした夫。それでも足りず、2人は余命わずかだった主人公の美紗を殺める。理不尽な死を迎えた美紗は、奇跡的に10年前にタイムスリップをして、人生を再スタートさせることに…。原作は韓国の同名小説で、作者はsungsojak(ソンソジャク)さん。LINEマンガのオリジナル作品として、国内で累計1.8億回以上閲覧されている人気webtoon『私の夫と結婚して』について聞いた。

モチーフは「目には目を、歯には歯を」…人気のジャンルを飽きられないために

 LINEマンガは、全世界に向け10カ国語でサービスを展開するプラットフォームの連合体“WEBTOON Worldwide Service”に所属しており、優れた作品を各言語に翻訳、一部ローカライズ(キャラクター名など)し、グローバル展開を行なっている。2月に全68話(番外編を含む)で完結した『私の夫と結婚して』もその一つ。昨年末発表された『LINEマンガ2022年間ランキング』の総合1位に輝き、人気を集めている。

――自身の作品が原作となり、日本の電子コミックサービスで連載されることについて、期待や不安がありましたか?

sungsojak大きな期待も不安も感じていませんでした。そのため、日本でたくさんこの作品が愛されるようになった時は一層嬉しく思いました。

――病気、夫が親友と不倫、挙句の果てに2人から殺される…と序盤から主人公である美紗が不幸すぎて、読んでいてつらくなります。それもあってか、タイムスリップ後の見事な復讐劇には、胸がスカッとします。このような復讐劇を書こうと思ったきっかけは?

sungsojak「最高の復讐は許すこと」という言葉もありますが、この作品は私の好きな言葉「目には目を、歯には歯を」をモチーフに執筆しました。

――ストーリー構成で意識したことは?

sungsojak“クラシック イズ ベスト”だと思っています。一方で、クリシェ(決まり文句、常套句)はいつも正解ですが、その分ありふれたものにもなりかねないので、飽きられてしまう可能性もあります。そんな素材をどう表現すればもっとみなさんが興味を持って読み進めてくれるものになるか、そこに重点を置いていました。

――不幸な人生だった美紗にとって、タイムスリップは自分を苦しめた人間に罰を与え、自らが幸せになれるチャンスです。こうしたタイムスリップ設定は、読者にどんな思いを抱かせると思いますか?

sungsojak人を罰するからといって、必ずしも自分が幸せになれるわけではありません。まずは自分を愛してください。自らが自らを愛さなければ、他の人たちがくれる愛も受け入れられません。

タイムスリップ前後の主人公の心の変化、科目な“鈴木部長”のセリフに苦労も

 不倫ののち、余命わずかである自分を殺した親友・麗奈と夫の友也。美紗は死ぬ直前に2人に対し、とてつもない憎悪をぶつける。タイムスリップ後は、彼らとは別の道を歩み、自分のためだけに生きることを誓う。

――タイムスリップ前の失敗をしないために、自分のことを一番に考え、人に頼って素直に生きる美紗の姿が印象的であり、チャーミングでした。美紗に「憎しみ」以外の心情として加えた設定はありますか?

sungsojakタイムスリップ後に美紗は「(1回目の人生で)起こることは必ず起きる」というルールに気づきます。だから1話に登場した「お父さんとの約束」にはなかった「復讐」が追加されたのです。タイムスリップ前の美紗が、自分の「美しさ」と「大切さ」を知らずに自己を犠牲にするだけの人だったとすれば、タイムスリップ後には、他の何よりも自分自身の幸せを最優先に考える人になりました。

――タイムスリップ前にはあまり関りのなかったであろう“鈴木部長”が、美紗の人生に大きく関係してくるようになります。鈴木部長を描くうえで、心がけた点はありましたか?

sungsojak馬鹿みたいに口下手なキャラクターなので、セリフを作るのが難しかったです(笑)。

――作画はスタジオLICOさんが担当されています。先生から作画についてオーダーはありましたか?

sungsojak素晴らしい作画ですので、私が申し上げることは特にありませんでした。あえていうなら、鈴木部長の眉毛をもっと細く描いてもらえばよかったかな…と今になって思ったりはします。

グローバルで累計5億回以上閲覧、韓国でも日本でも「国は違えどやはり人はみんな同じ」

――韓国の読者と日本の読者で受け取り方の違いを感じたことはありますか?

sungsojakほとんど似たような反応でした。「美紗がんばれ!」「麗奈最悪…」などなど…。 国は違えどやはり人ってみんな一緒だなと思いました。

――実際にご自身の作品がwebtoonされたものを見た感想は?

sungsojak私もwebtoon作品として『私の夫と結婚して』を読む時は、読者の方々と同じ気持ちで読んでいます。本当に面白いので、次の話が早く更新されないかなと思っていましたし…。課金もして読んでいました。

――この作品は、2022年末に発表された『LINEマンガ2022年間ランキング』の「総合」、「2022年新作」、「女性編」、「10代女性編」、「20代女性編」などさまざまな部門で1位に輝き、国内では累計1.8億回以上(2023年3月末時点)、グローバルでは累計5億回以上(2022年11月時点)閲覧されているそうです。

sungsojak正直に言うと、多くの方が読んでくださることでたくさんお金をいただけるようになったことが嬉しいです。生計の心配なく創作活動に注力できるようになりましたので、すべての読者の皆様にとても感謝しています。

――ドラマや音楽など韓国のエンタテインメントを楽しむ日本人はどんどん増えています。日本の読者に届けたいメッセージをお願いします。

sungsojak飛行機に乗らなくてもその国の文化を体験して楽しめるということは、インターネット時代の大きな祝福だと思います。韓国人でも日本人でも、西洋人でも東洋人でも、私たち皆がこの祝福を受ける権利があります。ただ楽しんでください。enjoy!

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