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人の旦那に「普通っぽさに安心感出てる〜(笑)」性悪女が褒めマウント、婚活で化けの皮はがれ…「そういうの、漏れてますよ」悲惨な末路

 SNSを駆使して、自分勝手に振る舞う女たちを描くオムニバス漫画『SNSに嗤う女たち』(ライブコミックス)。嫁のSNSを見張る義母の不気味な行動を描いた『ネトスト義母と使えない旦那』や、褒めマウントを取らないと気が済まない残念な女性を描いた『褒めマウント女』などは、とくに反響のあるエピソードだ。作品を手がける縛さんは、身近なモヤモヤをリアルに描き、スカッとさせる展開を得意としており、多くの読者から支持を集めている。作品を描くうえでのこだわりや、リアルな人物描写のコツなどを聞いた。

「逐一知られるのは気味が悪い!」ヤバイ義母の行動を夫に訴えるも…

――義母が嫁のSNSを“ネットストーキング”して異常な執着を見せる『ネトスト義母と使えない旦那』。SNSに投稿した旦那への愚痴も筒抜けで、読者からは、主人公のストレスに共感するコメントが多く寄せられていました。

縛さん「イタイお義母さん」という題材って面白そうだな、と思ったのがきっかけです。それを『SNSに嗤う女たち』というテーマに合わせて、今の時代ならではの“ネトスト気質”という設定にして描きました。不気味なほど嫁に執着する義母の物語です。

――義母のヤバさに加えて、妻の話を聞かず母親ばかりを庇う自分勝手な旦那も問題です。夫婦間のコミュニケーションのすれ違いについても考えさせられます。

縛さん相手の訴えを深刻なものとしてとらえない“すれ違い”が、夫婦間において多いのではないかと思っています。嫌なことや許せないことのラインが人それぞれ違うのは当たり前ですが、わかっていても、つい「なんでそんなことで怒るの?」と感じてしまいますよね。それは、夫婦どちらにもある感情だと思うんです。ただ、たとえ理解できなくても、一緒に暮らしていくのであれば、相手にとってそれが深刻な問題であり、真剣に訴えているということを受け止めることが大事なのではないかと思います。

――妻が義母の行為を真剣に訴えているのに、夫はリモコンでテレビを操作しながら聞き流している感じで…。妻のイラ立ちが、とてもよく伝わってきました。

縛さん日常の些細な演出は、所々で共感してもらえるように細かく決めながら描いています。例えば、「この人に話しても無駄だな」と諦めが先に立ってしまうと、関係はもうおしまいですよね。なので、諦めに行きつくちょっと手前のモヤモヤを意識して描くようにしました。

【SNSに嗤う女たち】『ネトスト義母と使えない旦那』より

【SNSに嗤う女たち】『ネトスト義母と使えない旦那』より

大勢のネット配信を観てキャラの“表情”を研究してリアルを追求

――『褒めマウント女』は、友人の夫を「普通っぽい!」と褒めながらも、内心は見下すという“褒めマウント”を取る女性が主人公です。

縛さんけっこうこういう女性っていますよね。でも実際に描くには、実はとても苦戦しました。私は人間観察が好きで、いろんなキャラクターをイメージしてはストックしているんですけど、その中から組み合わせて作り上げた感じです。

――ニコニコしているのに裏がありそうな顔つきも、絶妙です。

縛さん表情に関しては、いろんな動画を観て参考にしたりもします。今は、一般の方がネットで雑談を配信していますから、それらをたくさん観て、こういう性格の傾向にある人は、こういう表情をしがちだな…という感じで、ストックを貯めるんです。基本的に、人の話を聞くことがすごく好きなんですよね。

――では、“リアルさ”を表現するために心がけていることは?

縛さん「ああ、いるいる」って絶対に感じてもらえるように、「共感」の部分はものすごく気を付けています。あと、初対面の人の場合、どんな人かわからないから、「この人、大丈夫かな」「いい人か悪い人か、どっちなんだろう…」っていう探りの時間があるじゃないですか。あの特有の空気感は、漫画の冒頭で出すようにしています。

――迷惑なキャラクターに翻弄されながらも、最終的にはガツンと食らわせる爽快感が読者のストレス解消にもつながっていると思います。物語を“スッキリ”させるコツはあるのでしょうか?

縛さん悪役のキャラは、それに徹するように、いいところを出さないように描いています。現実では、ちょっと問題のある子でも、いい部分も知っているから何となく関係を切るまで至らない。それはストレスでもあるでしょうし、そこまでリアルに描いてしまうと、ラストに酷い目に遭わせたとき、読者は可哀想と思ってしまってスッキリしないんですよね。なので、嫌なキャラクターは、徹底的に悪役に徹してもらっています(笑)。

――読後感が爽快で勇気づけられる縛さんの作品は、空いた時間にさくっと読める電子書籍との相性もいいですね。

縛さん忙しい合間でも読者に楽しんでいただけるよう、シンプルでスッと読めて、物語もわかりやすくするよう意識しています。これからも読者に共感していただいて、応援したくなるようなキャラクターを描いていきたいと思います。
『SNSに嗤う女たち』
作者名:縛/かみきわか/西優木/グルナ編集部(外部サイト)
褒めマウントを取らないと気が済まない女。彼氏を横取りしたがる後輩女。連絡先を全削除させる束縛女。息子の嫁のSNSを見張る女。SNSを駆使して自分勝手な振る舞いをする女たちを描くオムニバス作品。

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