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YOU×藤井隆、20年来の親友 “大人の友情”を育む秘けつ

(左から)藤井隆、YOU(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

(左から)藤井隆、YOU(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

 子どもたちに根強い人気がある『きかんしゃトーマス』。原作絵本の誕生から78年。人形を使ったモデルアニメーションとしてスタートした映像作品は、3DCGを経て、2Dアニメーションにフルリニューアルされ、昨年12月よりテレビシリーズが放送中。リニューアル後、初となる劇場版『映画 きかんしゃトーマス めざせ!夢のチャンピオンカップ』も3月10日より公開となる。今回の劇場版には、ゲスト声優としてタレントのYOUと藤井隆が参加しており、2人は20年来の「親友」でもある。友情やチームワークの大切さを伝えるストーリーが定番の『きかんしゃトーマス』にふさわしい二人に、大人の友情の育み方を聞いた。
――『きかんしゃトーマス』をご覧になったことは?

藤井もちろん、あります。僕はすでに大人になっていましたけど。

――だと思います。鉄道模型を使ったモデルアニメーションがイギリスで作られたのが1984年で、日本では1990年に『ひらけ!ポンキッキ』内で放送が始まりました。

藤井ですよね。初めて見た時にいままでにない作品だな、と思いました。不運や失敗をネタにしていて、後にそれがイギリスならではユーモアなんだということに気づくのですが、本当に子ども向け番組?と驚いたことを覚えてます。

YOU日本の子ども向けとされるアニメーション作品しか知らなかったから、『きかんしゃトーマス』のイギリスらしい大人びた作り、キャラクターの顔もちょっと怖いと感じてしまうようなところが、いままでに見たことがない、新しいものを見ている感じがしましたね。

――その後、CGアニメーションになって、さらに12年ぶりに2Dアニメーションにリニューアルされたのですが、リニューアル後の『きかんしゃトーマス』をご覧になっていかがでしたか?

藤井トーマスたちが線路から飛び出すみたいな、アクロバティックな動きもあって、表情もくるくる変わってコミカルなところもあるし、これまた新しい『きかんしゃトーマス』だな、と思いました。アニメーションならではというか、キャラクターたちの感情が豊かに表現されてるので、そのあたりも楽しんでいただけたらいいなと思ってます。

YOU色とか映像としてすごいきれいだし、シーンに無駄がなくて、ストーリーも素直に展開していくから、本(脚本)が良くできてる。

藤井メッセージが真っ直ぐで素直に共感できますよね。

YOUそう、すごく伝わってくる。誰もが体験したことがあるような、手に取りやすいお話ですし、登場するキャラクターもみんな個性的で、感心しております。

トーマス変換の軌跡(左から)1990年 人形劇→2010年 3DCG→2022年 2D

トーマス変換の軌跡(左から)1990年 人形劇→2010年 3DCG→2022年 2D

――『映画 きかんしゃトーマス めざせ!夢のチャンピオンカップ』でおふたりは、トーマスたちのライバルとなる「スペインからやってきた双子の高速列車ファローナ(YOU)&フレデリコ(藤井)」を演じましたが、吹替の手応えは?

藤井いただいた役のフレデリコはちょっと傲慢なところがあるんですけど、カナ(日本からきた新キャラクター)とトーマスのやる気に火をつけるためには必要な存在だったので、しっかり演じようと思いました。ただ、日本語と英語でせりふの長さが違うとか、発音が違う口の動きに合わせて自然にしゃべるとかは、難しかったですね。でもキャラクターたちが本当にかわいらしくて、トーマスたちとソドー島のレース大会「ソドーカップ」に参加できて、楽しかったです。

YOUファローナは、数多くのレースで優勝経験があって自信満々。ちょっと口調がきつくて、気取り屋さんだったので、私は演じていてすごく楽しかったです。

『映画 きかんしゃトーマス めざせ!夢のチャンピオンカップ』(C) 2023 Gullane(Thomas)Limited.

『映画 きかんしゃトーマス めざせ!夢のチャンピオンカップ』(C) 2023 Gullane(Thomas)Limited.

――「きかんしゃトーマス」が生まれたのは、1945年。牧師のウィルバート・オードリーが、はしかで寝込んだ2歳の息子のために作った物語がきっかけでした。お子さんのためにお話しを作ったご経験はありますか?

YOU子どもの寝かしつけのために絵本を読むといいと聞いていたので、私もやっていたんですけど、子どもに「きょうはどの絵本がいい?」と選んでもらって、でもその絵本に書いてある文字を読んだことはありませんでした。

藤井(爆笑)

YOUまだ字が読めないくらい小さかった頃の話ね。絵本の絵だけお借りして、私だったらこういうお話しにする、というオリジナルストーリーを語ることに夢中になっていましたね。「おしまい」と言って子どもを見ると、いつも寝ていたので、よかったのかな。絵に助けられてお話が多く生まれました。

藤井さすがですね。僕は絵本に書いてある通りに読んでいましたけど、妻が読んでくれる時とは何か違う、というのを感じていたみたいです。

YOUやっぱり出るんでしょうね、キャラクターが(笑)。

自分が快適じゃないと人には優しくできない

(左から)藤井隆、YOU(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

(左から)藤井隆、YOU(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

――そもそもおふたりが親友になれたきっかけは?

藤井1990年代にさかのぼるんですけど、初めてYOUさんとご一緒させていただいたのが、あるテレビ番組のロケだったんです。その頃の僕はテンションが上がってくるとめちゃくちゃに暴れていた時期だったので、ロケバスの中で「はじめまして」とあいさつした時に、「本番で失礼なことを言ったらすいません」と先に謝っておこうと思って、そう言ったら、YOUさんから「失礼なこと言われたら嫌だ」って返ってきて。

 その時、ハッとしたんですよね。笑いをとるためだったら、失礼なことを言ってもいいと思っていたなんて、傲慢だったなって。みんなが笑ってくれたから許してもらっていたけど、やっぱり失礼なことは言っちゃ駄目だなと思って。そういうことを教えていただいたのがまずきっかけでした。テニスのロケだったんですけど、その時に本当に楽しくて、またご一緒できたらいいなって思っていたら、その後、2000年からレギュラー番組でご一緒するようになって、2003年からは『土曜はダメよ!』(読売テレビ)でずっとご一緒しています。

YOU私も初めて隆と会った時のことを覚えています。ロケバスの中でした。私はあんまり自分から電話番号を聞いたり、友達になりたいと言ったりしないタイプなんですけど、1年に1人か2人、そういう方と出会うんです。隆がそうでした。私から連絡先を教えてって言いました。

藤井本当にうれしかったです。「お洋服、好きでしょ? 買い物行ったりしてるの?」って。当時の僕は、大阪から東京に通っていて、忙しくさせてもらっていたので、「お洋服好きなんですけど、なかなか自分で買い物に行く時間がないんです」って答えたら、「買い物に行こうよ」って。そんなふうに誘ってくれる先輩、なかなかいないです。しかも、口約束で終わってもおかしくないのに、「じゃあ、いつにする?」って。今みたいに、スマートフォンなんてない時代ですよ。電話で連絡を取り合って、日にちと時間を決めて、「じゃ、ギャルソンの中で会おうね」、以上って感じだったですよ。ギャルソン? どこにあるの?って。

――表参道にある「コム・デ・ギャルソン」青山店のことですか?

YOUそうなんですけど、私も当時はまだ若かったので、配慮が足りなかったんですね。「ギャルソンでね」と言って、電話を切ってしまって。でも、隆は、自力でたどり着きました。Googleマップもない時代の話です。

藤井スタイリストさんに「ギャルソンってどこですか?」と聞いて、地図で調べて行きました。そうしたら、店の中にYOUさんがいらっしゃいました、本当に。「甘えんなよ」ということも同時に教えてくださった。

YOUそう、生きるってね、サバイバルなのよ。

――YOUさんは藤井さんのどんなところにピンときたのですか?

YOU私、鼻が利くんですね。感性が合うな、なんか近くにいたいな、って思う。その中の1人です。食べ物だったら「おいしそう」という表現ができますけど、なんかそういう魅力。すごくひきつけられるものがあったので、自分のものにしたいと思いました(笑)。

『映画 きかんしゃトーマス めざせ!夢のチャンピオンカップ』公開アフレコイベントにて

『映画 きかんしゃトーマス めざせ!夢のチャンピオンカップ』公開アフレコイベントにて

――大人になると、友情を維持することも、良き友人でいることも、なかなか難しい中で、おふたりの関係性はとても貴重なものですね。

YOU貴重だと思います。お互いの家族も含めて、ずっと長くお友達でいてくれる人は本当に少ないので、本当に大事な存在です。

藤井僕はYOUさんからたくさんのことを教えていただいてきましたが、その中で一番大事にしてるのは、自分が快適じゃないと人には優しくできないということ。それを体現して教えてくださったのがYOUさんだと僕は思っています。

 YOUさんのことを慕ってる方はたくさんいるし、みんなYOUさんのことが大好きなのは、YOUさんがみんなに対して平等に優しい気持ちを持っているからだと思うし、そこに無理がない。無理していたら絶対破綻すると思うんですよね。僕に関して言うと、レギュラー番組でご一緒して23年、出会ってからだと30年近く、ずっと優しくしてくださってるのは、多分無理をなさってないからだと思うんですよね。それってなかなかできることじゃない。

 実は、『映画 きかんしゃトーマス めざせ!夢のチャンピオンカップ』では、カナが割と、「レースに出たい」「優勝したい」とすごく前のめりになるんですね。人間の社会ではそういう前のめりな人がいると、厄介に思う人もいるかもしれないけど、「私はこうしたいんだ」ということをちゃんと周りに伝えることは、実はすごく大事なことだと思うんです。僕もYOUさんに、こうしたいんですとか、こういう仕事がしてみたいんです、こうなりたいんです、といったことは遠慮せずにお話しさせてもらっています。なんか勝手に気づいてもらおうとか、察してくれるのを待つとか、そういう変な奥ゆかしさはないです。

YOU私は好きな人にだけ好かれたい、と思っているだけなので、誰とでもいい関係を築かなきゃいけないと思って、人間関係に悩んでいる方がいるとしたら、自分にとってどうでもいいやつは割といるよ、ということをお伝えしたいですね。ただ、お仕事に関していうと、やはりお仕事の効率を上げることを優先するべきだと思うので、多少面倒くさくても相手に不快感を与えないことが最低限のマナーだと思っているくらいなので、自分にとって大切だな、と思う人のことを大切にしてほしいと思います。

『映画 きかんしゃトーマス めざせ!夢のチャンピオンカップ』

 ソドー島を一周するレース大会“ソドーカップ”がはじまるぞ。2台でペアになって4つのお届け物をしながらゴールを目指そう。双子の高速列車ファローナ&フレデリコや、昨年の世界チャンピオン、リフ&ジフら世界の強豪選手がソドー島にやってくる。もちろん日本からはヒロとケンジも駆けつけてくる! ソドーチームは速さに自信のないトーマスとブレーキが苦手なカナがレースに出ることになって、びっくり仰天!ヒロは「ソドーカップで勝つには、スピードではない大切なことがあるんだよ」という。チャンピオンめざして、トーマスとカナの猛特訓がはじまった! 映画館でみんないっしょにトーマスたちを応援しよう!
公開日:2023年3月10日(金)
原作:「汽車のえほん」ウィルバート・オードリー
監督:ジェイソン・グロー & キャンベル・ブライア
脚本:ピーター・ガフニー
声の出演:田中美海、越乃 奏、大久保瑠美、古賀英里奈、山藤桃子、西山宏太朗、酒井敬幸
ゲスト声優:ファローナ/ YOU、フレデリコ/藤井隆
2021年/イギリス/62分/ヴィスタ/カラー/日本語/5.1ch
原題:Thomas & Friends Race for the Sodor Cup
提供:ソニー・クリエイティブプロダクツ
配給:東京テアトル
配給協力:イオンエンターテイメント
公式サイト:https://movie2023.thomasandfriends.jp/

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