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SixTONESの3rdアルバム『声』で冴え渡るボーカルの魅力、歌詞から思い至った“声”への渇望感

 SixTONESが2023年1月4日、3作目のフルアルバム『声』をリリースする。『1ST』『CITY』というこれまで2枚のアルバムで卓越した表現力を見せてきた彼ら。特に6人それぞれの個性豊かなボーカル、巧みな歌唱力とラップのスキルは目覚ましいクオリティを示してきた。King Gnu/millennium paradeの常田大希が楽曲提供した「マスカラ」など、複雑な譜割りと技巧的なメロディを難なく歌いこなし独特の色気を醸し出すタイプの楽曲がグループの代表曲となってきた。既存のアイドルポップスの枠組みには縛られない音楽性を開拓し、熱量の高いファンのみならず幅広い音楽リスナーの支持を獲得してきた。

 そして2022年もSixTONESは精力的に動き続けてきた。畳み掛けるような展開のミクスチャー・ロック・ナンバー「共鳴」、感傷的でスケールの大きなバラード「わたし」、キラキラと華やかなポップチューン「Good Luck!」、切なく温かみのあるミドルバラード「ふたり」と、様々なタイプの楽曲をシングルとしてリリースしてきた。どの曲でも、耳を惹きつける6人それぞれの歌声が大きな魅力となってきた。そうした歩みの先に届いたアルバムだからこそ、「声」というタイトルに合点のいく人も多いのではないだろうか。

京本大我のハイトーン、松村北斗の低音の対比が魅力「Boom-Pow-Wow!」

 アルバムはボーカルの魅力を前面に打ち出し、SixTONESの今の声を生々しく、近い距離で感じられるような一枚になっている。まず印象的なのはオープニングの「Overture -VOICE-」。アカペラで始まり、勇壮なリズムに分厚いハーモニーや力強いシャウトが重なる曲構成で、アルバムのコンセプトをストレートに伝えるような一曲。田中樹のラップ、高地優吾のボイスパーカッションも効いている。これもSixTONESだからこそのナンバーと言えるだろう。

 リード曲「Boom-Pow-Wow!」はエレクトロスウィングのスタイルを取り入れたアップテンポな一曲。これまでも数々のEDMナンバーを歌ってきたSixTONESだが、小気味よい歌割りで目まぐるしい展開を見せるこの曲は彼らの得意なタイプと言っていいのではないだろうか。京本大我の伸びやかなハイトーンと松村北斗の色気ある低音の対比も魅力になっている。アルバム前半には他にも荒々しいダブステップの「Outrageous」など強力でエネルギッシュなダンスナンバーが並ぶ。

 そしてアルバムの聴きどころのひとつが、中盤に置かれた「人人人」だ。ファンキーなギター・カッティング、うねるベース、小粋なピアノやオルガンと、かなりオシャレなバンドアンサンブルに乗せて、自在なラップを聴かせる曲。でも歌っていることのテーマは、ステージに上がる前に緊張してしまうという飾らぬ一面。タイトルの由来は手に「人」の字を書いて飲み込む古来からのおまじないである。

中毒性の高いEDMから歌謡曲の色気まで、三者三様のユニット曲

 アルバム後半は、恋の駆け引きをテーマにしたバウンス系の「Risky」、ゆったりとしたビートに乗せて日常の安らぎを歌う「Chillin’ with you」、爽快で真っ直ぐにポジティブな「SUBWAY DREAMS」、など様々なタイプのダンスナンバーが続く展開。2022年の夏にYouTubeでMVが公開されたサマーチューン「PARTY PEOPLE」もステージ映えしそうな一曲だ。こういうギラギラしたタイプの楽曲は巧みなラップスキルを持つ田中樹とエッジの効いた歌声を使いこなすジェシーの見せ場が多く、森本慎太郎の甘い歌声がアクセントになっている印象だ。

 アルバム「声」は「初回盤A」「初回盤B」「通常盤」の3タイプがあり、共通楽曲は13曲。ストリングスが響きおおらかな包容力を持つ「Always」がアルバム本編を締めくくり、その後にはいわばボーナストラック的な新曲が収録されている。
 中でも「初回盤B」に収録されたユニット曲はそれぞれの方向性が三者三様で興味深い。森本慎太郎×田中樹の「OPA!」は中毒性の高いEDM。京本大我×地優吾の「ラ・ラ・ラ・ラブストーリー」はジャジーでキュートなミュージカル調。90年代の渋谷系のテイストを思い出す人もいるかもしれない。ジェシー×松村北斗の「愛という名のベール」は歌謡曲の妖艶な色気を醸し出すメロディのアップチューン。それぞれのコンビのカラーを活かした曲調になっている。

歌詞から感じる“声”に込められた想いーー「6人の声」

 2023年1月4日からアルバムを引っさげての全国アリーナツアーがスタートする。タイトルは「慣声の法則」だ。長引くコロナ禍で声出しができないライブが続いてきたが、2022年11月からはガイドラインが緩和され、マスクの着用を前提に声出しが解禁となった。

 そういうことを踏まえて考えると、いろいろと思い至るところがある。「Boom-Pow-Wow!」には「声上げろ」という歌詞があるし、「Outrageous」には「声を聞かせて」という歌詞がある。通常盤収録の「Again」には「ただその声を聴きたくて」という歌詞もある。

 アルバム『声』に込められたのはSixTONESの、6人の声だ。けれど、そこには同時にファンやリスナーの声を待ち望む気持ちも詰まっているのではないかと思う。

文:柴 那典
■SixTONES Official web site
https://www.sixtones.jp/(外部サイト)

■SixTONES YouTube Channel
https://www.youtube.com/channel/UCwjAKjycHHT1QzHrQN5Stww(外部サイト)

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