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「芸人としては致命傷」がん闘病のはんにゃ川島、保証ない恐怖とコンビ危機で気づいたこと「お互いを必要としている」
がん告知された川島を支えた、妻の菜月さんと
「何をやっても笑ってもらえないんじゃないか」、がん公表への躊躇と宮迫のアドバイス
川島章良 やっぱり芸人だからですね、隠したいという気持ちが強かったのは。病気のイメージがついたら、何をやっても笑ってもらえないんじゃないかって。がんサバイバーとしても先輩である宮迫博之さんに相談したところ、僕の気持ちを理解してくれて「言わなくてええんちゃう」とアドバイスしてくれました。
──たしかに、がんと知ったら周りの人も身構えてしまいそうです。
川島章良 わかります。でも、僕も多くのがんサバイバーの話を聞いてきましたけど、ほとんどの人が「腫れ物扱いされるほうが傷つく」って言います。本を書いたのは、できればがん当事者の本音もわかってくれたらうれしいな、という思いもありました。
──初めて闘病記録を明かした著書『はんにゃ川島のお笑いがんサバイバー』に書かれていた、いつもと変わらず接してくれた奥さまの菜月さん、相方の金田さんのエピソードはとても参考になりました。
川島章良 奥さんは、人生5回くらい経験してるんじゃ?って思うほど、人間ができてるんです。妊娠がわかったばかりで自分だって不安なはずなのに、「お腹のこの子が(がんを)教えてくれたんだよ」なんて、なかなか言えないですよね。
術後2週間で復帰、その裏には「代わりはいくらでもいる」という恐怖
川島章良 これもやっぱり、芸人だからですね。代わりはいくらでもいるというのが、一番怖かった。芸人は仕事を休んでもなんの保障もないし、保険にも入ってなかったし、結婚して子どももできたばかりで焦りもありました。
──公表しなかったことの弊害はありましたか?
川島章良 僕はぽっこり腹をネタにしてたし、そうでなくても芸人って上半身を脱ぐ仕事が多いんです。それが、手術の傷跡を見せたくなくて、ことごとくできなくなったのは致命傷でした。あと、術後すぐに人力車を引く仕事があって、お腹に力を入れたとたん悲鳴を上げそうになりましたね。「傷が開くー!」って(笑)。
──芸人さんの悲喜こもごもですね…。
川島章良 そもそも芸人って、職場環境が不健康なんですよ。番組で大食いしたあとに先輩からご飯に誘われて、そのまま朝まで飲むとか(苦笑)。でも最近の若手はだいぶ変わりましたね。仕事終わりに先輩に酒に誘われても「あ、帰って配信やるんで無理っす」って断れるやつが増えてます。