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深キョンの成功で加速した女優の“グラビア回帰志向” 宮崎美子に見る「水着姿を披露する」ことへの意識変化
還暦過ぎても「不自然さがない」 グラビア写真への風向きの変化
そもそも1980年デビューの宮崎がブレイクしたきっかけは、同年のミノルタ(現コニカミノルタ)CMで披露した健康的なビキニ姿だった。新人が水着グラビアを"通過儀礼"として知名度を上げていくのは今も昔も定番だ。
ところが近年は、第一線で活躍する中堅〜ベテラン女優たちが次々とグラビアに回帰する傾向が見られる。その先鞭を切ったのは、やはり深田恭子(38歳)だろう。かつては男性人気の高かった深田恭子だが、近年はその健康的なメリハリボディで女性からの憧れを集めるようになった。そのきっかけとなったのが、30歳から始めたサーフィンをビキニ姿で披露した写真集『Down to earth』(2014年)だ。
今年2年ぶりにリリースした写真集『Brand new me』にもサーフィン&ビキニショットが満載。発売前に重版が決定するなど、「人気女優にして現役No.1グラビアアイドル」という稀有なポジションを確立している。
「グラビアは卒業するもの」若手女優の登竜門、時には黒歴史扱いも
厳格な家庭で育った宮崎美子も「家族に水着姿を見られたくない」と、一度はグラビアを断ったという。巨匠・篠山紀信の熱心な説得でミノルタCMに出演し、一躍知名度を上げた宮崎だったが、その鮮烈な姿は「宮崎美子=素朴な笑顔とグラマラスなボディ」というイメージを視聴者の脳裏に強く焼き付ける結果となった。はにかんだ笑顔を浮かべ、Tシャツとジーンズを抜いでビキニ姿になる一連の動作は、当時しばしばお笑いのネタにもなったほどだ。
若かりし頃にはそうしたパブリックイメージを脱却する苦労もあっただろう。その後は長らく(40年も)水着を"封印"し、女優・タレントの仕事に邁進。ドラマや映画はもとより、81年のTBS系『クイズダービー』を皮切りに数々のクイズ番組で活躍して現在のポジションを築き上げている。
40周年の節目もさることながら、「知的かつ朗らかでチャーミング」といった揺るぎないイメージを確立したこと、さらに人気女優のグラビアに「同性の支持と共感」という新たな価値が加わった今だからこそ、宮崎も「40年ぶりのビキニ」に踏み切れたのではないだろうか。
また、美ボディは健在ながら、安易に熟女=艶っぽいセクシー路線に走らなかったことも好意的に受け止められた。61歳にしてフレッシュかつ清潔感あふれるビキニ姿は、宮崎だからこそ表現し得たものだ。