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話題の動画『AITSU』こそ木村拓哉の真骨頂…SMAP時代から培かわれたコミカルさと“有事の際”に動く姿勢

 ジャニーズ事務所が先月24日に公開した『AITSU』という動画が話題だ。親指を立てた“サムズアップ”の被り物をしたスタイリッシュな人物が、「つづけよう、マスク」「つづけよう、手洗い」といった新型コロナウイルス対策の継続をコミカルな動きで訴える…といった内容で、Twitterでは“中の人”が誰なのかの予想合戦も行なわれていた。同26日に公開された動画では、中の人がまさかの木村拓哉であったことが発覚し、「キムタク」「木村君」などがトレンド入り。「キムタクってこんなこともできるんだ…」「イメージ変わったわ」など、“意外”との声が多くみられた。しかし、よくよく考えてみれば、今回の木村拓哉の企画は意外どころかむしろ“必然”とも言える。そんな“キムタク”の実態に迫ってみたい。

コミカルな動きに「意外」の声も…カッコいいの象徴・木村拓哉の躍動感に賞賛

 『Smile Up! Project〜AITSUコンセプトムービー〜』は、先述のように“グー”に親指を立てたサムズアップの被り物をし、黄色いスーツを着た人物がコミカルな動きで感染症対策を訴えていくもの。当初は誰が演じているのかわからなかったので、SNSでは「中の人は誰?」「関ジャニ丸山隆平ではないか?」「V6井ノ原快彦か?」などと盛り上がっていた。

 のちに実は木村拓哉だったことが公開されるや、SNSではさらに大盛り上がり。「あのキムタクさんがこんなコミカルなこともやるなんて」と“意外”との声が殺到した。木村は中の人だけではなく企画自体の内容にも絡んでおり、YouTubeのほか屋外ビジョンでも動画公開中で、「(言葉がなくても)子どもや海外の人にも伝わりやすいムービー」にしたとコメントしている。

国民的“カッコいい”の象徴とコントでの「笑い」 そのふり幅こそが木村拓哉

 今回の木村の姿に、「意外」「新たなキムタクを見た」といった声がSNSにあふれたわけだが、果たして本当に“意外”なことなのだろうか? そもそもSMAPはデビュー当初から絶大な影響力を持ったアイドルグループというわけではなかった。スポーツやコントなどに挑戦した『愛ラブSMAP』(テレビ東京系/1991〜1996年)や『夢がMORI MORI』(フジテレビ系/1992〜1995年)にレギュラー出演したあたりからようやく火がつき、「ジャニーズ初のバラエティ対応型グループ」としてブレイクしていくのである。従来のアイドル像とは異なるバラエティタレントとしてのSMAP像を作り上げ、後進へと続くバラエティアイドルというジャンルを確立させたその功績は計り知れない。早い話が、木村にしてみれば、今回の企画で見せたくらいの軽妙なコント的動きなどは“お手の物”なのである。

 先のバラエティ番組出演の流れの集大成ともいうべき『SMAP×SMAP』(フジテレビ系/1996〜2016年)は、当時の人気ドラマのパロディコント企画など、お笑い芸人顔負けの笑いを入れ込んだ先駆的な番組だった。木村自身、古畑任三郎を真似た古畑拓三郎になったり、ピンク色のプードルの被り物をしたりと、嬉々としてバラエティにハマっていたのである。SMAPのメンバー全員が「歌って踊れる」+「笑いもとれる」エンターテイナーとして活躍し、俳優やバラエティ番組のMCとしても活動の領域を広げていくわけだが、中でも木村は数々の高視聴率ドラマに出演し、いわば国民的“カッコいい”の象徴となっていく。そんな「カッコいい」キムタクと、コントで「笑い」をとるキムタクのギャップ…つまり、その振り幅こそが“木村拓哉”だったのである。

 気がつけば、『SMAP×SMAP』終了、SMAP解散から早4年。デビュー当初は6人いたメンバーも、今ではジャニーズ事務所に残るは木村のみ。木村自身も年齢を重ね、バラエティ番組への出演も減り、「カッコいい」「渋みのある」俳優業ばかりが目立つようになってきた中、今回の「グー」の被り物だったために生まれた、“意外”の声だったのだろう。

「国民的グループ」の役割を自覚 チャリティー活動を支え続けたSMAP

 また、こうした啓蒙活動やボランティア活動に関しては、木村はSMAP時代から深くかかわってきた。2011年3月の東日本大震災以降、『SMAP×SMAP』の番組の最後にメンバー5人がフォーマルなスーツに身を包み、一列に並んで視聴者に復興支援を呼びかけた(熊本地震後、その義援金への呼びかけも加えられた)。大きな災害が起きたとき、タレントやミュージシャンがチャリティー活動をすることは珍しくないが、SMAPのように継続して毎週、視聴者に向けて行なった例はほかにないのではないか。しかも同じ映像の使い回しではない。実際、SMAPは『東日本大震災復興支援財団』の発起人の一人であり、おそらく彼らは「国民的グループ」としての立場を自認・理解し、その責任においてどのような役割をするべきか、常に考えてきたグループだった。

 さらに木村はSMAP解散後も、西日本豪雨の際は被災地を訪問し、ラジオでSMAP曲をかけて被災地にエールを送り、春には新型コロナウイルス対策の手洗い動画を撮影するなど、視聴者への呼びかけを忘れずにいる。木村自身、西日本豪雨の被災地訪問では自身のラジオで、「一人のおばあちゃんが『わしらはもう心が病んどるじゃけん』って最初にお会いした直後におっしゃっていたんです。でも、そのサービスをさせていただいた後に、そのおばあちゃんがすごく笑顔になってくれていたのが本当に来てよかったなって」とコメントしている。
 かつてのSMAPの活動があればこそ、現在の木村拓哉の姿勢にもその精神がブレることなく貫かれ、継続され、一連の『Smile Up! Project』の設立への尽力ともなったということだろう。
 第3波を迎えたとも言われ、いまだ日本国民を苦しませる新型コロナウイルスの最中でも、新しい企画で私たちをなごませてくれるキムタク。その根底には、やはりSMAP時代から培われてきた“自分の役割”への自覚があるのかもしれない。
 ドラマや映画で魅せる王道のカッコよさ、コントで芸人顔負けの笑いをとるカッコよさ、有事の際に率先して動くカッコよさ…それらすべてが合わさってキムタクであり、彼が長年にわたって人気を博している理由ともなっているのだろう。特に今回の『AITSU』を見るにつけ、過去もそうであり、現在も続いている“有事に強い”木村拓哉の姿には、あらためて“凄み”さえ感られるのである。

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